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2023年03月20日

【コラム】パッケージデザインにおける5P分析の重要性とは

 

パッケージデザインにおける5P分析の重要性とは

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パッケージデザインについて考える際に、5P分析を行うことはとても重要です。分析のためには、そもそも5Pとはどのようなものなのかをしっかりと理解しておく必要があります。今回は、パッケージデザインの5P分析について紹介します。

 

■5P分析とはどんなもの?

5P分析は、自社のマーケティング戦略を考えるうえで非常に大切な要素です。まずは5P分析の概要を押さえ、パッケージデザインにおける重要性について理解を深めましょう。

 

・5P分析とは

5P分析とは、自社のマーケティング戦略を考える際に、顧客のニーズに応じた商品や価格、販促方法といった5つの要素で分析を行うフレームワークのことです。「マーケティングミックス」とも言い、それぞれの要素を組み合わせて戦略を立てることで、消費者に対する自社の訴求力を高める効果が期待できます。

・5P分析は「4P+1P」の考え方

5P分析には、4Pという考えの元になった分析方法があります。4P分析は、「Product(製品またはサービス)」「Price(価格)」「Place(エリア・店舗・流通経路)」「Promotion(販促・広告・営業)」の4要素で構成され、これにもう1つのPを加えたものが5P分析です。もとはアメリカのマーケティング学者であるエドモンド・ジェローム・マッカーシーにより、マーケティング戦略の基礎概念として唱えられた4Pですが、複数の要素の絡み合いで売れ筋が決まることから、最近では5Pの考え方が主流となっています。
ただし、5P分析はマーケティングの「実行戦略」として、顧客に対する具体的なアプローチ方法を決めるものです。そのため、5P分析が効果的に働くのは、ターゲットとなる顧客や競合環境が把握できた後であることに注意しましょう。

 

■5P分析の要素について

5P分析を的確に行うには、それぞれの要素が何を意味するのか理解しておく必要があります。自社にとって有意義な5P分析となるためにも、しっかりと要点を押さえておきましょう。

・Product

Productは、商品およびサービスの特徴、価値、機能などを意味する要素です。なかには、保証やアフターサービスも含まれます。ターゲットに与える価値を元にコンセプトや生産方法を決め、それらに応じた商品・サービスを作り上げます。

・Price

Priceには、商品・サービスの価格、支払い、割引などが含まれます。自社の製品に対して適切なPriceを決めるためには、原料の仕入れ値や販売価格のコストバランス、販売対象となる消費者の価格に対する価値観を考えることが大切です。また、競合他社の製品と比較し、自社製品の価格を低く設定するのも戦略の一つと言えるでしょう。
ただし、価格競争では、単なる商品の安売りにならないように注意が必要です。他にも、ブランディングによる付加価値を付けて高価格帯の製品を展開させるなど、さまざまな視点から検討する方法があります。

・Place

Placeは、自社の製品をターゲットへ届けるために最適な流通経路(チャネル)、販売するエリアや店舗を決める要素です。店舗販売か通信販売か、複数の支店を持っている場合はどの店舗・エリアで販売するのかなど、ターゲットや製品のコンセプトに応じて考えることが大切です。

・Promotion

Promotionでは、ターゲットのニーズに応じてどのような販促方法や広告、営業でアプローチするのか、中長期的に戦略を固めていきます。
具体的な方法としては、パンフレットやブログをはじめとするオウンドメディアの活用、イベント・セミナー・展示会の実施、BtoB向けの製品であればアウトバウンドセールスなどが挙げられます。また最近では、SNSや動画配信によるインバウンドマーケティング、知名度向上を目的としたテレビCMの放映も人気です。どの企業においても費用や作業効率を考え、ターゲットへの訴求力が高く、費用対効果の高い方法を選ぶことがポイントとなるでしょう。

・5つ目のPは多岐にわたる

5P分析の最後のPにはさまざまな要素が含まれており、必ずしもこれでなければならないというルールはありません。とはいえ何でもよいわけではなく、自社のビジネスモデルや製品、ターゲットなどによって適切なPを判断する必要があります。代表的な例を挙げると、次のようなPが使われやすい傾向にあります。
●People(製品の開発・製造・販売にかかわる人々)
●Popularity(人気・大衆性)
●Process(製品の開発から販売にいたるまでの過程)
●Package(包装・デザイン)
●Profile(ターゲットの年齢・性別・職業・家族構成・ライフスタイルなど)
●Physical evidence(安全性に関する物的証拠)
場合によっては複数の要素を追加し、6Pや7Pで分析を行うこともあります。このように多角的な視点から戦略を考えられることが、5Pのメリットと言えるでしょう。

 

■パッケージデザインを考える際には5Pの分析が大切

上記のことからパッケージデザインを考える際は、5Pを分析することが大切です。ただし、パッケージデザインにおいて5P分析を行う場合は、以下で紹介するポイントに注意しましょう。

・パッケージデザインに5Pはなぜ大切?

マーケティング戦略においては、商品の見た目も顧客の購買意欲を誘う重要な要素です。その点5P分析なら、多角的な視点で製品や戦略の分析が行えるうえに、自社の事業方針に応じて分析項目をカスタマイズできるため、より詳細なパッケージデザインが作れます。ターゲットを惹きつけ、売上が多く見込める商品を作り上げるためにも、使いやすさやデザイン性に特化したパッケージを考えましょう。

・実行の際には矛盾点がないか確認する

5P分析を行う際は、すべての要素に一貫性・整合性をもたせることが大切です。5Pの中で1つでも矛盾点があれば、顧客のニーズを十分に満たす製品やサービスは作れません。
たとえば、「高級志向の商品であるにもかかわらず、パッケージが安っぽい」「低価格帯で勝負したいのに、包装にかかるコストが高い」といった場合、ProductやPrice、Packageそれぞれの要素間で矛盾が生じてしまいます。そのため、5Pの分析後はもちろん、分析中においても矛盾点がないか確認し、可能であれば相乗効果を生み出せるように策定していくことが肝心です。

・まずは顧客目線で考える

自社のビジネスモデルやサービスに基づいて行われる5P分析は、どうしても売り手目線の分析になりがちです。また、ターゲットに対して「このように感じてほしい」「こんな価値を届けたい」と考えても、実際の反応は流通してみないことにはわかりません。そのため、5P分析やマーケティング施策に取り組む際は、第一に顧客の目線で考えることが大切です。顧客の心理・行動を分析するフレームワーク分析、モニター調査や市場調査の実施も視野に入れ、状況によっては戦略の見直しも行うようにしましょう。

 

■まとめ

マーケティング戦略において有効なパッケージデザインを作るためには、5Pの分析が欠かせません。さまざまな視点から分析できる5P分析を行えば、より詳細かつ魅力的なパッケージデザインが作れるでしょう。パッケージデザインで悩んでしまった場合は、容器や包装を製造・販売する業者に相談してみることもおすすめします。

 

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