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2025年03月03日

【コラム】プラスチックの印刷方法は?種類や特徴・メリットを詳しく解説

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プラスチックの印刷にはさまざまな種類があることをご存知でしょうか? プラスチックの印刷は、用途や目的によって使い分ける必要があります。

この記事ではプラスチックの種類と特徴から、印刷方法の種類を解説します。プラスチックに印刷することで、どのような効果があるのかも解説しているので、ぜひ参考にしてください。

 

■プラスチックの主な種類と特徴


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  ポリエチレン(PE) ポリプロピレン(PP) ポリ塩化ビニル(PVC) ポリスチレン(PS) ポリエチレンテレフタレート(PET)
特徴 耐薬品性や耐衝撃性が高く、加工しやすい。 耐衝撃性と耐熱性が高く、加工しやすい。 耐候性や耐水性が高く、熱に弱い。 硬くて割れやすく、軽量で透明性が高い。 透明性が高く、リサイクルが可能で環境負荷が低い。
用途 ビニール袋、食品容器、ボトル、パイプなど 食品保存容器、自動車部品、医療用製品、ストローなど カード類、ホース、配管、床材、ステッカーなど 食品トレイ、使い捨てカップ、包装材など ペットボトル、食品包装、衣類用フィルムなど
注意点 表面が滑らかでインクが密着しにくいため、表面処理が必要。 表面が滑らかでインクが密着しにくいため、表面処理が必要。 柔軟性が高いが、適切な印刷方法を選択する必要がある 耐久性に注意が必要で、衝撃や摩耗に弱い場合がある 印刷前に表面処理が必要な場合があるが、リサイクル可能

 

プラスチックに印刷する際は、素材ごとに注意すべきポイントが異なります。

例えばポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)は、表面が滑らかでインクの密着性が低いです。

そのため、印刷前に表面処理が必要になる場合があります。

 

一方で、ポリ塩化ビニル(PVC)は柔軟性が高くさまざまな印刷方法に対応できますが、適切な選択が求められます。

また、ポリスチレン(PS)は耐久性に課題があるため、摩耗や衝撃に注意が必要です。

 

このように、素材の特性に応じて適切な印刷方法や処理を選ぶことが重要です。



■プラスチックに印刷する方法


プラスチックはさまざまな製品に使用されており、印刷するプラスチックの種類や形状、用途によって最適な方法が異なります。

以下で、プラスチックの代表的な印刷方法とその特徴を解説します。

 

● シルク印刷(シルクスクリーン印刷)
● パッド印刷
● ホットスタンプ(箔押し)印刷
● 熱転写
● UV印刷
 


シルク印刷(シルクスクリーン印刷)


シルク印刷は、メッシュ状の布を用いてインクをプラスチックに転写する方法です。

デザインに合わせて加工した布の版にインクを通すことで、デザインをプラスチック表面に印刷します。

厚みのあるインクを載せることができるため、発色がよく耐久性に優れています。

 

平面だけでなく曲面や円筒形の素材にも対応可能で、ボトルや家電製品、看板などの印刷に広く使用されています。

特に大量生産や単色印刷向きです。


パッド印刷


パッド印刷は、シリコン製の柔らかいパッドを使い、ハンコを押すようにしてプラスチック表面にインクを転写する方法です。

曲面や凹凸のある複雑な形状に印刷するのに適しており、細かいデザインや文字を正確に再現できます。

 

小型で立体的な製品にも対応可能なので、おもちゃ、家電のボタン部分、ゴルフボールなどに利用されています。

特に、精密な印刷が求められる場合に適しています。


ホットスタンプ(箔押し)印刷


ホットスタンプ印刷は、箔を熱してプラスチックに転写する方法です。

金属的な光沢の演出や高級感のある仕上がりが可能になります。

 

速乾性がありインクを使用しない点が特徴で、化粧品容器や贈答品、カードなどに使用されています。

 

特に、高品質なデザインや高級感を求められる製品に最適で、装飾性を重視する場面ではおすすめです。


熱転写


熱転写は、デザインが印刷されたフィルムを熱と圧力を用いてプラスチック表面に転写する方法です。

写真のような高解像度の印刷が可能で、色鮮やかなデザインを忠実に再現することが可能です。

 

直接印刷するのではなく、フィルムを転写するため生地に左右されないのがメリットで、家電製品やプラスチック製容器などに広く使用できます。

 

転写後のデザインは耐久性があり、摩耗にも強いのが特徴です。


UV印刷


UV印刷は、紫外線(UV)を利用してインクを瞬時に硬化させる技術です。

高解像度でのフルカラー印刷が可能で、速乾性が高い点も特徴です。

 

さらに、VOC(揮発性有機化合物)の排出が少なく、環境にもやさしい印刷方法とされています。

スマホケースや販促品などの製品に適しており、特に複雑なデザインやカスタマイズが求められる場合に活用されています。

 


■プラスチックに印刷するメリット


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プラスチック製品に印刷を施すことで、見た目の魅力や実用性が向上し、製品の価値を高められます。

以下が、プラスチックに印刷するメリットです。


● 視覚的な魅力の向上
● デザインの柔軟性とカスタマイズ性
● 環境面への配慮


 

視覚的な魅力の向上


プラスチック印刷は製品の見た目を一新し、視覚的な魅力を大幅に向上させる効果があります。

印刷技術を活用することで、もともと単色だったプラスチックの表面を、色鮮やかで洗練されたデザインに変更できるでしょう。

 

例えばシルク印刷では、厚みのあるインクで発色のよいデザインを表現でき、ホットスタンプでは金属的な光沢や高級感のある仕上がりが可能です。

また熱転写やUV印刷では、写真や複雑なパターンを高解像度で再現でき、顧客の目を引く製品を作れます。

 

このように視覚的な魅力が向上することで、商品そのものの印象がよくなり、ブランド価値や購買意欲の向上にもつながります。


デザインの柔軟性とカスタマイズ性


プラスチック印刷の大きなメリットの一つが、デザインの柔軟性と高いカスタマイズ性です。

平面だけでなく曲面や複雑な形状にも対応可能な方法が増え、多様な製品に印刷を施せます。

 

例えばパッド印刷は、小さな曲面や凹凸のある形状にも細かいデザインを転写でき、UV印刷や熱転写では写真のような高解像度のデザインも再現可能です。

また、カラーバリエーションやグラデーションを自由に選べるため、製品のオリジナリティが際立ちます。

 

このようにカスタマイズ性が高いため、ブランドイメージの強化や顧客のニーズに合わせた製品作りが可能になります。


環境面への配慮


プラスチック印刷は、近年の技術進化により環境への配慮が進んでいます。

特にUV印刷は、VOC(揮発性有機化合物)や熱を排出しない、環境にやさしい印刷方法として注目されています。これにより、大気汚染や人体への影響を抑えることが可能です。

 

また、耐久性の高い印刷技術を採用することで、製品寿命を延ばし、使い捨ての製品を減らす取り組みにもつながります。

 

さらに、リサイクル可能なプラスチック素材に印刷することで、廃棄物削減や資源の有効活用を促進できます。

環境負荷を軽減しつつ高品質な印刷を実現できる点は、持続可能な製品づくりに貢献するでしょう。



■まとめ


プラスチック印刷は製品の視覚的な魅力を向上させ、デザインの自由度やブランド価値を高めるために欠かせない技術です。

シルク印刷やパッド印刷、UV印刷など、印刷方法によって多様な製品に対応することが可能です。

 

パッケージデザインに最適なプラスチック印刷方法を選ぶことで、製品の付加価値の最大化を行い、競争力を高めましょう。

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