【コラム】パン屋を開業するために必要な準備や備品をわかりやすく解説
店舗のコンセプトやメニュー作り、資金調達に仕入先の選定など、パン屋開業までにやるべきことは多岐に渡ります。オープンに間に合うようスムーズに準備を進めるためにも、事前にやるべきことや流れを確認しておくのが大切です。
本記事では、パン屋を開業するために必要な準備と、準備すべき備品を解説します。
パン屋を開くといっても、コンセプト作りやメニュー開発、資金調達などやるべきことは多岐に渡り、準備までには多くの時間もかかります。そのため、まずはオープンまでにやるべきことを確認し、流れをイメージしてから取り掛かりましょう。必要な準備の概要を解説します。
コンセプトを決める
具体的なメニューを考える
開業資金を準備する
営業時間を決める
必要な資格を取得する
コンセプトを決める
コンセプトとは事業の構想を整理した内容です。今後、事業を続ける上で判断の土台になる部分のため、はじめにコンセプトを明確化することが大切です。コンセプトは細かく作ることもできるものの、まずは大まかに「誰に」「何を」「どのように」提供するか考えましょう。
項目 | 内容 |
誰に | 20代~30代の会社員女性、小学生の子どもがいるファミリー層など、パンを販売するターゲットを明確にします。 |
何を | 提供するメニューやサービスの特徴をまとめます。メニューでは何にこだわるのか(味・価格・種類など)、サービスは他店舗と差別化できる仕組みを考えましょう。 |
どのように | 集客方法、販促方法、提供方法など、パンをどのように顧客に届けるかを明確化します。例えば、集客はSNSで行い、曜日限定のパンで顧客を集め、テイクアウト販売のみとするなどです。 |
なお、さらに詳細なコンセプトを作りたいときは、7W2H(何を・どれを・誰に・どこで・なぜ・だれが・どのように・いくらで・いつ)に沿ってまとめるとよいでしょう。
具体的なメニューを考える
コンセプトに則り、具体的なメニューを考えます。メニューは顧客満足度や店舗の利益に直結するため、時間をかけ慎重に進めましょう。
メニュー作りでは大まかに以下のポイントをまとめ、実際の商品を試作していきます。
パン生地のタイプ:リーン、リッチなど。
パンの種類:テーブルブレッド、菓子パン、総菜パンなど。
パンの構成:看板商品〇〇%、高価格商品〇〇%、日替わり商品〇〇%など。
商品価格:店舗の立地、雰囲気、客層、原価率などを考慮し決定。
他の販売商品:パン以外にケーキやジャム、惣菜など、販売したいものがあればそれぞれメニューを作製。
具体的なメニューが決まった後は、仕入先も合わせて検討していきます。
開業資金を準備する
パン屋の開業に必要な初期資金は、立地や店舗の形態により異なるもの1,000万円~3,000万円が目安です。また、店舗の運営資金は1カ月で280万円程度かかるとされるため、経営が軌道に乗るまでの運営資金もある程度用意しなければいけません。
開業資金の内訳は以下のとおりです。
項目 | 費用 |
物件費用 | 50万~600万円 |
内外装工事費用 | 150万~600万円 |
設備費用 | 約500万円 |
原料費・包材費 | 約20万円 |
広告宣伝費 | 30万~50万円 |
その他費用 | 約20万円 |
店舗費用や人件費は大都市ほど高くなる一方、設備費用や原料費・包材費などは都心と地方であまり大きな差はありません。
これらの費用を自己資金の他、親族・知人からの借入れ、公的機関や銀行からの融資などにより調達しましょう。
営業時間を決める
何時に開店し何時に店舗を閉めるか、定休日はいつにするかなど、営業時間も事前に決定します。
営業時間は集客率や売上にも関係するため、ターゲット層に合わせることが大切です。例えば、オフィス街にある店舗であれば、通勤時間よりも前に開業し、午前から昼の時間帯にかけて営業した方が効率よく集客できるでしょう。平日の利用が見込まれるため、土日や祝日を定休日にすれば、不要な経費の削減につながります。
<h3>必要な資格を取得する</h3>
パン屋の営業を行うには、必要な資格の取得や、許認可を得る必要もあります。一般的には以下の取得が必要です。
食品衛生責任者(必須)
防火管理者
食品衛生管理者
保健所での申請
これらの資格取得の方法や申請方法は、自治体によっても異なり、中には月に1度しか資格取得に必要な講習を受けられないこともあります。なお、パン屋開業に必須の食品衛生責任者は、調理師・栄養士・製菓衛生師いずれかの資格を持っている場合、申請のみで得ることが可能です。
パンの販売以外に、ジャムなどの缶詰・瓶詰商品、菓子類、アイスクリーム類などを販売するときは、それぞれ別途営業許可が必要なため確認しましょう。
パン屋を開業するには、オーブンや冷蔵庫、販売用容器などの設備も必要です。ここでは一般的に必要になる以下の設備や備品を紹介します。
オーブン
冷蔵庫
ミキサー
椅子・テーブル
レジ
保存容器・販売用容器
<h3>オーブン</h3>
パンを焼くために使う業務用オーブンを用意しましょう。ヒーターで加熱する「デッキオーブン」とファンから出る熱風を循環させる「コンベンションオーブン」の2種類が主流で、他にスチーム機能を備えたタイプもあります。オーブンは購入だけでなくリースも可能です。
冷蔵庫
冷蔵庫や冷凍庫は、パンの生地やフィリングなどの食材を保管するために必要です。1日にどの程度のパンを製造するのか、予定している製造数に合った容量のものを準備しましょう。初期費用を抑えるなら、中古やリースを活用してもよいでしょう。
ミキサー
手ごね専門のパン屋ではない限り、パン生地をこねるミキサーも必要です。選ぶときは作りたいパンの量に適しているか、発酵など必要な機能が備わっているか、操作性がよいかを確認しましょう。アタッチメントが豊富だと、こねる以外の用途でも活用できます。
椅子・テーブル
イートインスペースやカフェスペースを併設するなら、椅子とテーブルも最低限必要です。特に椅子は寛ぎやすさにも直結するため、実際に座ってみて使いやすいものを選ぶとよいでしょう。
レジ
会計時はレジを導入しておくとスムーズです。レジと一口にいっても以下の2つのタイプがあるため、店舗の規模や予想売上額に応じて導入しましょう。
レジスター:
販売金額の計算と売上金・釣銭の収納が主な機能です。日別・時間別など、簡単な売上データの集計ができるタイプもあるため、店舗規模が小さいときはレジスターでもよいでしょう。
POSレジ:
レジ機能の他に、販売情報の即時集計や、データを元にした売上数量の分析などができるタイプです。店舗規模が大きいならPOSレジを導入した方が経営分析に役立ちます。
保存容器・販売用容器
パンの他に、手作りのジャムやデザート、瓶入りドリンクなどを販売するなら、それらを入れる容器も準備しましょう。
なお、容器を販売する企業の中には、業務用容器の購入ができるだけでなく、ボトルやパッケージのデザインも含め依頼できるところがあります。オリジナル商品に力を入れたいときは、パッケージプロモーションまで対応している企業を選んでみましょう。
パン屋の開業までには、コンセプトやメニュー作り、資金調達、資格の取得などやるべきことが多くあります。中でも、原材料や包材、販売用容器は仕入先の選定も重要です。
ビン・プラスチック・軟包材の販売を行う斎藤容器では、手作りジャムや瓶入りドリンクなど、お客様のニーズにあった容器を多数ご用意しております。容器の販売だけでなくパッケージプロモーションを含めたご提案も可能ですので、オリジナル商品の販売をお考えの方はぜひご相談ください。