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2024年03月01日

【コラム】容器包装リサイクル法とは?法律の内容と環境に配慮した容器を解説

 

 

23/08-4-1

 

現在、家庭から排出される容器や包装は、容器包装リサイクル法によって適切に処分・運用されています。容器包装リサイクル法とは、一体どのような法律なのでしょうか。

今回は、法律の内容と包装容器を扱うメーカーが環境のためにできる取り組みを解説します。

 

 

■容器包装リサイクル法とは

 

・どんな法律か

容器包装リサイクル法は、一般家庭から出る容器包装をリサイクルすることで、ゴミの排出量削減と資源の有効活用を図る法律です。「容リ法」とも呼ばれ、1995年6月に制定、2000年に完全施行され、2006年には改正容器包装リサイクル法が成立しました。

容器包装とは、商品を入れたり包んだりする容器または包装のことを指しますが、身近なものにはペットボトルやお菓子のフィルム袋などがあります。

 

・制定された背景

容器包装リサイクル法が制定された背景には、高度経済成長以降の大量生産・大量消費に伴うゴミの増加が挙げられます。1950年代から発展した日本の経済システムは、私たちの生活を豊かにした一方で、同時に大量廃棄という新たな問題を生み出しました。さらに、廃棄物を埋め立てる最終処分場がひっ迫したことにより、ゴミの排出を抑えて廃棄物の減量化を実現しようと制定されたのが容器包装リサイクル法です。

 

 

■容器包装リサイクル法の仕組み

 

容器包装リサイクル法は、一般消費者と市町村、事業者がそれぞれの役割を担うことで成り立ちます。

 

・一般消費者の役割

<分別排出>

一般消費者は、市町村ごとのルールに従い、正しく分別してゴミを捨てることが求められます。具体的には、容器包装の素材を見分け、洗う、ラベルやキャップを取る、潰すなどの作業を適切に行う必要があるでしょう。

 

<排出抑制>

そもそも多くのゴミを出さないことも、一般消費者の重要な責務です。瓶を再利用したりマイバッグを活用したりなど、リデュース・リユースを意識して生活することで、ゴミの削減につながります。

 

・市町村の役割

<分別収集>

市町村は、一般家庭で出た容器包装廃棄物を収集・分別・洗浄し、リサイクル業者へ引き渡す役割を担っています。また、5年の分別収集計画を策定し、地域の分別排出・収集の徹底、容器包装廃棄物の排出抑制を促すことも大切な役割です。

 

<保管>

容器包装廃棄物を分別収集して塊にした後、リサイクル業者に引き渡すまで保管しておかなければなりません。

 

・事業者

次の3つの事業者は容器包装リサイクル法に基づき、容器包装のリサイクルに取り組む必要があります。

 

<特定容器製造等事業者>

容器や包材など、特定容器の製造を行う事業者のことです。

 

<特定容器利用事業者>

容器をメーカーから仕入れ、中身を入れて販売する事業者が分類されます。

 

<特定包装利用事業者>

包装紙やラベルなどの包装を利用して販売する事業者が該当します。

 

ただし、次の条件に当てはまる小規模事業者は容器包装リサイクル法の適用対象外です。

 

    製造業等:売上高2億4,000万円以下、かつ従業員20名以下

    商業・サービス業:売上高7,000万円以下、かつ従業員5名以下

 

特定事業者の役割と義務については、次で詳しく解説していきます。

 

 

■特定事業者の義務と罰則

 

・特定事業者の義務

上記の特定事業者には、容器包装の再商品化および帳簿の記載・保管が義務付けられています。

 

<再商品化(リサイクル)>

容器包装リサイクル法で定められた容器包装を製造・輸入・利用する特定事業者は、不要となった容器包装の再商品化を行わなければなりません。というのも、家庭から排出される容器包装は、一般廃棄物において約6割の容量を占めており、そのほとんどが日常で消費する食品や商品に使われたものです。そのため、事業者にも責任を負わせるべきと考えられています。

特定事業者が販売後の容器包装を再商品化するには、次の3つの方法から選びましょう。

 

 

自主回収 特定事業者自ら、もしくは委託により容器包装を回収し、再利用する方法
指定法人ルート 指定法人である(財)日本容器包装リサイクル協会に委託料金を払い、再商品化を代行してもらう方法
独自ルート 特定事業者自らがリサイクル業者に委託して、再商品化する方法

 

ただし、特定事業者がすべての容器包装を回収・商品化することは現実的に困難であることから、指定法人ルートで回収を委託し、リサイクルを実施するのが一般的です。

また、リサイクル以前に容器包装の軽量化や有料化などの方法により、容器包装廃棄物の排出抑制に取り組むことも、事業者の重要な責務です。

 

<帳簿の記載と保管>

特定事業者は、事業で用いた容器包装の重量などを帳簿に記載するとともに、閉鎖後5年間にわたって保管しなければなりません。

 

・不履行の際の罰則

再商品化の義務を履行しなかった特定事業者には、国から指導・助言、勧告、公表、命令が下され、それでも従わなかった場合は罰則が科せられます。容器包装リサイクル法では、不履行の際の罰則について次のような規定を設けています。

 

    再商品化の義務を果たさない場合:100万円以下の罰金

    帳簿の記載・保管しない、または虚偽の記載をした場合:20万円以下の罰金

    主務大臣による業務報告の求めに応じない、または虚偽の報告をした場合:20万円以下の罰金

    主務大臣による立入検査の求めに応じない、または妨害した場合:20万円以下の罰金

 

 

■容器包装の排出を減らすために容器メーカーに望まれること

 

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・サスティナブルな容器の製造・販売

サスティナブルとは「持続可能な」という意味で、近年SDGsや環境問題への意識向上により、人や環境に配慮したサスティナブル容器の需要が高まっています。よって、容器メーカーはもちろん、容器包装が使われた商品を販売する事業者には、今後サスティナブルな容器を開発・利用していくことが求められるでしょう。

 

・サスティナブルな容器の特徴

<環境負荷の低い素材を使用>

主な容器の特徴として、以下のような環境負荷の低い素材を使用していることが挙げられます。

 

    バイオマスプラスチック

    リサイクル原料を使ったプラスチック

   

   

 

<繰り返し使える容器>

繰り返し使えるリターナブル瓶なども、サスティナブルな容器として注目されています。また、燃やしたときに二酸化炭素が発生しにくいシリコーンバッグも人気です。

 

・サスティナブル容器が使われている業界

サスティナブル容器を利用している代表的な業界を、3つ紹介します。

 

<化粧品>

化粧品業界では、詰め替え可能な容器や紙、竹、ガラス、木などのプラスチックを使わない容器が開発されています。

 

<日用品>

日用品業界では、リフィルを詰め替えとして販売せず、そのまま使える商品が登場しています。他にも、アルミやガラス、紙、竹でできた容器や石けんでできた容器などの開発が進んでいます。

 

<食品>

食品業界は、現在最もサスティナブル容器の利用が高まっている業界です。紙などの環境負荷の少ない素材を使ったり、プラスチック容器をガラスや缶に変えたりといった取り組みが行われています。

 

 

■まとめ

容器包装リサイクル法は、地球環境を改善するうえで一般消費者、市町村、事業者が一丸となって取り組むべき法律です。近年、家庭廃棄物で容器包装が占める割合は66%と増加傾向にあり、廃棄量を減らすことがますます重要視されています。

容器や包装を利用する際は、安さや手軽さだけでなく、サスティナブルを意識した容器であるかにも注目しましょう。

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