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2024年02月16日

【コラム】ワインボトルの仕組みと歴史を紐解く!種類別おすすめのワインボトルを解説

 

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ワイン売り場に行くと、色や形の違うボトルが複数存在するのを不思議に思ったことはありませんか。今回は、ワインボトルにガラスが使用されている理由や、色がついている意味について、種類ごとに解説します。

 

 

■ワインボトルについて

 

はじめに、ワインがガラス瓶に入れて売られている理由を紹介します。

 

・ワインがガラスの瓶に入れられている理由

酸性が強いワインは、木の樽や金属の容器に長期間入れてしまうと、風味が落ちたり酸化するスピードが早くなったりして、造り手の意図する仕上がりから遠ざかってしまいます。

一方、ガラス瓶ではコルクから入るわずかな酸素だけで熟成が進むことから、化学反応を起こしにくい容器として重宝されるようになりました。他にも、以下の理由が挙げられます。

 

    小分けして販売しやすい

    売り場で目に付きやすい

    各産地に伝わるガラス製造技術によるもの

 

・ワインボトルの底がくぼんでいる理由

赤ワインは、熟成が進むと澱(おり)が出てきます。澱とは、赤ワインに含まれる色素やポリフェノールが溶けずに結晶化したもので、飲んだ際の口当たりがよくありません。

ワインボトルの底をくぼませておくことで、ワインを注ぐ際に澱が舞い上がるのを防いでくれる効果があります。

 

・ワインボトルに色がついている理由

ワインは光に弱く、紫外線などが当たると味や香りが劣化してしまいます。ワインボトルに黒や茶色、緑といった暗い色がついているのは、光を遮って本来の香りや味わいを保持するためです。

しかし、白ワインやロゼワインは異なります。ワイン自体の美しい色を見せるために、透明や薄緑のボトルを使用することが一般的です。

 

・ワインボトルが750mlの理由

販売されているワインの多くは、750mlです。ワインボトルが750mlになったのは、かつてイギリスとの貿易の際に使われていた「ガロン」という単位が関係しています。イギリスは昔からワインを多く消費する国で、世界各国からワインを輸入していました。

1ガロンは約4.5l(4,500ml)で、750mlワイン6本分(半ダース)に相当します。2ガロンで1ダース(12本分9,000ml)となり、輸出する際に計算しやすかった名残から、現在でも750mlが採用されているのです。

 

 

■ワインボトルの歴史

 

ここでは、ワインの容器がガラス瓶になった経緯を簡潔に紹介します。

 

エジプトの王の墓からガラスの破片が見つかったことにより、ガラス容器は紀元前1500年頃にはすでに存在していたことがわかっています。当時は、粘土や鋳物砂などを混ぜて作った芯(コア)に紐状のガラスを巻き付けて形を整える「コア・テクニック製法」が中心でした。現在のような吹きガラス技法が発明されたのは、紀元前1世紀頃です。次第に厚くて丈夫なガラス容器を製造できるようになったことから、ワインをはじめとする液体の貯蔵や運搬にガラスが用いられるようになりました。

ワインは、誕生した当初からガラスに入れられていたわけではありません。過去には素焼きの壺(アンフォラ)やオークの木樽が使用されていました。しかし、重量や耐久性、強度、ワインの変質など、いくつかの問題により西暦300年頃を境にガラスボトルの使用へと移り変わります。

西暦1500年のはじめには、ガラス製造技術が進歩するとともにコルク栓が使われるようになり、1600年頃にワインへの使用が一般化し、急速に広がります。当時は安定性を重視した底が平たい形状でしたが、産業革命とともに輸送や長期貯蔵に適した形状へと変化していきました。

 

 

■ワインの種類ごとにおすすめのボトル

 

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ここでは、ワインボトルの形状を産地の種類別に紹介します。

 

・フランスワイン

フランスワインを代表するボトルを紹介します。

 

<ボルドー型>

スーパーなどでよく見かけるいかり肩のワインボトルです。フランスのボルドー地方で使われることから「ボルドー型」と呼ばれており、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、マルベックから造られる重厚な口当たりのワインに用いられます。ボトルを傾けた際、析出した澱がグラスに入るのを防ぐため、肩部分がやや角ばった形状をしているのが特徴です。

 

<ブルゴーニュ型>

胴体は少し太めで、なで肩が特徴です。フランスのブルゴーニュ地方で使われることから「ブルゴーニュ型」と呼ばれ、ピノ・ノワールやシャルドネから造られる繊細な味わいのワインに用いられます。ブルゴーニュワインの中にもタンニンが強めのものはありますが、熟成中や瓶詰めの際に何度も澱を取り除くので、いかり肩にする必要がありません。グラスに注ぐ間に泡が立ちにくく、上下を交互に並べると効率的に保管できるなどのメリットが挙げられます。

 

<シャンパーニュ(スパークリング)型>

ボトルの呼び名は、フランスのシャンパーニュ地方で造られる発泡性ワインに由来しています。スパークリングワインを詰めるため、ボトルには炭酸の内圧に耐えられる重く分厚いガラスを使用し、瓶の口にミュズレ(コルクを固定するワイヤーと金具)をはめる溝が特徴的です。見た目はブルゴーニュ型に似ていますが、ワインボトルによってはボトルネックや肩のラインで個性を表現するなど、店頭での見栄えを高める工夫がされたものもあります。

 

<アルザス(フルート)型>

他のワインボトルよりも細身で背が高く、スマートな見た目をしているため、「フルート型」とも呼ばれます。フランス北東部のアルザス地方で栽培されるアロマティック品種(リースリング、ゲヴェルツトラミネール、ミュスカなど)のワインは低温で飲まれる傾向にあるため、ボトルの冷えやすいアルザス型に入れられることが多いようです。アルザス地方は長期間ドイツに統治されていた過去があり、ドイツワインで主流のライン・モーゼル型の影響を受けた形をしています。ボトルの色は、緑や茶色が中心です。

 

<プロヴァンス型>

ロゼワインで有名な、フランス南部のプロヴァンス地方で生産されるワインに使われます。形状は、胴体の下部分が少しくびれたものや長めのボトルネック、なで肩に太めの胴体など、エレガントで華やかな印象です。ほとんどのボトルが透明で、ロゼワインの特徴と言える鮮やかなピンクが引き立ちます。

 

・ドイツワイン

ドイツワインを代表するボトルを紹介します。

 

<ライン・モーゼル型>

ドイツのライン地方やモーゼル地方で製造されるワインに用いられ、リースリングやゲヴェルツトラミネールなど、軽やかな飲み口のワインが詰められます。形は、アルザス型と同じく細長いフォルムに急ななで肩が特徴です。ボトルの色は、ライン地方が茶色、モーゼル地方は薄い緑色ですが、最近は青いボトルも増えている傾向にあります。

 

<ボックスボイテル(フランケン)型>

ドイツのフランケン地方などで用いられている、伝統的なワインボトルです。胴体を正面から見ると半円状で横から見ると平たい形は、ヤギの陰嚢(いんのう)を語源としています。ボックスボイテルは、上級のフランケンワインと偽物を区別するために商標登録されており、現在はドイツポルトガル、イタリア、ギリシャの一部地域しか取り扱いできません。

 

 

■まとめ

今回は、ワインボトルの仕組みや歴史を紹介しました。

斎藤容器ではさまざまな容器を取り扱っており、用途やニーズに合わせて適切な容器の提案をしております。オリジナルワインを充填するボトルをお探しの方は、ぜひお問い合わせください。

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