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2023年02月27日

【コラム】飲料の容器として瓶が使われる理由とは? 瓶で飲まれているラムネの豆知識についても紹介

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飲料の容器の定番でもある瓶ですが、瓶がよく使用される理由についてはあまりご存じない方も多いのではないでしょうか。特にガラス瓶には、さまざまなメリットがあります。今回は、飲料の容器として瓶が使われる理由や、瓶飲料の定番であるラムネについて紹介します。

 

■飲料の容器として瓶が使われる理由とは?

飲料の容器として瓶を使用すると、さまざまなメリットがあります。ここでは、特に大きなメリットを5つ解説します。

 

・密閉性が高い

ガラス瓶は、非常に密閉性が高い容器です。ガラス瓶に入れておけば、中の飲料によっては数十年も中身を保存できます。
たとえば、ワインはもともと陶器や素焼きの壺(つぼ)などで保存するのが一般的だったため、何年も保管しておくような飲料ではありませんでした。しかし、ガラス瓶の技術が発達したことで、ガラス製のワインボトルが誕生し、長期保存できるようになったのです。
このようにガラス瓶は、密閉性が高く空気を通さないため、長期間に渡って中身のおいしさを保つことができます。

・飲みものを引き立てる

ガラス瓶は、飲みものを引き立てます。手触りがよいガラス瓶は、直接口をつけても飲みやすい素材です。
また、ガラス瓶は透明度が高く見た目も美しいため、主役の飲みものを引き立てることができます。ひんやりとした触り心地はガラス瓶特有なので、触れたときの高級感を意識することもできるでしょう。

・おいしく飲むことができる

ガラス瓶は密閉性が高いことから、中の飲みものに周囲のにおいが移ることはありません。また、ガラス瓶本体にも独特の味やにおいはなく、無味無臭です。
そのため、飲みもの本来のおいしさをストレートに味わえます。また、ガラス瓶は透明なため、中の飲みものの状態や量を確認しながら飲むことができるでしょう。

・ガラス瓶は炭酸が抜けにくい

ガラス瓶は、ペットボトルや缶よりも炭酸が抜けにくく、中の飲みものを劣化させません。
たとえば、ペットボトルは密閉されているように見えて、わずかにガスを通す性質があるため、未開封の状態でも少しずつ炭酸が抜けてしまいます。
しかし、ガラスは密閉性が高くガスを通さないため、長く炭酸特融の飲み心地を味わうことができるでしょう。

・飲食店で瓶のまま提供することができる

ペットボトルなどの容器と比べて、ガラス瓶は高級・高品質のイメージを与えられます。実際に、ホテルや旅館では特別感を味わえるガラス瓶の飲みものが提供された経験がある人も多いのではないでしょうか。ガラス瓶は高級感がある見た目から、飲食店によってはそのまま提供されることも多い容器です。

 

■瓶は環境にいいって本当?

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ペットボトルなどの容器と比べると、ガラス瓶は環境にいいとされていますが、理由をご存じでしょうか。
ここでは、ガラス瓶が環境にいい理由について詳しく解説します。

 

・ガラス瓶は100%の天然素材でできているので環境に優しい

ガラス瓶の主な原料は、下記の通りです。
●けい砂
●石灰石
●ソーダ灰
●空き瓶を砕いたカレット
これらの素材は、すべて100%地球上にある天然素材であり、地球の地殻の成分と似ています。よって、地球の環境を破壊するような物質は含まれていません。
また、空き瓶を砕いたカレットでガラス瓶を作ることで、省エネルギーや二酸化炭素の排出量削減にもつながります。環境にやさしく人体にも安全なため、安心して使用することができるでしょう。

・容器以外にも活用できる

ガラス瓶は、飲みものの容器としてだけではなく、さまざまな活用が可能です。たとえば、ペン立てや花瓶など、アイデア次第で新たな活用方法があります。
透明度が高いガラス瓶は、頑丈でデザイン性にも優れているだけでなく、中身にも影響を与えません。そのため、活用方法の幅も広げやすいでしょう。

・ゴミにならずに再利用できる

ガラス瓶は、使い終わった後、リユースかリサイクルで再利用ができます。
リユースの場合は、空き瓶をきれいに洗浄して、新しい中身を詰めて再度利用されます。これは「リターナブル瓶」と呼ばれていて、100年以上前から行われている再利用です。
リサイクルの場合は、収集した空き瓶を砕いてカレットにした後、溶かして新しい瓶を作ります。こちらは「ワンウェイ瓶」と呼ばれています。
このように、空き瓶はリユースまたはリサイクルされるため、ゴミになることはありません。

 

■瓶の飲料の定番「ラムネ」について

瓶の飲料として、多くの人が初めに「ラムネ」を思いつくのではないでしょうか。瓶の飲料の定番であるラムネですが、そもそもラムネとはどのような飲みものか、定義をはじめ、歴史やビー玉が瓶の中に入っている理由を解説します。

 

・ラムネの定義

ラムネとは、ビー玉で栓をした炭酸飲料のことです。今では多くの種類がある炭酸飲料ですが、ラムネが広まり始めた明治20年(1887年)の炭酸飲料といえばラムネとサイダーでした。
同じ炭酸飲料であるラムネとサイダーですが、違いは入っている容器(栓)です。当時のラムネとサイダーの味は、ラムネがレモン風味でサイダーがリンゴ風味でした。
当時はリンゴ風味のサイダーのほうが値段も高く、サイダーが高級品でラムネは庶民派という認識があったようです。また違いは形にもあり、サイダーの容器はビール瓶のような形であったのに対し、ラムネの容器はビー玉栓のガラス瓶でした。 昨今、炭酸飲料は多くの種類があり、容器も多様化しているため、ラムネとサイダーの違いは曖昧になっています。しかし、ビー玉栓のガラス瓶といえばラムネという認識は、今でも共通と言えるでしょう。

・もともとは「レモネード」だった

ラムネは、もともと「レモネード」だったということを知っている人は少ないかもしれません。ラムネが日本にやってきたのは、嘉永(かえい)6年(1853年)です。
当時、米国からペリー提督が浦賀に来航した際、艦上で江戸幕府の役人たちにレモネードを振る舞ったのが最初とされています。その後日本では、慶応元年(1865年)に長崎県でレモネードが「レモン水」の名で初めて製造・販売されました。
しかしレモン水という名は広まらず、最終的にはレモネードがなまった「ラムネ」という呼び名が浸透していったと言われています。

・ラムネの中にビー玉が入っている理由

ラムネといえばビー玉栓ですが、ペリー提督が日本に持ち込んだラムネなど、昔のラムネはコルク栓で蓋をしていました。しかし、コルク栓では密閉性が低く、時間がたつと炭酸は抜けてしまいます。
また、コルク栓そのものが高価だったこともあり、イギリスのハイラム・コッド氏がガラス玉を用いた密封方法を考案しました。これが、ラムネのビー玉の始まりと言われています。
なお、日本で初めてビー玉栓のラムネ瓶を完成させたのは大阪の徳永玉吉氏であり、ラムネ瓶の量産によって全国的なラムネの普及に貢献しました。

 

■まとめ

ガラス瓶は、飲料の容器としてさまざまなメリットをもっています。容器としての機能性だけではなく、瓶そのものの高級感や高品質のイメージが、飲みものを引き立ててくれるでしょう。
また、容器として活用できるだけでなく、リユース・リサイクルすることでゴミになりません。100年以上前からラムネなどの容器として日本で利用されてきたガラス瓶は、現在でも多くの人に親しまれています。

 

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