【コラム】パッケージデザインとはどんなもの?デザインを考える際のポイントについても紹介
パッケージデザインは、商品を販売するうえで重要な要素の一つです。パッケージデザインを考える際には、いくつかのポイントがあります。今回は、パッケージデザインの重要性や、パッケージデザインを考える際のポイントについて紹介します。
パッケージデザインを作る際には、商品の平面だけでなく、立体的にどう見えるかということも考慮しなければなりません。そこで必要となるのが、「グラフィックデザイン」と「プロダクトデザイン」です。
まずはパッケージデザインとはどのようなものか押さえながら、他の用語についても確認していきましょう。
「パッケージデザイン」は簡単に言うと、商品の魅力や特徴を伝えるためのデザインです。主に袋菓子や飲料などの食品分野で求められ、商品のブランドイメージを高める効果があります。また、中身の品質保持や消費者の購買意欲を誘うといった役割も担っていることから、パッケージデザインで商品の売上が左右されると言っても過言ではないでしょう。そのため、パッケージデザインは商品のコンセプトや利便性を考慮したうえで、容器の形状・包装を考案することが必要不可欠です。
グラフィックデザインが2次元的なビジュアルを作り出すのに対し、「プロダクトデザイン」は商品を包装する箱や容器の形状など、3次元的なデザインを指します。プロダクトデザインを考える際は、商品のコンセプトに合っていることはもちろん、使いやすいかどうかも重要です。「可愛らしい」「おしゃれ」「使いやすい」といったデザインを追求することで、商品を手にとってもらいやすくなるほか、メーカーの雰囲気や傾向を知ってもらうきっかけにもなります。
パッケージデザインを考える際は以下の4点を抑えておきましょう。
商品名や商品のイメージを基にロゴを作成します。フォントや配色を工夫するだけで印象が大きく変わるため、商品のメインターゲット層に好まれるようなデザインにすることが大切です。また、配置した際のバランスなども考えましょう。
どのようなパッケージに商品を入れるのかもよく確認しましょう。パッケージ単体で見るのと、商品を実際に入れてからでは膨らみなどによって印象が異なります。素材によって合う色や印刷方法なども異なるので、商品のイメージにあったデザインにはどの素材がふさわしいかを比較してください。
商品によって適切なパッケージの大きさは異なります。限られた印刷面で商品の魅力が伝わるようなデザインにするだけでなく、商品棚やディスプレイで並べた際の見え方も意識しなくてはなりません。特に小さな商品の場合、記載できる情報もかなり限定されてしまうので、注意しましょう。
基本的に紙の印刷では、以下の4色を混ぜて作った色を使います。
●C(シアン)
●M(マゼンタ)
●Y(イエロー)
●K(ブラック:Key Plate)
ゴールドやシルバーなどは、特殊な印刷でなければ使用できません。 印刷では素材によって色が変わる点に注意が必要です。パッケージの素材によって印刷で使用できる色は異なります。そのため、素材と使用する色の相性を考えてデザインするようにしましょう。
パッケージデザインを考える際には、いくつかのポイントを押さえる必要があります。特に注意したいポイントについて解説するので、ぜひ参考にしてください。
パッケージデザインを考える際は、一目で商品の特徴や魅力が伝わるようにすることが非常に重要です。パッケージは多方面から商品の特徴を伝達できる反面、情報量が多く、メーカーが最も知ってほしい商品の魅力が伝わりにくい傾向にあります。そのため、パッケージに盛り込む内容を厳選し、消費者にわかりやすく伝えることが求められます。 また、商品の魅力をより素早く正確に伝えたい場合は、キャッチコピーが効果的です。商品を一言で表したキャッチコピーを入れることで、写真やイラストでは伝わりにくい味や食感、風味を示すことができます。人目をひくフレーズであるほど消費者の興味を誘い、商品を手にしてもらいやすくなるでしょう。
メーカー独自の表現で商品の特徴を伝えるのも、パッケージデザインを考える際に重要なポイントです。独自性のあるパッケージデザインは消費者の記憶に残りやすく、他の商品との差別化や企業のブランディングに効果が期待できます。
広告・デザイン業界では、「とろとろ」「ジュワ」「サクサク」など、消費者に対し食欲や購買意欲を感じさせる表現を「シズル感」と言います。特に食品分野のパッケージでは、食品を食べたときの味わいや食感を消費者に想像させることで、商品の魅力をよりリアルに感じてもらえるでしょう。
SDGsなどで世界的に環境への関心が高まる中、商品パッケージも環境にやさしいものであることが求められています。また、人種・性別・年齢・体格に関係なく使用できるデザインであることも重要です。
企業全体で環境やユニバーサルデザインへの配慮を行っていることを示せれば、消費者に継続して商品を購入してもらうことにもつながるでしょう。
パッケージデザインは時代の流れとともに変化するもので、商品を売る場所によっても傾向が異なります。商品の魅力をより効果的に伝えるためにも、あらゆる観点からパッケージデザインの重要性を考えてみましょう。
パッケージデザインを考える際は、どのような売り場・客層をターゲットとした商品かを明確にすることが大切です。デザインは商品の印象にも大きく左右し、売り場によって求められるデザインも異なります。
たとえば、スーパーなどの食品売り場では、食欲を刺激したりお得感があったりすることが重要です。また、一般的な売り場と比べて富裕層が訪れやすい百貨店では、高級感のあるデザインが好まれます。ギフトコーナーなら、贈答に適した上品なデザインや箱入りの商品にするなど、売り場に適したパッケージデザインを考えましょう。
近年、SNSを使った情報の拡散や共有が日常化したことで、商品についてもおしゃれで話題性のあるパッケージデザインのものが好まれています。また、新型コロナウイルスの流行により、自宅で手軽に商品を購入できるインターネットなどの通信販売に注目が集まっていることを考えると、今後は画面上でパッケージを目にする機会も想定したデザイン作りが重要となるでしょう。
パッケージデザインは、工夫次第で商品の魅力だけでなく価値までも大きく高めることができます。ただし、単に理想のデザインを追求するだけでは、パッケージデザインのメリットを最大限に活かすことができません。写真・文字・素材・容器の形状を考慮して、商品のコンセプトやターゲットに合ったデザインを練ることが大切です。