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2023年02月06日

【コラム】煮沸消毒するのに向いているジャム瓶のキャップの形状とは? 脱気の方法についても紹介

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ジャムの瓶を使って家庭で食べ物を保存する際には、煮沸消毒を行う必要があります。その際、キャップの形状に注目することで、煮沸消毒のしやすい瓶を選ぶことが可能です。今回は、ジャム瓶のキャップの形状について紹介します。

 

■ツイストキャップとは

・ツイストキャップの特徴

ツイストキャップとは、内側にあるラグと呼ばれる爪で、瓶のネジに巻き締めするタイプのキャップです。見た目がすっきりしていて厚みがなく、ひねるだけで簡単に開け閉めができるので、ジャムや漬物といった瓶詰めに向いています。ツイストキャップは、加熱殺菌時に内圧を下げて、瓶にキャップが食い込み密封することを想定しており、キャップの加熱によりパッキンがやわらかくなって瓶に食い込みやすくなります。

・ツイストキャップのメリット

ツイストキャップのメリットは、瓶・キャップともに商品のバリエーションが豊富な点です。他には、瓶の内圧が低くても、開封が容易にできることなどもメリットとして挙げられます。

・ツイストキャップのデメリット

ツイストキャップのデメリットは、巻き締めが不足すると緩みや漏れを起こしやすい点です。また、反対に巻き締めが強すぎるとキャップの破損につながります。また、瓶の内圧が上昇した場合、自然に緩む場合があります。小さなツイストキャップの場合は直径が小さいため、力がかかりにくく、常温では巻き締めが固くて正確にできないことがあります。

 

■スクリューキャップとは

・スクリューキャップの特徴

スクリューキャップはツイストキャップと異なり、側面にネジを切ってあるタイプで、主に常温充填によく使われるキャップです。医薬品や食品などの瓶詰に多く使われています。

・スクリューキャップのメリット

スクリューキャップは、ツイストキャップに比べて厚みがあり、あまり力を入れなくても開閉できる点がメリットです。締めすぎてしまった場合でも、キャップが固くなるだけで破損することはほとんどありません。また、ツイストキャップと比較して、キャッピングの際のミスによるトラブルが起こりにくい点もメリットと言えるでしょう。

・スクリューキャップのデメリット

スクリューキャップは、商品のバリエーションが少なく、商品に使用する場合にデザインなどで差別化が難しい点はデメリットと言えるでしょう。また、キャップに厚みがあるため、ツイストキャップと比較すると、サイズが少し大きくなってしまいます。他にも、目視で巻き締めの判断がしづらいので、キャップを締め過ぎた場合や脱気を行い過ぎた場合、固くなってしまい開封が困難になることもあるでしょう。

 

■脱気をするにはツイストキャップがおすすめ

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・ツイストキャップがおすすめの理由

ジャム瓶を作るうえで欠かせないのが、「脱気」と呼ばれる作業です。脱気とは、瓶の中の空気を追い出して内圧を下げることを言い、脱気をすることで内容物の長期保存が可能になります。脱気を行う際はスクリューキャップだと蓋が開けづらい場合があります。ツイストキャップの方が開封しやすく、脱気を行う際に使いやすいのでおすすめです。

・ジャム瓶の脱気方法

使用する瓶を煮沸消毒することで、菌が発生しにくくなり、長期保存が可能になります。ジャム瓶を使用する前に、瓶をしっかりと洗って煮沸消毒しましょう。煮沸から脱気までの手順は以下の通りです。

1.沸騰したお湯でジャム瓶を煮沸する

瓶を中性洗剤で洗い、大きめの鍋に瓶を入れ、瓶が完全に浸かるように水を入れます。瓶は急激な温度変化に弱いため、水の状態から鍋に入れて加熱するようにしましょう。また、使用する鍋の底に布巾を敷いておくと煮沸がしやすくなります。
水から加熱し、気泡が出て十分沸騰した状態(100°C)で5分程度加熱し煮沸を行います。煮沸消毒した瓶を取り出すときは、熱いのでトングなどを使って取り出すようにしてください。トングや布巾も煮沸しておくと併せて殺菌ができて、より安全です。

2.煮沸消毒したジャム瓶に温かいジャムを入れる

煮沸消毒した瓶が熱いうちに、ジャムを瓶の9割程度のところまで入れます。瓶のギリギリまで入れてしまうと密閉できなくなるため、注意しましょう。

3.ジャム瓶を鍋に入れて20分以上煮沸する

ジャムを詰めた瓶を煮沸する時のお湯の量は、瓶の高さの9割程度にしましょう。20分煮沸することで、瓶の中の空気が温められて上に集まります。このとき、瓶の蓋を強く閉め過ぎていると蓋が飛んでしまう場合もあるため、あまり強く閉めすぎないようにしてください。

4.煮沸後、一瞬だけキャップを開けて空気を逃がす(脱気)

煮沸が終了したら、上がった内圧を逃がすため、一瞬キャップを緩めます。瓶が熱くなっているので、火傷しないようふきんか軍手を使って行うようにしてください。空気が抜ける「シュッ」という音が聞こえたら、脱気がうまくいった合図です。蓋を開けるのは一瞬で、すぐに巻き締めをします。ここで蓋を完全に開けてしまうと、冷気が入り脱気に失敗してしまうため、素早く行いましょう。空気を逃がした後は瓶が冷めるまで待ち、気圧が下がって蓋のへこみを確認できたら、脱気作業の完了です。

・煮沸消毒のメリット

煮沸消毒は、専用の消毒用品がなくても家庭でできる簡単な消毒方法で、厚生労働省や東京都食品衛生協会のほか、飲食店でも推奨されています。ジャムや塩漬けなどに使用する瓶は、煮沸消毒することで殺菌ができるため、長期的な保存が可能です。瓶は使い回しもできる便利な容器ですが、細菌を繁殖させないためにも、食品を保存する前にしっかり煮沸消毒を行いましょう。ただし、耐熱性のないプラスチック、ナイロン、ポリエステル、メラミン素材、木製品などの熱に弱い素材は煮沸消毒には向いていません。

・煮沸消毒はどのくらい効果がある?

O-157など食中毒を引き起こす細菌やウイルスは、75°C以上の加熱で殺菌ができます。ノロウイルスの場合は、85~90°C以上で90秒以上加熱することで、殺菌が可能です。また、新型コロナウイルスも熱に弱いことがわかっており、煮沸消毒を10分程度行うことで殺菌ができると言われています。煮沸消毒で行う温度は100°C以上にはならないため、殺菌できない菌も存在しますが、食中毒の原因となる細菌などは殺菌できるため、瓶を煮沸消毒することで十分な効果が得られると言えます。

 

■まとめ

保存瓶のキャップの種類には、ツイストキャップとスクリューキャップがあります。それぞれにメリットがあるので、用途に合わせて使用することをおすすめします。ジャム瓶にはツイストキャップが向いており、長期保存するためには瓶を煮沸し、脱気すると安心です。正しい密閉方法を知って、おいしいジャム作りに役立ててください。

 

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