【コラム】カフェ開業に必要なものは?準備すべき備品や容器を紹介
カフェ開業にあたって、準備しなければならない備品や容器類はたくさんあります。例えば、冷蔵庫やシンクなどの備品の他、食品を提供する食器類や、コーヒー豆などの保存容器の準備も必要です。
前もって開業に必要な備品リストを作成しておくと、抜け漏れなく開業準備を進めることが可能です。本記事では、カフェ開業にあたって設置しておきたい設備や、あると便利な備品を詳しく解説します。
カフェの開業にあたって、バックヤードに設置しておきたい設備は4つあります。
開業直前になると、さまざまな手続きに追われるため、じっくり時間をかけて設備を選ぶ余裕はありません。まだ時間のあるうちに、以下の設備を前もって用意しておきましょう。
設備 | ポイント |
冷蔵庫 | カフェの規模に応じて、最適なサイズのものを選ぶ |
シンク | 営業許可を取得するのに必要な基準に合ったものを選ぶ |
食器棚 | 営業許可を取得するために、1台以上の食器棚の設置が必要 |
ガスレンジ | 都市ガスかLPガスか、物件に合ったものを選ぶ |
冷蔵庫
一つ目の設備は冷蔵庫です。冷蔵庫には、2ドアタイプ、4ドアタイプ、6ドアタイプなど、さまざまなサイズがあります。高さや横幅、奥行きの寸法を測り、カフェの規模に合った規格のものを選びましょう。
また、注意が必要なのが飲食店の営業許可を取得するための条件です。営業許可を取得するには、食品の安全管理のため、外部から庫内の温度を確認できる温度計を設置しなければなりません。冷蔵庫本体に温度計が付いていない場合は、外付けタイプの温度計を購入しましょう。
シンク
2つ目の設備はシンク(流し)です。バックヤードに設置するシンクにも、営業許可を取得するための基準が設けられています。
例えば、東京都の基準では、シンクは2槽設置し、さらに大きさ(内径)の目安が幅45センチ、奥行き36センチ、深さ18センチ以上と定められています。
[注1]シンクを導入する前に自治体ごとの営業許可申請の手引きを確認してください。
[注1]東京都「食品関係営業許可申請の手引」P5-6(参照2024-01-19) https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin//kyoka/files/tebiki.pdf
食器棚
3つ目の設備は食器棚です。営業許可の基準を満たすには、最低でも1台以上の食器棚を設置しなければなりません。食器棚によってサイズが異なるため、事前に設置場所の寸法を測ってから購入しましょう。
ガスレンジ
4つ目の設備はガスレンジ(ガステーブル)です。ガスレンジを選ぶときは、開業予定の物件で引くガスの種類を確認してください。都市ガスか、LPガス(プロパンガス)かによって、それに合ったガスレンジを選ぶ必要があります。
カフェや喫茶店を営業するには、冷蔵庫などの設備だけでなく、細々とした備品類も必要です。カフェ開業前に準備しておきたい備品は4つあります。
備品 | ポイント |
調理器具 | 提供するメニューに合わせ、まな板、包丁、フライパン、鍋などの調理器具を導入する |
食器 | カフェのイメージに合わせ、お皿、カップ、スプーン、フォークなどの食器類を導入する |
レジ | 手作業の会計は時間がかかるため、余裕があればPOSレジなどを導入する |
保存容器 | コーヒー豆の保存や販売のため、専用の容器があると便利 |
調理器具
まずは、まな板、包丁、フライパン、鍋など調理器具を準備しましょう。他にも、焼き菓子を提供する場合は、オーブンやミキサー、計量スプーンなどが必要になります。カフェで提供するメニューによって、必要な調理器具が変わってきます。ある程度メニューの内容が決まってから調理器具を用意すると、開業資金を無駄にせずに済み、使わない調理器具のせいでキッチンのスペースが圧迫される心配もありません。
食器
次に、お皿、カップ、スプーン、フォークなど食器類を用意しましょう。軽食などを提供する食器類は、カフェのブランドイメージに大きく影響します。例えば、シンプルで洗練された食器はモダンな印象を、一方手作り感のある食器はアットホームな印象を与えます。InstagramなどのSNSを利用した集客も想定し、カフェのコンセプトに合ったものを選びましょう。
ただし、食器類は価格帯が幅広く、非常に高価なものもあります。将来的に食器類を買い足すことも考慮して、予算に合った価格帯のものを選ぶことが大切です。
レジ
カフェを開業する際には、会計をスムーズに行う仕組み作りも大切です。なぜなら、会計に時間がかかるとお客様を待たせることになってしまい、店舗の回転率が下がるだけでなく、顧客満足度も低下する恐れがあるからです。カフェの席数や混雑具合にもよりますが、レジの導入も検討しましょう。
近年はタブレットを利用したPOSレジなど、導入が比較的簡単なレジ機器も登場しています。タッチパネル操作で会計処理を行える以外に、売上データや在庫の一元管理が可能なものもあります。また、中小企業や個人事業主の場合、IT導入補助金などの補助金の対象となるため、お得にレジを導入することが可能です。
最後に、コーヒー豆専用の保存容器を準備しましょう。専用の容器があれば、コーヒー豆の保存だけでなく、商品としてお客様に販売することも可能です。
コーヒー豆の保存容器といっても、さまざまな種類や形状のものがあります。用途に合った保存容器の選び方については、次の項目で詳しく解説します。
カフェ開業にあたって意外な盲点となるのが、キャニスターや保存袋など、コーヒー豆を保存するための容器です。それぞれメリットやデメリットがあるため、好みに合ったものを選んでください。
容器 | 特徴 |
キャニスター | 瓶型や缶型のものがあり、素材によっては中身が確認しやすい |
保存袋 | コーヒー豆を入れてもかさばらず、密閉性にも優れている |
キャニスター
キャニスターとは、コーヒー豆専用の保存容器の名前です。キャニスターという名前の由来は、ギリシャ語の「カゴ」や、ラテン語の「バスケット」に由来するといわれています。
キャニスターには、瓶型のものや缶型のものがあります。インテリア性も高いため、オシャレ感を演出したい場合にぴったりの容器です。
また、瓶型のキャニスターは内部が外から見える構造になっているため、コーヒー豆の残量をひと目で確認することが可能です。一方で、あまり密閉性が高くないため、コーヒー豆の鮮度劣化に注意する必要があります。
保存袋
コーヒー豆の保存容器には、バッグ状の保存袋もあります。保存袋には、アルミ製のアルミバッグ、冷凍保存が可能なフリーザーバッグの2種類があり、どちらもコーヒー豆をかさばらずに保存できるのが特徴です。
また、キャニスターよりも密閉性に優れており、コーヒー豆を新鮮なまま長期保存することができます。特にフリーザーバッグは、真空状態のコーヒー豆を冷凍保存できるため、鮮度の劣化を効果的に防ぐことが可能です。
カフェのオープン日が近づくにつれて、やらなければならないことがどんどん増えてきます。カフェの営業には、バックヤードの設備や備品、容器類などの準備も必要です。設備によっては、営業許可を取得する上で条件や基準が決められているものもあります。早い段階から必要な設備・備品リストを作成し、少しずつ準備を進めていきましょう。
コーヒーの提供にこだわりたい方は、コーヒー豆を保存する容器選びも重要なポイントです。キャニスターか、保存袋かによって利便性や保存性が変わるため、それぞれのメリット・デメリットを比較しましょう。