【コラム】遮光容器とはどんな容器?色の違いや使用上の注意点について解説
遮光容器は、薬品などの保管の際に使用される容器です。遮光容器は色の違いによって遮光率が異なるため、用途に合わせて適切なものを選ぶ必要があります。今回は、遮光容器について解説します。
遮光容器と一般的な保存容器とで異なる点を解説します。充填する中身に最適な容器を選ぶためにも、まずは遮光容器について把握し、容器に対する理解を深めましょう。
遮光容器とは、外からの光を遮ることによって、内容物の変質・劣化を抑えるための容器です。薬品のほか、エッセンシャルオイルや日本酒のボトルとして使用されることも多く、「青色」「茶色」「緑色」などの色によっても違いがあります。
単にデザインや好みによって分けられているわけではなく、それぞれの色がもつ遮光率に起因しています。また、遮光率は「光の波長」とも関係しており、遮光容器を選ぶうえで押さえておくべき重要な要素です。
「光の波長」とは、光の粒子が発している振動のことです。nm(ナノメートル)という単位で表され、波長が短ければエネルギーが大きく物体を透過しやすい、長いほどエネルギーが小さく透過しにくいといった性質があります。
地球上には太陽光をはじめ、さまざまな種類の光がありますが、遮光に関して押さえておくべきなのは紫外線(UV-B・UV-A)、可視光線、赤外線です。なかでも、紫外線はUV-Bで約280~310nm、UV-Aで約310~400nmと、波長が短くエネルギーも大きいため、地表に届く光の中でも特に物質の変性に影響を与えやすいと言われています。可視光線は400~800nm、赤外線も800nmと、紫外線に比べて波長が長く物質を変質・劣化させるほどの強いエネルギーはありません。
つまり遮光容器は、UV-BやUV-Aなどの強い光の透過を防ぐために作られた容器と言えます。
遮光容器にはガラス製と樹脂製のものがあり、それぞれで使用感が異なります。ガラス製は密閉性が高く、内容物の酸化防止にも効果的なのが特徴です。対して、樹脂製は軽量で扱いが容易なうえに柔軟性があるため、ガラス製に比べて破損しにくいといった魅力があります。使用する場所や状況によってどちらがよいとは一概には言えないため、用途に応じて使い分けるのがおすすめです。
中身を充填する容器を選ぶ際、内容物の品質を保つためには、遮光性の高い容器を選ぶべきだとお考えの方も多いのではないでしょうか。しかし、遮光性が高いからと言って、必ずしもすべての状況で光の透過を防げるというわけではありません。ポイントは、どの色の容器がどの光に対して、どれくらいの遮光率があるのかという点です。
遮光容器は、「青色」「茶色」「緑色」で遮光率が異なります。また、光の波長ごとに遮光率が大きく変化するのも特徴です。そのため、遮光容器を選ぶ際は容器の色に着目して検討することが大切と言えます。
青色の遮光容器は300nmまでの波長に対し、およそ99%の高い遮光率があります。ただし、300nmという数値はUV-B程度の光までしか遮れないことを裏付けており、300nmを超えるUV-Aはほとんど遮光できません。
茶色の遮光容器は400nmまでの波長であれば、99%近い遮光効果を発揮します。遮光容器の中でも優れた性能を持ち、波長が400nm以上の可視光線でも遮光率約60%と、内容物の品質を最大限維持することが可能です。UV-BやUV-Aといった紫外線であれば、ほとんど問題なく遮光できるでしょう。
緑色の遮光容器の場合、波長350nmが遮光できる最大の数値です。UV-Bはほとんど、UV-Aは一部であれば90%以上防げます。また、波長が350nmを超えたとしても、青色の遮光容器ほど遮光率が著しく低下することはありません。ただし、中身の品質維持の観点から見れば、UV-Bを遮光する目的以外には使用を控えたほうが無難です。
遮光容器は正しい使用方法で使用しなかった場合、十分な遮光効果を得られないどころか、容器が変質する可能性があります。そのため、遮光容器を扱う際には、以下の点に注意しておきましょう。
遮光容器は食品や薬品の保存を目的に作られています。そのため、運搬用には向いていません。もし運搬用として使用した場合、容器同士が接触したり落下したりして破損する可能性があります。
運搬用としての使用が避けられない場合は、耐久性と安全性を確認したうえで、使用可能かどうかを判断しましょう。
いくら遮光効果があるとはいっても、遮光容器が内容物への透過を防げる光は限られてしまいます。ほとんどの紫外線をカットすることが可能な茶色の遮光容器でも、すべての光を遮ることはできません。よって、遮光容器に中身を充填して保管する際は、できる限り棚やロッカーなどの直射日光・室内照明が当たらない場所を選ぶことが大切です。
内容物の品質を安定して保つなら、ガラス製の遮光容器がおすすめです。斎藤容器ではさまざまなタイプのガラス製遮光容器を扱っておりますので、ぜひ候補の一つとしてご検討ください。
ヒップボトルNo.30 Cは、超少量タイプの遮光容器です。コバルトブルーという青色系統の色が、紫外線の透過を最大限防いでくれるほか、可愛らしい見た目も魅力です。薬品やエッセンシャルオイルなどの保存容器にお使いください。
容量(ml)/NET | 30 |
重量(g) | 66 |
幅・直径(mm) | 42.7 |
高さ(mm) | 75.8 |
キャップ | ヒップNo.40 |
入数 | 140 |
材質/色 | ガラス/コバルト |
ソース300角DSは、スクエア型の遮光容器です。緑色系統の中でもダークスモークを採用しており、高い遮光効果が期待できます。スタイリッシュなデザインが、よいアクセントにもなります。粘度の低いソースや食用オイルなどの保存におすすめです。
容量(ml)/OF | 290 |
重量(g) | 240 |
幅・直径(mm) | 52×52 |
高さ(mm) | 199 |
キャップ | ヒンジ26S |
入数 | 30 |
材質/色 | ガラス/ダークスモーク |
規格300軽量‐OSBは、スカイブルーの爽やかな色合いをした遮光容器です。紫外線などの光をシャットアウトしながら、水や海のような涼しさを演出できます。軽量タイプのため、扱いやすいのも特徴です。日本酒などのアルコールを充填すれば、夏の風情を楽しめます。
容量(ml)/NET | 300 |
重量(g) | 240 |
幅・直径(mm) | 67.7 |
高さ(mm) | 195 |
キャップ | 30STD |
入数 | 24 |
材質/色 | ガラス/スカイブルー |
※商品のスペックの寸法・入数は本体の値でキャップは含みません。
※商品スペックはコラム掲載時の値です。商品の規格・仕様は予告なく変更されることがあります。
※OF(オーバーフロー):容器の口元まで水を入れた満容量のことです。
※NET(ネット):正味容量のことです。
遮光容器は薬品や食品の品質を維持するのに最適な容器と言えるでしょう。ただし、より高い遮光効果を得るためには、色による遮光率の違いをよく理解しておくことが大切です。ぜひこの機会に容器の色についても着目し、選択の幅を広げてみてはいかがでしょうか。