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2024年08月26日

居酒屋を開業するまでの流れを6ステップでわかりやすく解説

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居酒屋を開業しようと思ったものの、何から手を付ければよいのかわからない方もいるでしょう。

居酒屋の開業準備は、大きく6つのステップに分けられます。各ステップですべきことを理解し、少しずつ開業準備を進めていきましょう。

本記事では、居酒屋を開業するまでの流れや、取得する必要のある資格、用意しておきたい備品・設備について解説します。


■6ステップ居酒屋で開業までの流れを確認

これから居酒屋を開業しようと考えている方は、開業準備の大まかな流れを把握しておくことが大切です。以下の6つのステップに沿って、余裕を持って開業準備を進めましょう。

 

  1. コンセプトやメニューを決める
  2. 事業計画を立てる
  3. 資金を集める
  4. 物件を探す
  5. 内装工事を行う
  6. オープンする

 

コンセプトやメニューを決める

まずは店舗のコンセプトや、強みとなるメニューを決めましょう。

居酒屋といっても、立ち飲み形式の店舗やリーズナブルな大衆酒場、おしゃれなダイニングバー、くつろげる個室居酒屋など、さまざまなコンセプトがあります。同じ地域の競合店を調査しつつ、差別化できるようなコンセプトを決めることが大切です。

また提供するメニューについても、以下の3種類を軸として考えましょう。

 

 

メニューの種類 特徴
看板メニュー 競合店にはない独自性があり、店舗のコンセプトを象徴するようなメニュー
定番メニュー どの居酒屋にもあり、お客様のニーズも高いメニュー

計画を立てる

次に店舗のコンセプトに基づいて、事業計画を立てましょう。事業計画とは、店舗のコンセプトやターゲット(顧客層)、資金調達の手段、開業後に見込まれる売上など、居酒屋の経営に必要な情報をまとめたものです。

事業計画を記載した事業計画書は、金融機関から融資を受ける際にも必要なため、じっくりと時間を掛けて作成しましょう。


集金を集める

事業計画を立てたら、オープン半年前を目安として資金調達を行いましょう。

日本政策金融公庫によると、居酒屋を含む飲食店の開業資金の平均は883万円です(1)。また、資金調達は、金融機関の融資や自己資金(自分のお金)、親族からの調達などの手段が挙げられます。

 

融資を受ける際も、飲食業界における経験に加えて、一定以上の自己資金があるかどうかが評価される場合があるため、コツコツと貯蓄に取り組みましょう。

1 日本政策金融公庫「新たに飲食業を始めるみなさまへ 創業の手引+p2

http://zeninren.or.jp/wp-content/themes/original/images/yushi/sougyou.pdf

 

物件を探す

居酒屋の売上には、物件選びも大きく影響します。立地や周辺環境を確認しながら、店舗を出す物件を探しましょう。

一般的に、メニューの価格を安くし、客席の回転率を上げたい場合(大衆居酒屋など)は、駅や繁華街などに近い物件がおすすめです。


内装工事を行う

必要な場合は、店舗の内装工事を行いましょう。物件にもよりますが、内装工事が完了するまで1カ月~2カ月ほど時間がかかるため、余裕を持って内装工事業者に依頼してください。

なお、前のテナントの設備が残った居抜き物件なら、内装工事を節約し初期費用を抑えることができます。


オープンする

内装工事が完了したら、いよいよ店舗のオープンです。居酒屋のオープンの仕方は、プレオープンとサイレントオープンの2種類があります。

 

オープン方法 特徴
プレオープン 広告宣伝を兼ねて試験的にオープンし、問題点を洗い出し対策した上でグランドオープンする方法
サイレントオープン ひっそりと店舗をオープンさせ、ある程度お客様の対応に慣れてきてから広告宣伝を行う方法


それぞれ一長一短があるため、店舗のコンセプトや、スタッフの採用・教育の進み具合などに合わせて選びましょう。


■居酒屋を開業するために必要な資格

居酒屋の開業に当たって、事前に取得しなければならない資格があります。例えば、食品衛生責任者の資格取得は必須です。また店舗の収容人数によっては、防火管理者の資格取得も必要な場合があります。

ここでは、居酒屋を開業するために必要な資格を2つ紹介します。

 

食品衛生責任者

居酒屋などの飲食店を営業する場合、各店舗に食品衛生責任者を置くことが義務付けられています(1)。食品衛生責任者の資格要件は、栄養士や調理師、製菓衛生師などの資格取得者です。こうした資格がない場合は、全国の保健所もしくは食品衛生協会において講習を受講し、食品衛生責任者の資格を取得しましょう。

1 e-Gov法令検索「食品衛生法施行規則 第四十八条」

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=322AC0000000233

 

防火管理者

また店舗の収容人数が30人以上の場合、消防法第8条および施行令第1条の2の定めにより、防火管理者の選任が必要です(1)。

 

居酒屋など、不特定多数の人が出入りする施設は、「特定用途の防火対象物」に分類されます。防火対象物全体の延べ面積が300平方メートル以上の場合は甲種防火管理者、300平方メートル未満の場合は乙種防火管理者の資格を取得しましょう(2)。

防火管理者の資格は、自治体が年間を通じて行っている防火管理講習を修了することで取得できます。

1 e-Gov法令検索「消防法 第八条」

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=323AC1000000186

1 e-Gov法令検索「消防法 施行令 第一条の二」

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=336CO0000000037

 

2 東京都消防庁「防火管理者が必要な防火対象物と資格」

https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/office_adv/jissen/p04.html

 

■居酒屋開業に必要となる備品・設備

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居酒屋を開業する際に大切なのが、備品・設備の準備です。備品・設備の準備を怠ると、店舗運営に支障をきたすばかりか、食品の衛生管理に悪影響が出る可能性もあります。

 

居酒屋の開業に当たって、少なくとも以下の備品・設備を揃えましょう。

 

必要な備品・設備 留意点
調理台 調理を行うために必須
シンク 保健所の規定に沿ったものが必須
ガスレンジ 調理を行うために必須
食器 収容人数に合わせて準備
調理器具 包丁・まな板・ボウルなどを準備
容器類 調味料の保存や、自家製プリン・ピクルスなどの商品展開に

 


調理台

まずは厨房に設置する調理台です。調理台は毎日使うため、使い勝手を重視して選びましょう。

また厨房が狭い場合は、調理台の下のスペースを活かしましょう。下が収納になっているタイプはもちろん、冷凍庫や冷蔵庫を持ったコールドテーブルなら、限られたスペースを有効活用できます。

 

シンク

シンク(流し)を設置する場合、保健所の規定に沿ったものを選ぶ必要があります。例えば、東京都の基準を例に挙げると、飲食店の場合は2槽以上(2槽シンク)で、かつ1槽の寸法が45cm(幅)×36cm(奥行)×18cm(深さ)以上のシンクでなければ、営業許可が下りない可能性があります(1)。

 

1 東京都福祉保健局・保健所「新たに食品に関する営業を始められる皆さんへ」p56

https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin//kyoka/files/tebiki.pdf

 

ガスレンジ

居酒屋を含む飲食店では、基本的にガステーブルまたはガスレンジ(オーブンが一体化したもの)で調理を行います。

 

ガスレンジを選ぶポイントは、火力の強さと五徳(ごとく)の素材の2点です。ガスレンジの火力が強いほど調理時間を短縮でき、料理をすばやくお客様に提供できます。

 

また、五徳の素材は耐久性を重視する場合はステンレス製、火を入れたときの焼き色が気になる場合は耐熱性に優れたホーロー(琺瑯)製を選びましょう。


食器

店舗の収容人数に合わせて、必要な数の食器を用意しましょう。

 

一般的には、席数の半分を目安として食器を用意します。ただし、定番メニューや看板メニューを提供する食器は使用頻度が高いため、予備の分も含めて、席数の1.5倍から2倍程度の数を用意しておくと安心です。


 調理器具

包丁やまな板、ボウル、鍋、フライパン、フライ返しなど、提供するメニューに合わせて調理器具も用意しましょう。特に包丁は毎日使うもののため、購入前に試し切りを行って、使い勝手を確認しておくことをおすすめします。


 容器類

最後に、調味料入れや食材を保管するタッパーなど、容器類にもこだわりましょう。特にテーブルの上に置く容器はお客様の目に留まりやすいため、デザイン性を意識することで視覚的な満足度を向上できる可能性があります。

 

また、自家製プリンやピクルスなど、看板メニューの店頭販売・インターネットでの販売を予定している場合も容器選びが大切です。容器の色や素材、加工などにこだわって、お客様が思わず手に取りたくなるようなデザインを選びましょう。


■まとめ

居酒屋の開業準備は、6つのステップに分けて少しずつ進めていきましょう。居酒屋の開業には、食品衛生責任者や防火管理者などの資格取得も必須です。調理師免許や栄養士免許がない方は、自治体による講習を受けるなどして、計画的に資格を習得しましょう。

また、備品・設備の抜けや漏れがないよう、必要なものをリストアップしておくことも大切です。備品・設備の中には、保健所の規定を遵守しなければならないものもあるため、自治体のホームページなどを確認してください。

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