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2021年11月01日

【コラム】薬品の容器の材質にはどんなものがある?耐薬品性について解説

21/10-1-1

薬品を保存する容器の種類には材質などの違いがあります。また、耐薬品性についても重要な要素です。今回は薬品の容器について紹介します。

 

■薬品の容器にはどんなものがある?

薬品の容器には、ガラス製やプラスチック製、アルミ製などさまざまな種類のものがあり、入れる薬品によってサイズや形状なども異なります。以下では、薬品の容器に求められる基準やガラス瓶の薬品容器のメリット・デメリットについて詳しく解説します。

 

・薬品の容器に求められる基準とは?

薬品は人体に大きくかかわるものであるため、薬品を入れる容器にも一定の基準が設けられています。容器に求められる基準は、主に安全性です。輸送の際や保管の際の安全性、長期間の品質維持などが求められます。その他、高純度の薬品が汚染されないか、使用者や環境に優しいかなどについても基準が設けられています。

・ガラス瓶の薬品容器について

薬品の容器には「ガラス瓶」や「ポリ瓶」、「アンプル瓶」などさまざまな種類があります。その中でも薬品の容器として最も多く採用されているのがガラス瓶です。ガラス瓶の薬品容器にはメリットがある一方でデメリットもあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

<メリット>

ガラス瓶の薬品容器のメリットは、外からの刺激に影響されにくい点です。
ガラスは密封性が高いため、中身の酸化や水分による変質を防ぐことができます。また、外からの影響を受けにくいため、試薬の長期間貯蔵も可能です。容器自体もほとんど変質しないため、ガラス瓶は主に酸のような強い薬品を保管する際に用いられます。

<デメリット>

ガラス瓶の薬品容器のデメリットは、重くて割れやすい点です。
重量があるだけでなく、滑りやすいことも相まって、ガラス瓶は破損がよく起こります。こぼれた薬品が有害なものであった場合、けがや汚染などにつながる可能性もあるので注意が必要です。万が一薬品の入ったガラス瓶を破損してしまった場合には、すぐに適切な処置を行いましょう。
また、ガラス瓶は強いアルカリに弱いため、水酸化ナトリウムのようなアルカリ性の薬品を保管する際には注意が必要です。なお、フッ化水素水溶液は容器が溶けてしまうため、使用できません。

・プラスチックの薬品容器について

プラスチックの薬品容器の多くは、素材に高密度ポリエチレンが使用されているため、あらゆる薬品に対応できるようになっています。しかし、一部の製品には内容物の液体に耐えられない材質のものもあるため注意が必要です。プラスチック製の容器を使用する際には、薬品を少量入れ、様子を見てから使用するようにしましょう。

 

■耐薬品性の容器について

薬品容器の種類はさまざまですが、薬品と材質が合わなかった場合、容器が溶けてしまったり異臭がしてしまったりなどのトラブルにつながります。そのため、薬品を保管する際は、薬品に合った容器を選ぶことが大切です。薬品容器を選ぶ際は、以下で紹介する耐薬品性や材質の特徴などを参考にしてみてください。

 

・耐薬品性について

耐薬品性とは、各薬品に対しての耐久性のことです。薬品の種類にはアルカリや酸類、酸化剤、有機溶剤、塩類などがあります。
耐薬品性は10段階もしくは4段階で評価され、数字が大きい程、耐薬品性に優れています。

・酸に強い材質

酸に強い主な材質は以下の9つです。材質の特徴についても併せて見ていきましょう。

<PVC>

PVCはポリ塩化ビニル樹脂です。一般的な合成樹脂の一つで、耐薬品性に優れています。ほとんど酸やアルカリ、塩類などに浸されることがなく、さらに硫化水素による劣化もありません。その他、強度や電気絶縁性、難燃性、耐候性などのバランスに優れている特徴があります。

<PE>

PEはポリエチレンです。強度や電気絶縁性、耐薬品性がよいという特徴があります

<PP>

PPはポリプロピレンで、樹脂の中でも傷が付きにくい丈夫な材質です。耐薬品性に優れており、PVC同様ほとんど酸やアルカリ、塩類などに浸されることがありません。

<PS>

PSはポリスチレンで、ガラスに近い光透過性です。優れた耐薬性をもち、酸やアルカリ、塩類などの影響を受けません。一方で、油類や有機溶媒類に弱く、軟化・溶解する特徴があります。

<ABS樹脂>

ABS樹脂はアクリロニトリルとブタジエン、スチレンの3種類の成分が組み合わせられた樹脂です。耐薬性に優れており、酸やアルカリ、油類の影響を受けません。一方で有機溶剤に溶けてしまう特徴があります。

<PMMA>

PMMAはアクリルで、高い光透過性が特徴的です。一般ガラスよりも透過率がよく、有機ガラスとも呼ばれます。耐薬性に優れており、酸やアルカリ、ナトリウムの影響を受けません。しかし、アルコールや油には注意が必要です。

<PVDF>

PVDFはポリフッ化ビニリデンです。フッ素系樹脂の中では最高の強度を誇っています。耐薬品性にも優れており、酸やアルカリの影響を受けません。しかし、アミン、エステル、ケトン、環状エーテル、アミド類には注意が必要です。

<フェノール樹脂>

フェノール樹脂とは、原料がフェノール類とホルムアルデヒド類の2つからなる合成樹脂のことです。高温時でも強度を保持できるほど機械的強度が優れています。耐酸や耐溶剤性、耐水性のよさが特徴です。

<エポキシガラス>

エポキシガラスはガラス繊維とエポキシ樹脂の積層板です。耐熱性と機械的強度、耐薬品性を兼ね備えています。耐薬品性に優れており、ほとんどの溶剤に侵されません。

・アルカリに強い材質

アルカリに強い材質は、以下の通りです。

PVC(ポリ塩化ビニル樹脂)
PE(ポリエチレン)
PP(ポリプロピレン)
PS(ポリスチレン)
PVDF(ポリフッ化ビニリデン) など

 

・耐薬品性に優れているのは?

耐薬品性に優れている材質は、酸とアルカリに強い材質であるPVCとPE、PP、PS、PVDFです。しかし、使用する薬品によって最適な樹脂やプラスチックなどは異なるため、使用前に必ず試験を行うようにしましょう。

 

■薬品の保管などにおすすめの容器

薬品を保管するための容器にはさまざまな種類がありますが、今回はおすすめの薬品容器を2つご紹介します。

 

・茶丸200S

「茶丸200S」はガラス製の薬品用容器で、酸のような強い薬品の保管に最適です。薄い茶色なので、光による内容物の劣化を防ぐ効果があります。また、中身の確認も問題なく行うことが可能です。

容量(ml)/OF 195
重量(g) 180
幅・直径(mm) 61
高さ(mm) 69.2
キャップ H-60
入数 48
材質/色 ガラス/茶

 

・茶六角100

「茶六角100」は茶丸200S同様、ガラス製で茶色の薬品容器です。六角形のため、安定感があります。万が一倒してしまった場合でも転がるのを防げるため、破損につながりにくいでしょう。

容量(ml)/OF 123
重量(g) 130
幅・直径(mm) 54×60.4
高さ(mm) 78.5
キャップ H-55
入数 80
材質/色 ガラス/茶

 

※商品のスペックの寸法・入数は本体の値でキャップは含みません。
※商品スペックはコラム掲載時の値です。商品の規格・仕様は予告なく変更されることがあります。
※OF(オーバーフロー):容器の口元まで水を入れた満容量のことです。

 

■まとめ

薬品の容器には、ガラス製やプラスチック製、アルミ製などさまざまな種類のものがあります。薬品の容器として使用されることが多いのは、ガラス製の容器です。ガラス製の容器は外からの刺激に影響されにくく、変質もしにくいため酸のような強い薬品の保管に向いています。薬品の保管をするための容器をお探しの方は、ぜひ株式会社斎藤容器の瓶をご検討ください。

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