【コラム】お好み焼き屋を開業するには?必要な準備や備品を紹介
お好み焼き屋は古くから愛され、老若男女に人気のある飲食店です。お好み焼き屋の開業を検討している方はぜひご一読ください。
本記事では、お好み焼き屋を開業するメリット・デメリットや、失敗しない開業準備のポイント、開業前に用意しておきたい備品や設備についてご紹介します。
他の飲食店と比べると、お好み焼き屋の開業には強みとなる点だけでなく、弱点もあります。ここでは飲食店の開業をお考えの方向けに、お好み焼き屋を営業するメリット・デメリットを解説します。
開業のメリット | ● 食材費が比較的安いため、利益率が高い ● テイクアウトや移動販売にも適している |
開業のデメリット | ● 客単価が低くなりやすい ● 競合店とメニューの差別化が必要 |
お好み焼き屋開業のメリット
さまざまな飲食店がある中で、お好み焼き屋を開業するメリットは以下です。
● 食材費が比較的安いため、利益率が高い
● テイクアウトや移動販売にも適している
飲食店を経営する上で大切な指標の一つが、原価率(仕入れなどにかかったお金の割合)です。飲食店の利益率は、売上に対する原価率が低いほど高くなります。
お好み焼き屋は、他の飲食店と比べて高い利益率が期待できます。
またお好み焼きは、焼きそばなどと並んでテイクアウトや移動販売に適した食品です。コロナ禍以降、増加傾向にある中食(デリバリーや持ち帰りなどで、家で食事をすること)のニーズにも対応できます。客席を置かないテイクアウト専門店を経営してみたい方も、お好み焼き屋の開業を検討してみましょう。
お好み焼き屋開業のデメリット
一方、お好み焼き屋の開業にはデメリットが2つあります。
● 客単価が低くなりやすい
● 競合店とメニューの差別化が必要
お好み焼き屋は気軽に食べられる安価な大衆料理として、古くから親しまれてきました。そのため売上に対する利益率は高いものの、客単価(お客様1人当たりの平均売上)はあまり高くありません。経営を安定させるには、店舗の立地を工夫したり、集客に力を入れたりするなど、お客様の回転率を高めるための工夫が必要です。
またお好み焼きは定番のグルメのため、競合店も少なくありません。地域の特産品を生かしたメニューの考案や、他の店舗にはない価格設定など、競合店との差別化が重要になってきます。
お好み焼き屋の開業を成功させるには、資格・資金・物件の3つの準備が大切です。ここでは、お好み焼き屋の開業準備で重要なポイントを紹介します。
資格に関する準備
まずは、飲食店の開業に必要な資格や許認可を取得しましょう。
資格・許認可 | 必要な手続き | 理由 |
食品衛生責任者 | 各都道府県の食品衛生責任者養成講習会を受講する(※調理師や栄養士、管理栄養士などの資格がある人は不要) | 食品衛生法に基づいて、食品衛生責任者を選任する必要があるため |
飲食店の営業許可 | 食品衛生責任者の資格を取得した上で、保健所に申請書類を提出する | 飲食店を営業する許可を取得するため |
防火管理者 | 各都道府県の防火管理講習を受講した上で、消防署に届出をする(消防設備点検資格者などの資格がある人は一部科目免除) | 消防法に基づいて、防火管理者を選任する必要があるため |
資金に関する準備
次に開業資金を調達しましょう。
日本政策金融公庫の「創業の手引」によると、新規開業する人の創業資金(開業資金)の平均は約1,177万円です。そのうち自己資金の割合は24%で、68%は金融機関などの融資から、4%は親族などからの借り入れによって調達しています。(※)
どのくらいの開業資金が必要か分からない場合は、事業計画書を作成し、必要な資金(設備資金や運転資金など)を見積もるとよいでしょう。事業計画書は、金融機関から融資を受ける際にも必要です。
(※)日本政策金融公庫「創業の手引」P19
https://www.jfc.go.jp/n/finance/sougyou/pdf/sougyou_tebiki_book_202306.pdf
物件に関する準備
最後に物件を探しましょう。
飲食店の場合、店舗外装や階数などの条件によって、お店の見つけてもらいやすさ(集客力)が変わってきます。
物件の選び方 | ポイント |
店舗外装 | ● 視認性が高く、通りすがりのお客様に見つけてもらいやすいか ● 一見して、何のお店か分かる見た目をしているか |
階数 | ● ビルテナントの場合、エレベーターが付いているか ● ビルの入り口が狭く、入りにくさを感じないか ● 目立つ看板を設置できるか |
客単価の低いお好み焼き屋では、お客様の回転率を高めることが経営の安定化につながるため、一定の集客を見込めそうな物件を選びましょう。
お好み焼き屋の開業に当たって、用意しておきたい備品や設備は4つあります。
備品 | 特徴 |
加熱機器 | お好み焼きなどを焼くための加熱機器 |
料理道具 | カップ・へら・ボール・まな板などの料理道具 |
保存容器 | ソースやラー油、のりなどを入れる保存容器 |
卓上用品 | ナプキンや伝票、箸などを入れる卓上用品 |
加熱機器
1つ目は、お好み焼きなどを焼くための加熱機器です。お好み焼き屋では、テーブル席でお好み焼きを焼く営業形態が一般的です。テーブルのサイズに合わせて、席数分の卓上鉄板焼器を用意しましょう。
料理道具
2つ目は、カップ・へら・ボール・まな板などの調理道具です。お好み焼きの生地を混ぜるカップやへら、鉄板を掃除するちりとりなどは、専用のものが販売されています。見つからない場合は、業務用厨房機器の販売店に問い合わせましょう。
保存容器
3つ目は、ソースや調味料などを入れる保存容器です。お好み焼きのソースを提供するためのソースポットや、冷蔵庫などでソースを保管するための保存容器などが必要となります。
また自家製ソースの製造販売も視野に入れている場合は、以下の容器がおすすめです。MSシーズニング500角は大容量のソース入れに、MSK-150はソースを小分けしたい場合に向いています。
卓上用品
4つ目は、ナプキン立てや伝票ホルダー、ウォーターピッチャー、カトラリー類など、お客様が使う卓上用品です。同じ卓上用品でも、木製やプラスチック製、ステンレス製など、さまざまな素材のものがあるため、店舗のコンセプトや雰囲気に合わせて選びましょう。
お好み焼き屋は、飲食店の中でも利益率が比較的高く、調理経験が短い方でも始めやすいお店です。またお好み焼きは手軽に食べられるため、テイクアウトや移動販売などの需要にも対応できます。
一方、お好み焼き屋は客単価が低くなりやすく、集客のためメニューにアイデアや創意工夫が求められるお店でもあります。開業前にお好み焼き屋のメリット・デメリットを知っておくことが大切です。
お好み焼き屋の開業を決めた場合は、加熱機器・料理道具・保存容器・卓上用品などの備品や設備を用意しましょう。開業準備では、食品衛生責任者などの資格取得や、店舗の物件選びも大切になってくるため、なるべく早めに備品や設備を購入しておくことをおすすめします。