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2022年10月24日

【コラム】プラスチック容器は何を基準に選ぶ?選び方のポイントを解説

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軽量で丈夫なプラスチック容器はさまざまな用途で用いられており、身近な存在と言えます。しかし、商品に合ったプラスチック容器はどうすれば見つけられるのか、お悩みの方もおられるのではないでしょうか。
そこで今回は、プラスチック容器の選び方をご紹介します。容器選びにお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

■プラスチック容器の選び方で気を付けたいポイント

プラスチックは種類が非常に豊富で、素材・形状・容量によって適した中身は異なります。合わないプラスチック容器を選ぶと商品の品質や安全性を損ないかねないため、選び方で気を付けるべきポイントを押さえておきましょう。

・必要な機能を考える

充填する中身の性質に応じ、機械的性質・物理的性質・科学的性質などの観点から、容器に必要な機能を考えましょう。たとえば薬剤や溶剤を扱う場合は、耐薬性がなければなりません。また、使用期間や用途を踏まえてどれくらいの耐久性、耐摩耗性が必要かなども確認しておきましょう

・コストについて考える

プラスチック容器を作る際には、材料調達から加工・組み立て・検査、必要に応じて設備投資などの費用がかかります。理想の材料、デザインで容器を作れたとしても、コストオーバーしてしまえば継続生産が困難なため、試作段階で量産化を見据えた全体コストを計算しておきましょう。その際は、材料の仕入れコストを含めた価格相場を調べておくことをおすすめします。

・容器への加工

容器の成形や組み立て、検品の基準について把握することで、材料が加工に適しているかを確認できます。材料選定時に材料の加工性や成形性について加工業者に問い合わせると、よいアドバイスをもらえるかもしれません。

・安全性

プラスチック容器には安定性や加工性を維持するのに必要な添加物が使われているため、中身を充填・使用した場合の毒性の有無、安全性について把握しておきましょう。また、新しい材料を使う場合は、安全に関する法規制も確認してください。

・見た目やデザイン

ターゲットに対して商品を効果的に訴求するには、容器の見た目やデザインにも着目することが大切です。容器の透明性や色、ラベルについて考え、オリジナリティのある容器にしましょう。

・環境への配慮

商品がどのような環境下で使用されるのか想定したうえで材料を選び、必要な機能を考えることも製品化に欠かせないプロセスです。後ほど詳しく解説しますが、プラスチック容器は屋外の使用で劣化しやすいデメリットがあるため、使用場所の気候や虫、微生物による分解などの外的影響を考慮しましょう。

 

■プラスチック容器の形状について

容器の形状を決める際には、持ちやすさ・出しやすさなど人間工学的な側面から利便性を考慮することが重要です。容器に入れる内容物の状態や特性に合わせて、適切な形状を選びましょう。

・一般的に向いているとされる形状と中身について

一般的に、中身が液体の場合は丸型または角型、粉状・顆粒・個体・ペースト状のものは広口で円筒のボトルが向いているとされています。なかでも角型は収納スペースを節約でき、保管のための容器に最適です。

・場合によってはガラス容器のほうが適している

プラスチック容器はさまざまな素材と形状があり、選択の自由度が高い容器です。ただし、製品によってはガラス容器のほうが適している場合もあるため、中身の特性や用途に応じて選びましょう。

・キャップやフタについて

プラスチック容器に使われるキャップやフタにはさまざまな種類があります。容器の形状や商品の使い方によって適したものが異なるため、機能性やデザインを考える際のポイントの一つとしておきましょう。

 

■知っておきたいプラスチックの特徴

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食料品や薬品などさまざまな商品に使われているプラスチック容器ですが、プラスチックの特徴を知ることも容器選びにおける基準の一つです。プラスチック容器を扱う際の基礎知識として把握しておきましょう。

・そもそもプラスチックとは

プラスチックは合成樹脂とも呼ばれ、高分子化合物と呼ばれる化学合成された物質でできています。天然樹脂が松脂や漆といった樹木から採取される一方、合成樹脂は石油を原料とする人工的に作られた素材です。合成樹脂はペレットという粒状の素材に姿を変えてから、プラスチックへと加工されます。

・プラスチックの種類

<熱可塑性樹脂>

熱可塑性樹脂は、熱を加えることによって軟化・変形し、冷却することで固まるプラスチックです。もう1度加熱すると再びやわらかくなるという特徴があります。形状変化や成形が容易なため、生産性に優れたプラスチックと言えるでしょう。熱可塑性樹脂は耐熱性や強度によって、さらに「汎用プラスチック」「エンジニアリングプラスチック」の2つに分かれます。

<熱硬化性樹脂>

熱硬化性樹脂は熱可塑性樹脂と同様、加熱によって溶ける性質ものため変形・成形が可能ですが、さらに熱を加えることで硬化するプラスチックです。また、硬化後は熱可塑性樹脂のように再度加熱してもやわらかくなりません。耐溶剤性・耐熱性・耐久性に優れ、自動車で使われる金属パーツの代用部品に利用されています。

・プラスチックのメリット

プラスチックの大きなメリットは、軽く、加工性に優れていることです。形を用いた成形方法により、金属では難しい複雑な形状も加工できるでしょう。加えて原料が比較的安価なため、大量生産に向いています。ある程度の強度があり、耐錆性・耐腐性・耐水性が高く、塗装やメッキ加工をすることでさまざまな特性が付与できるのも魅力です。また、電気や熱の絶縁性・断熱性にも優れ、透明性を活かした着色ができます。

・プラスチックのデメリット

プラスチックは他の素材と比べて紫外線に弱く、直射日光が当たる場所では劣化しやすいというデメリットがあります。さらに、耐熱性や耐火性が低く、燃えやすいことも難点です。割れやすい・傷つきやすい・汚れやすいといった点では、他の素材よりも耐久性に劣ります。

・プラスチックは環境に悪い?

プラスチックには石油が使われており、再利用しにくいため、環境負荷が大きい素材なのではと思う人も多いかもしれません。実際、SDGsの観点から脱プラスチックが世界中で提唱され、プラスチックは「公害性が強い」といった認識が高まりつつあります。しかし、最近では使用済みプラスチックを資源として再利用したり、焼却によって発せられた熱エネルギーを有効活用するなど、プラスチックのリサイクル技術も向上しています。自然に優しいプラスチックを活用し、商品に消費者のリサイクル行動を促すようなメッセージを添えれば、環境意識の高い企業としてもアピールできるでしょう。

・プラスチックの加工方法

プラスチックの加工方法には、「成形加工」と「切削加工」と呼ばれる2つの方法があります。それぞれでメリットが異なるため、商品に適した方法を選びましょう。

<成形加工>

成形加工とは、金型を使用して形を作る加工方法です。溶かしたプラスチックを注射器のような機械で金型に流し込む射出成形が主流で、大量生産に適しています。

<切削加工>

切削加工はプラスチック素材を削り出してから、製品の形に整える加工方法です。1つずつ加工していくため、大量生産には向いていません。

 

■まとめ

使い勝手のよいプラスチック容器ですが、商品の用途や中身の特性に合ったものを選ばなければメリットを最大限に活かすことはできません。機能性やコスト、安全性、デザイン性を選び方のポイントにして、最適な容器を選びましょう。

 

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