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2023年04月17日

【コラム】簡易充填機とはどんな機械?導入後のポイントについて紹介

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簡易充填機は、導入することで生産ラインを効率化できる機械です。しかし、導入後のポイントをきちんと押さえなければ、思ったような効果が得られない場合があります。 今回は、簡易充填機について紹介します。

 

■簡易充填機とはどんな機械?

簡易充填機とは、どのような機械でどんな性能があるのでしょうか。この章では、簡易充填機の特徴や用途、性能などを紹介します。簡易充填機について詳しく知りたい方は、参考にしてみてください。

 

・簡易充填機とは

簡易充填機とは、缶やチューブ、ペットボトルなどの容器に液体を詰める機械です。一定量ずつ正確に充填できるため、導入することで手作業では時間のかかる製造工程を簡略化できるメリットがあります。簡易充填機は、充填中の工程をすべて任せられる全自動充填機と、開始動作のみを手動で操作する半自動充填機の2種類に分かれることも特徴の一つです。

・簡易充填機の構造

簡易充填機は複数のパーツが組み合わさって作られています。主要なパーツは以下の通りです。
●シーケンサー(制御装置)
●モーター
●ホッパー
●計量器
●ポンプ
これらのパーツが組み合わさることによって、正確な量を量りながら充填することが可能になります。
<異物混入や衛生面でのリスクを軽減できる>
機械で制御することによって、製品への異物混入や衛生面でのリスクを軽減できます。手作業で充填作業を行う場合は、毛髪やペットの毛、服に付着したホコリなどの異物の混入のほか、雑菌の付着などが懸念材料となるため、細心の注意が必要です。簡易充填機なら滅菌や消毒が徹底しやすく、衛生的な環境で製品を充填できます。

<品質のばらつきを抑えられる>
簡易充填機を使用することで、品質を均等に保ちやすくなることもメリットです。手作業では不可能な量を1度に投入したうえで、一定の力とスピードで充填作業を行います。手作業の場合、人によって力加減やスピードにも差が出るだけでなく、製品に体温が伝わることで品質に影響を与えてしまう可能性も否定できません。簡易充填機で充填作業を行うことで、品質を維持しやすくなるでしょう。
<在庫や品質の管理がしやすくなる>
自社工場で簡易充填機を用いると、より在庫や品質の管理がしやすくなることもメリットと言えるでしょう。充填のペースが一定であることから在庫状況を把握しやすくなるだけでなく、製造過多を防いで常に新鮮な製品を提供することにもつながります。

<生産ラインを委託から自社に切り替えることができる>
充填の工程を他の業者に委託している場合は、簡易充填機を導入することで自社ラインに切り替えることが可能になります。製造工程を自社ラインに切り替えた場合、コストを削減につながるだけでなく、委託時よりも製造がスムーズになるでしょう。

・簡易充填機で食品を充填するメリット

<自動化により生産性向上や人件費削減につながる>
初期設定を行うことでスピーディーな充填が可能なため、短時間で大量の容器詰めが完了します。簡易充填機1台で複数の作業を同時に行うことから、人手もほとんど必要ありません。生産効率を上げながら、人件費を削減できることは大きなメリットと言えるでしょう。

 

・簡易充填機で食品を充填するデメリット

<導入コストがかかる>
簡易充填機を導入するには、初期投資が必要になります。簡易充填機の大きさや性能にもよりますが、数十万~数百万円単位の資金を用意しなければなりません。決して手軽に手に入れられるものではないため、慎重に選ぶことが大切です。

<機器メンテナンスや部品交換が必要>
簡易充填機を使用する際は、機器のメンテナンスや部品の交換を定期的に行う必要があります。部品の劣化などを放置しておくと、簡易充填機のパフォーマンスが低下したり故障の原因につながったりもするでしょう。生産性を保つためには定期的な点検を行い、劣化した部品を取り替えることが大切です。

<充填機にトラブルが起こると生産がストップしてしまう>
簡易充填機にトラブルが起こった場合、充填の工程で作業が滞ってしまう恐れもあります。本来ならば、簡易充填機は生産効率を上げるためのものですが、充填機が何らかの理由で正常に機能しなくなると、充填作業そのものがストップしかねません。常にリスクがあることを踏まえたうえで、使用することが重要です。

<ケガの危険性>
使い方に不慣れな方が簡易充填機を使用した場合、ケガをしてしまう危険性があります。充填機を使用する際に誤って手をはさんでしまう恐れがあるほか、組み立て作業や分解などの際にもケガの危険をともなうため、取り扱いには十分な注意が必要です。

<生産できない製品が出る可能性>
汎用性の高い簡易充填機ですが、すべての製品に対応できるわけではありません。製品の質などによっては充填機で対応できないものもあるため、導入を検討している場合は、充填機を使用する予定の製品に使えるかどうかを調べておくことが大切です。

 

■簡易充填機の種類

簡易充填機にはいくつかの種類があり、それぞれ違った特徴をもっています。重視する性能や目的に合わせて選ぶとよいでしょう。以下では、簡易充填機の種類を紹介します。

 

・ピストン式充填機(容量式充填機)

開閉式の弁を閉じたまま、計量式のピストンで充填物を一定量吸い上げた後、弁を開けて容器の中に内容物を充填します。充填量が狂いにくく汎用性が高いため、多くの場面で活用されている充填機です。

・グラビティ式充填機(落差式充填機)

グラビティ式充填機は、上部のタンクと下部に設置されたノズルの落差を利用して充填作業を行います。充填物の表面の高さをきれいに揃えることが特徴で、飲料や液体調味料などの充填で活用されることが多い充填機です。

・重量式充填機(ウエイト式充填機)

主にソース類の充填で使用される重量式充填機は、内蔵された秤(はかり)を利用して充填物の重さを計量しながら充填を行います。容器の質量などに影響を受けにくく、一定量を正確に充填できることが特徴です。充填ロスが少ないため、余分なコストを削減することにもつながります。

 

■簡易充填機を導入して生産性を上げるには

簡易充填機を導入して生産性を上げるためには、いくつかのポイントを踏まえて使用しなければなりません。下記を参考にしながら、充填機を使用しやすい環境に整え、最大限の性能を引き出せるようにしましょう。

 

・簡易充填機に合わせて製造ラインなどを調整する

簡易充填機を導入する際には、充填ペースに合わせて製造ラインを調節することが大切です。充填スピードに追いつけない場合は導入の意味がなくなり、製造スピードが速すぎれば後の作業に大幅な遅れが生じて不備の原因につながります。簡易充填機の稼働状況に応じて、調整を行うことが大切です。

・作業手順書を作成する

作業手順書を作成するなどして、簡易充填機の取り扱い方を周知することも大切です。現場で使用する作業員しか簡易充填機の取り扱いを知らない場合、事故やトラブルの原因になる恐れがあります。簡易充填機の取り扱いは、実際に触れる機会の多い作業員に任せるだけでなく、勉強会などを通じて操作方法などを従業員全体で共有しておきましょう。

 

■まとめ

簡易充填機を導入することによって、生産効率の向上だけでなく、コスト削減にも大きな効果を得られます。種類による特性などを理解して、充填機の性能を活かせるための適切な環境を作りましょう。自社製品に使用できるかどうかを見極めて、最適な充填機を選んでください。

 

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