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2021年10月04日

【コラム】ガラス容器にはどんなメリットとデメリットがある?特徴や活用法についても紹介

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食品の容器にはさまざまな素材が用いられていますが、その中でも代表的なのがガラス製の容器です。では、ガラス容器にはどのような特徴があるのでしょうか。今回はガラス容器のメリットやデメリットについて紹介いたします。

 

■ガラス容器の特徴

まずはガラス容器の歴史や江戸ガラスと洋式ガラスの違いなどについて解説します。

 

・ガラス容器の歴史

ガラス容器が作り始められたのは、紀元前1600年頃と言われています。エジプトで製造が始まり、当時は熱でやわらかくしたガラスを型に流し込んで作られていました。
紀元前1世紀頃になると、現在のガラス容器作りの主流となる吹きガラス技法が確立され、用途に合わせたさまざまな形のガラス容器が作られるようになりました。

・日本にガラスが伝わったのはいつ?

弥生後期の遺跡からガラス炉跡やガラス玉が見つかっているため、日本では、弥生時代にガラスが伝わったと言われています。ただし、国内で作られたものか、海外から輸入されたものかは解明されていません。その後、飛鳥時代の頃から、日本では神仏のためにガラスが使用されはじめます。しかし、1549年のフランシスコ・ザビエルが来日して以降はガラス製品が普及し、生活用品として使用されるようになりました。
江戸時代後期になると欧米の丈夫なガラスが伝わり、明治時代にはガラスくずが輸入され始めます。その後は、国内でもさまざまなガラス容器が製造されるようになり、現在に至ります。

・江戸ガラスと洋式ガラス

江戸時代に作られていた江戸ガラスは鉛の量が多いガラスで、透明度が高く加工しやすいメリットがある一方で、もろく割れやすいというデメリットがありました。そのような江戸ガラスに代わって発展したのが洋式ガラスです。
洋式ガラスは、原料に炭酸ナトリウムが使用されているソーダガラスで、軽くて割れにくい特徴があります。

・ガラスが割れてしまう理由

ガラスが割れてしまう主な理由は、外からの衝撃と急激な温度差です。
ガラスは衝撃を吸収する力が弱いため、落としたりぶつけたりすると傷が入り、割れてしまいます。
また、ガラスは熱を通しにくい性質があります。そのため、加熱などの急激な温度変化が起きると、熱で膨張している部分とそうでない部分に分かれてしまい、割れの原因になってしまうのです。

 

■ガラス容器のメリットとデメリット

ガラス容器にはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。以下で詳しく見ていきましょう。

 

・メリット

ガラス容器を利用する8つのメリットを紹介します。

<中身がわかりやすい>

ガラスは透明なので、中身が把握しやすいのがメリットです。冷蔵庫の中でも何が入っているかすぐに確認ができるため、作り置きをする際に便利です。食品の鮮度も、蓋を開けることなく確かめることができるでしょう。

<密封性が高い>

ガラスは密封性が高く、水分や空気を通さないという特徴があります。食品を水分や空気から遮断することができるため、食品の酸化や劣化を防げます。

<味やにおいが食品に移らない>

ガラスはプラスチックや鉄のような独特のにおいがありません。においが食品に移らないため、食品そのものの味を楽しめます。また油汚れが落ちやすく、においやぬめりも残らないため、別の食品を保存する際にも衛生的です。

<加工しやすい>

ガラスはやわらかいため、さまざまな形に加工できます。ガラスは1,200~1,300度の熱を加えると固体と液体の中間の状態となり、用途に合わせて形や大きさ、デザインなどを変えることができます。

<原料が天然素材>

ガラスの主な原料は100%天然素材です。珪砂(けいしゃ)や石灰、ソーダ灰など人間の体に毒のない原料が使用されているので、食品に利用しても安心です。現在は環境に配慮して、省エネルギーやCO2の排出量削減のため、カレットと呼ばれるガラスを細かく砕いた素材が主原料として使用されています。このカレットも天然素材です。

<リサイクルしやすい>

ガラスはリサイクルしやすい素材の一つです。不要になったガラスは回収された後、細かく砕かれて建築材料や土壌の材料などにリサイクルされます。

<高級感、重厚感がある>

ガラスはその透明性や重量から、高級感や重厚感を演出することができます。

<熱充填が可能>

ガラス容器は樹脂容器に比べて熱に強いため、熱充填が可能です。そのため、二次殺菌を行う必要がある製品の容器として使用することができます。

 

・デメリット

ガラス容器にはメリットがある一方で、デメリットもあります。以下では、ガラス容器を利用する3つのデメリットを紹介します。

<重くて割れやすい>

ガラス容器は重くて割れやすいという特徴があります。最近では、軽くて割れにくいガラス容器も登場していますが、プラスチック容器やステンレス容器に比べると扱いが難しいでしょう。また、一度割れてしまったガラス容器は修復ができないため、割れた場合は新しいものに交換する必要があります。

<中の食品が変色しやすい>

ガラスは透明性が高く、光を通しやすい特徴がある素材です。そのため、ガラス容器で食品を光の当たる場所で保存した場合、紫外線などで変色しやすくなってしまいます。変色しやすい食品を入れて保存する際は注意しましょう。

<割れた際にけがをする可能性がある>

ガラスは割れた破片が飛び散りやすく、欠けた部分が鋭利になります。
●細かい破片を踏んでしまう、
●片付けの際に手を切ってしまう、
などのけがにつながる可能性があるため、取り扱いには注意が必要です。

 

■ガラス容器はインテリアにもなる!活用方法とは?

ガラス容器は食品を入れるだけではなく、空間を彩るインテリアとしても使えます。以下では、インテリアとしての活用術を4つ紹介します。

 

・花瓶

ジャム用広口瓶やドレッシング用の細身の瓶は、花瓶として花を飾ればおしゃれなインテリアに早変わりします。また、お気に入りの花やドライフラワーを挿すだけではなく、ガラスをペイントしたり瓶の中にカラーサンドやビーズを入れたりすると華やかになりますよ。

・キャンドルホルダー

広口の瓶や浅い瓶はキャンドルホルダーにピッタリです。瓶の中に砂や小石を敷き詰めて、その上にキャンドルを置くと、ガラスが蝋(ろう)で汚れるのを防げます。<br/ > 内側にアルミ箔を入れたり砂や小石の代わりに水を入れたりしてもおしゃれになりますよ。

・ソーイングセット

ジャム用広口瓶や蓋のついた瓶は、ソーイングセットの保管にも使用できます。瓶の中に糸や針などを入れて瓶の蓋に針山を接着剤で付けると、おしゃれで便利なソーイングボックスに変身します。

・アクアリウム

大きめの保存瓶は、メダカや小エビなどの生きものを飼う際の水槽として使用もできます。瓶の中に小石、水草、きれいな水を入れるだけで完成です。完成したアクアリウムは直射日光の当たらない場所に置き、一定の水温を保てるように調整しましょう。

 

■まとめ

ガラス容器は密封性が高く、食品の長期保存に向いているため、フードロスの問題に貢献することができます。また、においが食品に移らないため、食品そのままの味を消費者まで運ぶことができるのもメリットの一つです。ガラス容器はリサイクルがしやすい容器でもあるため地球環境にも優しく、サステナブルという考え方が広まりつつある現代において重要な役割を果たす食品容器であると言えるでしょう。

 

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