【コラム】ポリ規格瓶とは?特徴や使用するときの注意点を徹底解説
材料にポリエチレン(PE)が使用された瓶のことを「ポリ規格瓶(ポリ瓶)」と言います。ポリ規格瓶は、製造コストが安価で丈夫なため、さまざまな用途で使われてきました。
ポリ規格瓶の代表的な用途の一つが、食品保存です。ポリエチレンは水や油を吸収しない性質を持っているため、食品を保存するのに適しています。本記事では、ポリ規格瓶の特徴や使用時の注意点を詳しく解説します。
ポリ規格瓶は、食品などを入れるために使われる樹脂製容器の一種です。ポリ規格瓶といっても、どのような容器なのかイメージしにくい方もいるのではないでしょうか。
ここでは、ポリ規格瓶の特徴や、材料に使われるポリエチレンについて説明します。
ポリ規格瓶とは、ポリ瓶とも呼ばれ、材料にポリエチレン(PE)が使われた容器を指す言葉です。よく誤解されますが、ポリ瓶は樹脂製容器(=プラスチック製の容器)の総称ではありません。あくまでもプラスチックの一種であるポリエチレンで作られた容器のことを指します。
ポリ規格瓶の種類は、広口瓶、細口瓶、遮光瓶などが挙げられます。広口瓶は口部分が広く、中身の出し入れがしやすくて比較的大きなものを保存する用途に適しています。細口瓶は口部分が細く、液体を保存するときに便利です。遮光瓶は光を浴びると劣化しやすいものを保存する際に利用されます。
ポリ規格瓶の素材となるポリエチレンは、プラスチックの中でも化学的に安定しており、特に耐薬品性に優れています。内容物に反応して溶けたり、膨張したりしないため、ポリ規格瓶は化学薬品の保管容器としても利用されてきました。他にも、広口瓶は薬液や錠剤の保管に適しており、細口瓶は液体の薬品を保管し、薬液を一定量注ぐ用途に適しています。また、遮光瓶は光に弱い薬品の保管などに便利です。
そして、ポリエチレンは原材料が安く、大量生産が可能なプラスチックです。そのため、食品用の容器やパッケージとして、ポリ規格瓶を採用するケースもあります。
ポリ規格瓶に使われているポリエチレンには、高密度ポリエチレン(HDPE)と低密度ポリエチレン(LDPE)の2種類があります。両者の違いは、素材としての剛性の高さです。高密度ポリエチレンの方が剛性が高く、一方の低密度ポリエチレンは柔軟性が高く成形加工が容易というメリットがあります。また、耐熱性や耐衝撃性の点で見ると、高密度ポリエチレンの方が優れています。
ポリ規格瓶の容器本体には、軽くて丈夫な高密度ポリエチレンが採用されることが一般的です。
ポリ規格瓶に使われるポリエチレンは、軽い・安い・丈夫の三拍子が揃った素材です。また、水や油に強い性質を持っているため、食品などの保管にも適しています。ここでは、ポリ規格瓶の特徴を3つ紹介します。
安価で加工がしやすい
軽くて丈夫・寒さにも強い
水や油で変形することがない
ポリエチレンは安価な素材であるだけでなく、成型加工性に優れています。ポリエチレンを加熱すれば、柔らかくなる性質を持つため、用途に合わせてさまざまな形に加工することが可能です。実際にポリ規格瓶は、さまざまな形状のものが販売されています。
また、低コストで大量生産が可能なため、大ロットで製造する商品の容器にも適しています。
ポリ規格瓶に使われる高密度ポリエチレン(HDPE)は、軽くて丈夫な素材です。ポリ規格瓶の容器本体も軽いため、持ち運びが容易という特徴があります。
ただし、大容量のポリ規格瓶の場合、内容物によっては総重量が重くなることがあります。そうした場合は、取っ手やコックが付属した製品を選ぶと持ち運びが苦にならず、落としてケガをするリスクを防げます。
また、ポリ規格瓶は衝撃に強く、壊れにくいという特徴を持った容器です。耐寒性もあり、氷点下の環境に置いても、寒さによって変形することがありません。
ポリ規格瓶が食品用の容器に適していると言われるのは、「水や油に強い」という特徴があるからです。ポリエチレンは防水性が高く、また化学的に安定しているため、油や薬品に対してほとんど反応しません。食品などを保存しても、ポリエチレンが溶けたり、変形したりするリスクが少ないため、ポリ規格瓶は食品業界でも広く採用されています。
ポリ規格瓶を使うときの注意点は3つあります。
熱に弱い
傷がつきやすい
紫外線に弱い
ポリエチレンは軽くて丈夫な素材ですが、弱点もあります。熱いものや尖ったものの保管には不向きなため、別の容器を選びましょう。またポリ規格瓶は紫外線に弱いため、置き場所には注意してください。
ポリエチレンには、熱に弱いという性質があります。70度以上の熱にさらされると変形する恐れがあるため、火気は厳禁です。高温になることが想定される環境では、ガラス製の容器を使用することをおすすめします。特に耐熱ガラスが使用された容器なら、熱に強いだけでなく、物を入れる前に熱湯消毒や煮沸消毒を行うことも可能です。
ポリ規格瓶には、なるべく熱いものや高温のものを入れないように注意しましょう。
ポリエチレンは耐衝撃性が高い素材ですが、柔軟性があるため、表面に傷がつきやすいという点に注意しましょう。強い力が加わったり、尖ったものを入れたりすると、容器が傷だらけになってしまう恐れがあります。傷に強い容器をお探しなら、ガラス製やステンレス製の保存容器がおすすめです。
3つ目の注意点は、ポリエチレンが紫外線に弱いという点です。ポリエチレンはプラスチックの中では比較的耐候性が高く、屋外で使用されることもある素材です。しかし、紫外線に弱く、長時間さらされると劣化してしまいます。特に直射日光が当たる環境に放置すると、容器の劣化が早まってしまうため、ポリ規格瓶を置く場所には注意が必要です。
ポリ規格瓶に使われるポリエチレンの強み・弱みを知って、用途に合った素材の容器を選びましょう。
ポリ規格瓶は、材料にポリエチレンが使われた樹脂製容器のことを指します。ポリエチレンは軽くて丈夫なため、衝撃に強く、持ち運びしやすいのが特徴です。またポリエチレンには、加熱すると柔らかくなる性質があり、用途に合わせてさまざまな形状に加工できます。水や油によって変形することもないため、ポリ規格瓶は食品用の容器として広く使われてきました。
ただし、ポリ規格瓶には弱点もあります。火の近くや、直射日光が当たる環境では変形したり、劣化したりしてしまうため、置き場所には注意しましょう。
ポリ規格瓶を正しい方法で取り扱えば、ポリエチレンの性質を有効活用することが可能です。ることが可能です。