【コラム】容器を洗うときのコツや注意点をわかりやすく解説
家庭や飲食店で使う保存用容器は、素材や形状に合った方法で洗うことが大切です。方法が間違っていると、容器の破損につながることもあるため、事前に確認しましょう。なお食品充填時の容器洗浄は、専門の機械を使う必要があります。
本記事では、家庭用保存容器の洗い方や注意点を解説します。併せて、食品充填時の容器洗浄の方法も解説するため、ぜひご覧ください。
容器を洗うときは、以下2つの方法が考えられます。
家庭や厨房で保存容器を洗うとき
食品充填のために容器洗浄をするとき
ここでは、ガラス素材とプラスチック素材に分けて、容器を洗う方法を解説します。
ガラス容器の洗い方
ガラス容器は透明度と耐久性に優れ、耐熱性があればオーブン調理もできます。また、ニオイ移りや色移りが少なく、油汚れも落ちやすいなど、長く清潔に使える点もメリットです。一方で、急激な温度変化や衝撃に弱いため洗うときは注意が必要です。
【家庭で保存容器を洗う方法】
家庭で保存用ガラス容器を洗うときは、以下の手順で行うとキレイに汚れが落ちます。
洗い桶に食器用洗剤をぬるま湯で溶かした液を満たし、そこにガラス容器を入れて2時間ほど浸ける
スポンジで汚れを落とす
汚れが落ちたらぬるま湯でよくすすぐ
40度程度のお湯をガラス全体にかけ、水滴が落ちるまで自然乾燥させる
内側が乾燥したらガラス容器の外側を布巾で磨く
汚れが落ちにくいときは、ガラス専用クレンザーなどを付けて磨くと曇りもキレイに落ちます。
また、ジャムなどの保存容器を煮沸消毒したいときは、洗ったガラス容器を以下の手順で殺菌します。
容器が入る大きさの鍋にガラス容器を入れて強火で加熱する
90度以上の温度で10分以上煮沸を続ける
煮沸したら清潔な布巾の上に逆さまにして置き、自然乾燥させる
ガラス容器を煮沸消毒するときは、容器の耐熱温度の確認が必要です。さらに40度以上の急激な温度差が生じると割れる恐れがあります。水からガラス容器を入れ、徐々に温度を上げて消毒することが大切です。
【食品充填のための容器洗浄】
食品充填のための容器洗浄では、洗瓶機やエアー洗瓶機などの専用の機械を使い、容器内の雑菌や細かなホコリを落とします。洗浄方法も、水や精製水を使った方法から、圧縮したクリーンエアーを容器内に吹きかける方法までさまざまです。
さらに、食品充填と薬品や化粧品などの充填では、洗浄方法が異なることがあります。もし、食品の充填をどこに依頼すればよいか迷うときは、商品開発から販売までワンストップで対応できる容器販売会社に相談するのがおすすめです。
プラスチック容器の洗い方
プラスチック容器は、AS樹脂(SAN)や塩化ビニール(PVC)などが原料です。丈夫で軽い、サビや腐食に強い、種類が多く用途に合った形状や色の容器を揃えやすいなど、多くのメリットがあります。一方で、表面に傷が付きやすく油汚れが落ちにくい、熱に弱いなどの特徴があるため、洗うときはスポンジのタイプに注意しましょう。
【家庭で保存容器を洗う方法】
家庭や厨房でプラスチック容器を洗う方法は以下のとおりです。
洗う前にキッチンペーパーなどで目立つ油汚れをふき取る
液体のセスキ炭酸ソーダをプラスチック容器にスプレーする
汚れが浮き上がったら40度程度のぬるま湯ですすぐ
スポンジに食器用洗剤を付けて擦り洗いする
40度程度のぬるま湯ですすぎ、汚れが落ちているか確認する
水滴をある程度きった後、布巾で残った水気をふき取る
プラスチック容器は油分が残りやすいので、スポンジで洗う前にある程度汚れを落としておくことがポイントです。また、細部に汚れが残っているときは、40度以上のぬるま湯2Lに酸素系漂白剤大さじ1を溶かし、そこにプラスチック容器を30分~1時間程度漬け置きするとよいでしょう。
なお、スポンジは研磨剤を含むものやハードタイプだと、プラスチック容器に傷が付く恐れがあります。ソフトタイプを使用しましょう。
【食品充填のための容器洗浄】
プラスチック容器もガラス容器と同様に、食品や化粧品などを充填する前に専用の機械を使い容器洗浄を行います。方法も同様で、洗瓶機やエアー洗瓶機で精製水やクリーンエアーを使って洗浄します。
家庭や厨房で、スポンジの入らない容器を洗うときのコツは以下のとおりです。
細長いスポンジを活用する
洗剤と米を使って洗う
卵の殻を使う
なお企業で行う食品充填時には、容器の形を問わず、容器洗浄が必要です。形が変わっており容器洗浄ができるか心配なときは、事前に容器の販売会社や充填を依頼する取引先などに確認しましょう。
細長いスポンジを活用する
手や普通のスポンジが入らない注ぎ口の細いタイプの容器を洗うときは、専用の細いスポンジを使うと、簡単にキレイにできます。洗い方も、クリーナー部分に食器用洗剤を付けて、通常のスポンジのように使うだけなので簡単です。
細いスポンジを選ぶときは、柄の長さとクリーナー部分に注目すると使いやすいものを選べます。瓶タイプの容器を洗うなら柄の長さがあると、底の汚れにも届きます。また、クリーナー部分を自由に曲げられると、底の角に溜まった汚れにも効果的です。
洗剤と米を使って洗う
口の細い瓶の汚れは、身近にある洗剤と米を使って洗うこともできます。やり方は、容器に食器用洗剤・水・米の3つを入れ、蓋を閉めて瓶を振るだけです。米が瓶の中で動くので、汚れをキレイに擦り落とす効果が期待できます。洗った後は中身を出して、流水でよくすすいでから乾かしましょう。
卵の殻を使う
スポンジを使わず容器を洗う方法としては、卵の殻を使うのも有効です。やり方は、調理の際に出た卵の殻を細かく砕き、食器用洗剤と水と一緒に瓶の中に入れます。蓋をしてよく振り、中身を出してすすぎ、よく乾かせば完了です。
細かく砕いた卵の殻は研磨剤の代わりになり、ガラス瓶などの汚れや曇りを落とす効果が期待できます。なお、プラスチック製の瓶などは中が傷付く恐れがあるため注意しましょう。
保存用の容器を家庭や厨房で洗うときは、以下2点に注意しましょう。
温度に注意する
しっかりと乾燥させる
それぞれについて詳しく解説します。
温度に注意する
ガラスは高温により膨張する性質があるため、急激な温度変化を加えると割れてしまいます。このため、一般的なガラス容器はぬるま湯で洗いましょう。また、煮沸消毒をするときは、温度変化に特に注意が必要です。
なお、プラスチック容器は素材により耐熱温度が大きく異なります。フッ素樹脂(PTFE・PFA)は260度程度まで耐えられるものの、ポリ塩化ビニル(PVC)は60~80度が耐熱温度です。基本的にはぬるま湯で洗い、熱湯を使いたいときはそれぞれの容器の耐熱温度を確認しましょう。
しっかりと乾燥させる
洗い終わった保存容器を濡れたまま長時間放置すると、カビや雑菌が繁殖する恐れがあります。また、水分が残ったまま食品を保存すれば、中身が腐敗する原因となりかねません。
容器を洗い終わったら清潔な布巾で水気をふき取り、しっかりと乾燥させてから使いましょう。素材の性質上問題がなければ、乾燥させた後、アルコールスプレーをした布巾でもう一度全体を拭くのも効果的です。
ガラスやプラスチックなど、保存容器を家庭や飲食店で洗うときは、それぞれの素材に適した方法の確認が大切です。温度などが合っていないと、容器が変形したり破損したりする可能性があるため、十分注意しましょう。また容器に食品を充填するときは家庭用とは異なり、専用の機械を用いた洗浄が必要です。
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