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2021年10月29日

【コラム】ワンウェイ容器とリターナブル容器の違いとは?飲料などに使われる容器の種類について紹介

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飲料に使われる容器には、ワンウェイ容器とリターナブル容器があります。それぞれどのような特徴があるのでしょうか。近年では飲料容器の再利用や脱プラスチックが話題になっていますが、双方の特徴や違いを知っておくことで環境問題についてより深く考えることにつながります。
今回はワンウェイ容器とリターナブル容器について紹介します。

 

■ワンウェイ容器について

まずはワンウェイ容器について説明します。

・ワンウェイ容器とは

ワンウェイ容器とは一度使用した後、回収して別の形状で使用するタイプの容器です。資源ごみとして一度回収し、洗浄と殺菌をメーカーなどが行います。ガラス製品の場合は、一度細かく砕いてから再利用されます。ガラス製品以外にもペットボトルや紙パックなどもワンウェイ容器です。日本では昭和初期頃からワンウェイ容器の需要が高まっており、現在使用されている容器の多くはワンウェイ容器となっています。

・どんなものがワンウェイ容器に該当する?

ワンウェイ容器に該当するものはスチール缶、アルミ缶、ペットボトル、回収してそのまま使われないガラス瓶類が該当します。回収して同じ形のまま使う容器は少ないため、よく見かける商品に使われている容器類の多くはワンウェイ容器です。 ワンウェイ容器は使用後に別のガラス容器として生まれ変わるもの以外に、アスファルトや建築断熱材、タイルなど幅広いものに活用されています。最近ではペットボトルから作られた服などもあり、これまで以上にエコに貢献しています。

・ワンウェイ容器が増加している理由

以前に比べてワンウェイ容器が用いられるようになった大きな理由に、消費者のライフスタイルの変化が挙げられます。以前に比べて商品の形状そのものが多様になったことや、販売される場所が増えたことによって、より扱いやすいワンウェイ容器の需要が高まりました。
そのままの形状で再利用できる容器の多くは、ケース単位での購入などまとめ買いによって支えられていましたが、核家族など少人数の家庭が増加した現代では、以前に比べてケース買いの需要が低くなっているのも理由の一つです。
また、ワンウェイ容器は製造コストや購入コストが低い点も普及につながりました。

・ワンウェイ瓶はリサイクル可能

ワンウェイ容器の一種であるワンウェイ瓶は、材質の劣化や変化が起こりにくく、何度もリサイクルしやすいという特徴があります。そのため、加工するだけで再利用できるエコな容器です。
なかでも、リサイクル前に破砕したガラスくず(カレット)が90%以上原料となっているボトルはエコロジーボトルと呼ばれ、エコに関心が高まる現代では注目を集めています。特に、茶色と無色以外の色のカレット(混色カレット)からできたエコロジーボトルのことを、スーパーエコロジーボトルと呼んでいます。

 

■リターナブル容器について

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 続いてリターナブル容器について説明します。

・リターナブル容器とは

ごみや資源回収によって集められたあと、メーカーなどが洗浄をして再使用します。1970年頃は商品を購入した販売店に、容器だけを返却していることがほとんどでした。容器を回収したあとに洗浄し、そのまま形を変えずに再利用します。
「リターナブル」とは「回転可能(turnable)」から派生した言葉であり、他には「リユース容器」などと呼ばれることがあります。
洗浄だけで再度利用できるため、ワンウェイ容器よりもさらにエコな容器です。
・どんなものがリターナブル容器に該当する?
リターナブル容器に該当するものはビール瓶、一升瓶など瓶製品が多くなっています。他には昔ながらのオールガラス製のラムネ瓶などです。オールガラス製のラムネ瓶は、現在では生産されておらず、現存している分がなくなると消えてしまう非常に貴重な容器です。そのため、業者や販売店はとても大切に扱っています。取り扱い店舗などは非常に限られていますが、もし見つけたら決して割ったり持ち帰ったりせず、回収に協力しましょう。
ラムネ瓶に限らず、容器類はリサイクルがしやすいように不用意に傷や破損させないことが大切です。

・近年再び注目されている

リターナブル容器も近年再注目を集めています。第二次世界大戦後の高度経済成長期はリターナブル容器の需要は非常に高いものでしたが、昭和初期から平成になると、次第に扱いが容易な紙パックやペットボトル、缶などのワンウェイ容器にシフトしていきました。ワンウェイ容器はリターナブル容器に比べて製造コストなどが低く、購入費用も少ないので、多くの企業・業界で需要が高まりリターナブル容器の需要は低迷しました。
しかし近年、社会問題として環境への配慮やエコに関心が高まっているので、再びリターナブル容器に注目が集まっています。

■飲料用のガラス瓶のリサイクルについて

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最後に飲料用のガラス瓶のリサイクルについてご紹介いたします。

 

・ガラス瓶のリサイクルの歴史

ガラス瓶のリサイクルは、明治時代にはじまりました。一度使った瓶を買い集めて売る業者も存在していたようです。ガラス瓶の業者は、1974年には行政などと協力しながらリサイクルのシステムを作っていきました。その甲斐もあり、1984年には「ガラスびんリサイクリング推進連合」が設立され、ガラス瓶のリサイクルは普及していきます。
1997年には容器包装リサイクル法が施行され、消費者、地方自治体、事業者の3つが役割を分担してリサイクルに取り組むことが義務付けられました。

・リサイクルの工程

ガラス瓶のリサイクルは大きく3つの工程に分かれています。

<資源化センターで分別される>

回収された使用済みのガラス瓶はまず、市町村が管理する資源化センターで色ごとに分類されます。色は無色、茶色、その他(緑など)の3色で、分類時に付属しているガラス以外のパーツ(キャップのプラスチックなど)も取り外し、できるだけガラス以外のものが入り込まないようにします。なお、通常のガラス瓶と耐熱ガラスは成分が異なるため、耐熱ガラスも除外の対象です。
分別後は加工を行う工場に送られます。

<細かく砕かれてカレットに>

 工場に送られたガラス瓶は、カレットと呼ばれる状態まで細かく破砕します。これは、細かくすることで不純物を取り除きやすくするためです。不純物は磁力、風力、金属探知機などさまざまな方法で非常に細かいものまで除外されます。不純物がガラス製品に交じってしまうと、ガラスの耐久性が低下するなどの問題につながるため、重要な工程です。

 

<ガラス瓶工場で再びガラス瓶に>

不純物が取り除かれたカレットは、ガラス瓶の工場で再びガラス瓶に生まれ変わります。融解炉でカレットを溶かし、金属型に入れて瓶の形をとります。
なお、ガラスの成形法は以下の2種類です。

①プレスブロー成形
金型の底にプランジャーと呼ばれる棒状の金型が付いており、突き上げることで成形します。ジャムなどの間口が広い瓶で用いられることが多いです。

②ブローブロー成形
金型に流し込んだガラスを高圧空気で膨らませて成形します。ビール瓶や調味料入れなど間口が狭い瓶で用いられることが多いです。

成形後の瓶は冷やしてから瓶詰工場に送られ、製品を詰めた後に再び市場で販売されます。

 

■まとめ

瓶には2種類あり、どちらも非常にエコで環境に優しいため、現代社会では高い注目を集めています。消費者、販売者という立場に関係なく、一人ひとりが意識することでリサイクルやエコの促進につながります。特徴を知り、製品ごとに適した瓶を選んでください。

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