【コラム】ペットボトルの種類にはどんなものがある?ボトルリサイクルの種類についても紹介
私たちの生活の中で欠かすことのできないペットボトルですが、ペットボトルにはいくつか種類があることをご存じでしょうか?実は、飲料の特徴に合わせて、使用されるペットボトルの種類は異なっているのです。今回はペットボトルの種類のほか、ペットボトルのリサイクルの種類についても紹介します。
ペットボトルの種類は大きく「炭酸系」と「非炭酸系」に分かれ、そこからさらに「耐圧」と「耐熱圧」「耐熱」「無菌充填用」に分類されます。
以下では、ペットボトルの種類ごとの特徴や充填方法、容器に求められる性質などをそれぞれ見ていきましょう。
耐圧用ペットボトルの特徴は、以下の通りです。
<外見上の特徴>
耐圧用ペットボトルの底部は、均等に圧力を受けられる花弁型(ペタロイド型)です。口部は透明で、胴部は筒状となっています。
口部には縦の溝があり、キャップを開けたときにガスが抜ける仕組みになっています。
<充填方法>
炭酸系飲料を5°C前後の低温で充填・密封します。
<容器に求められる性能>
炭酸ガスの内圧に耐えられる耐圧性が求められます。
<主な内容物>
耐圧用ペットボトルの主な内容物は、コーラやサイダーなどの炭酸系飲料です。
耐熱圧用ペットボトルの特徴は、以下の通りです。
<外見上の特徴>
耐熱圧用ペットボトルの外見は耐圧ペットボトルと同様、底部の形が花弁型で胴部が筒状です。口部は白色で、耐熱性があります。
<充填方法>
5°C前後の低温で充填して密封をした後に、65°C前後の温水シャワーで熱殺菌します。
<容器に求められる性能>
耐熱圧用ペットボトルには、炭酸ガスの内圧と温水シャワーの熱に耐えられる性能が求められます。
<主な内容物>
耐熱圧ペットボトルの主な内容物は、果汁入り炭酸飲料や乳性炭酸飲料などです。
耐熱用のペットボトルの特徴は、以下の通りです。
<外見上の特徴>
耐熱用ペットボトルは、胴部の凹凸模様(減圧吸収パネル)が特徴です。
底部の形は凹型で、口部の色は白色になっています。
<充填方法>
85°C前後の高温の飲料を充填後、キャップを閉めて密封し、冷却します。
<容器に求められる性能>
高温の飲料を入れるため、耐熱性と冷却後の負圧に耐えられる耐圧性が求められます。
<主な内容物>
耐熱用ペットボトルの主な内容物は、緑茶や烏龍茶、果汁飲料などです。
無菌充填用ペットボトルの特徴は、以下の通りです。
<外見上の特徴>
無菌充填用ペットボトルは、底部の形が凹型で、口部の色は透明になっています。
<充填方法>
殺菌済みのペットボトルに飲料を常温充填し、キャップを付けて密封します。
事前に滅菌された飲料を常温で充填するため、特に耐熱性や耐圧性などの性能は求められません。その分材料が少なく済み、他の種類のペットボトルよりも環境にやさしいと言われています。
<主な内容物>
無菌充填用ペットボトルの主な内容物は、ミルク入りコーヒー飲料や紅茶飲料、ミネラルウォーター、スポーツドリンクなどです。
ペットボトルは熱に溶けやすく、リサイクルしやすい素材です。
ペットボトルのリサイクルの種類としては、「繊維、フィルム等へのリサイクル」と「ケミカルリサイクル」「メカニカルリサイクル」の3つがあります。
使用済みペットボトルは、繊維やフィルム等へリサイクルされます。
リサイクルの流れとしては、まず、回収したペットボトルのキャップとラベルを除去し、フレーク状にします。フレーク状にされたペットボトルはその後、熱加工により粒子状化(ペレット化)され、繊維やフィルムの原材料となる「ポリエステル顆粒」となるのです。
ポリエステル顆粒は用途に合わせて熱で溶かされて繊維やフィルムとなり、加工されて再商品化されます。
ケミカルリサイクルとは、フレーク状にしたペットボトルを分子レベルまで分解(解重合)した後に、再度重合して新たなPET樹脂を作る方法です。
解重合には「エチレングリコール(EG)」が用いられ、ペットボトルは樹脂製造時の中間原料である「ビス-2-ヒドロキシエチルテレフタレート(BHET)」まで戻されます。BHETを精製した後に、PET樹脂に重合して完了です。
解重合から重合の間に異物や異種材料が除去されるため、ケミカルリサイクルされたペットボトルは新品同様のPET樹脂に再生できます。
このケミカルリサイクルの取り組みで、大型ペットボトルの年間生産量の約40%に再生PET樹脂が使用され、ペットボトルに使用する二酸化炭素の排出量は従来に比べて約47%削減されると言われています。
メカニカルリサイクルとは、高洗浄や高温加熱などの物理的処理で汚染物質の除去を行い、ペレット化することです。なお、ペレット化までの工程で、固形の異物はろ過によって取り除かれます。
さらに、メカニカルリサイクルでは解重合や重合のための設備が必要なく、ケミカルリサイクルよりも製造コストや環境負荷がかかりません。
メカニカルリサイクルは米国FDA(食品医薬品局)の承認を受けて実用化されているため、今後、新たな方法が開発される可能性があると言われています。日本では2011年にサントリーと協栄産業が国内初となるシステムを構築し実用化されました。
以下では、斎藤容器のおすすめのペットボトル容器を2つ紹介します。
「PET-500耐熱/HTK-500」は、容量520mlの耐熱用ペットボトルです。先述の通り、胴部には凹凸模様があり、底部の形は凹型で、口部の色は白色になっています。
1ケース単位(入数)で出荷するため、耐熱用のペットボトルをまとめて購入したい方におすすめです。
容量(ml)/OF | 520 |
重量(g) | 32 |
幅・直径(mm) | 60×60 |
高さ(mm) | 200.7 |
キャップ | 28フィンロック/td> |
入数 | 243 |
材質/色 | PET/トーメイ |
「PET-2ℓ角28φ」は中身が2044ml入る大容量タイプの一般飲料用ペットボトルです。
角型の胴部が特徴的で、底部の形は凹型、口部の色は透明になっています。こちらも1ケース単位(入数)での出荷です。
容量(ml)/OF | 2044 |
重量(g) | 65 |
幅・直径(mm) | 91×105 |
高さ(mm) | 308 |
キャップ | 28フィンロック/td> |
入数 | 60 |
材質/色 | PET/トーメイ |
※商品のスペックの寸法・入数は本体の値でキャップは含みません。
※商品スペックはコラム掲載時の値です。商品の規格・仕様は予告なく変更されることがあります。
※OF(オーバーフロー):容器の口元まで水を入れた満容量のことです。
ペットボトルには、「耐圧」「耐熱圧」「耐熱」「無菌充填用」の4つの種類があり、内容物や充填方法などによって使い分けられています。そのため、飲料の販売を考えている場合は、適したものを選ぶようにしましょう。
また、リサイクル方法は「繊維、フィルム等へのリサイクル」と「ケミカルリサイクル」「メカニカルリサイクル」の3種類です。
メカニカルリサイクルは、欧米では米国FDA(食品医薬品局)の承認を受けて実用化され、日本国内でも広がりを見せています。
リサイクルまでを見据えてペットボトル容器を購入することで、地球環境の保全に貢献できるでしょう。