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2022年12月05日

【コラム】レトルトのパウチ食品にはどんなものがある?パウチ袋のメリットについても紹介

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普段よく口にするレトルト食品ですが、レトルト食品は2つの種類に分けられます。そのうちの1つであるパウチ食品とは、どのようなレトルト食品なのでしょうか。今回は、レトルトのパウチ食品について紹介します。

 

■レトルト食品の種類にはどんなものがある?

忙しいときの食事からおもてなし料理まで、さまざまな場面で活躍するレトルト食品ですが、その種類は大きく2つに分けられます。

・パウチ食品

パウチ食品とは、四方がシールされたパウチ袋にカレーやパスタソースなどの食品を詰め、加圧加熱殺菌したものです。また、パウチの形状にはカレーやパスタソースなどによく使われる平袋と、鍋つゆやコーヒー豆などに使われるスタンディングパウチ、透明フィルムを使った袋とアルミ箔を使った袋があります。
サイズ展開や種類も多く、近年ではレトルト食品の主流です。特に、スタンディングパウチは食品だけでなく、シャンプーや化粧品などの容器としても重宝されています。

・成型容器詰食品

トレー状の容器に詰めて、加圧加熱殺菌したものが成型容器詰食品です。スーパーやコンビニでよく見かける商品に、炊いた白米を成型容器に詰めたインスタントごはんがあります。
成型容器の種類は、中身が見える透明容器と外の光を遮断する不透明容器の2種類です。

・そもそもレトルト食品とはどんなもの?

レトルト食品(Retortable Pouched Foods)とは、レトルト殺菌が施されている食品のことです。レトルト(Retort)は、蒸留釜という意味の化学用語で、レトルト殺菌の際に使用される袋をレトルトパウチと言います。
売り出された頃のレトルト食品は、缶詰に代わる軍用携帯食として、1950年代にアメリカの陸軍が開発したものです。当時の軍用携帯食だった缶詰は、缶の重さや処理の面で問題を抱えていました。それらを改善するためにレトルト食品が開発されたと言われています。その後、1961~1972年にかけて実施されたアポロ計画で、レトルト食品が宇宙食として採用されたことにより、世界中の食品メーカーの注目を集めました。
日本では、1969年に大塚食品が世界初の一般向けレトルト食品として、「ボンカレー」を発売しています。発売当時の宣伝では、保存性の高さよりも調理の簡単さを前面に打ち出しており、インスタント食品として広く知られることになりました。

 

■パウチ袋のメリットとは

カレーや鍋つゆ、離乳食など、さまざまなレトルト食品の容器に適したパウチ袋にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

・耐熱性がある

レトルト食品に利用されるパウチ袋は耐熱性を備えているため、缶詰と同様にレトルト殺菌(130°C×30分)が可能です。
また、食品添加物などを使用していないことから、常温で長期間の保存に対応した食品を提供できます。
さらに、パウチ袋は缶詰より薄いので、殺菌のために熱を加える時間が短くなり、食品のもともとの栄養分や風味、色合いなども損なわれにくくなります。食べるときにあたためる時間が短くて済む点もメリットでしょう。

・酸素や水、光を遮断できる

パウチ袋は酸素や水、光を遮断し、密封性に優れています。
熱の力でパウチのフィルム同士を接着させるシール技術や、特殊な三層構造によって中身を酸素や水、光から守ってくれるため、長期間の保存が可能です。 食品はもちろん、酸素や空気と触れると劣化しやすい化粧品などの保存にも適しています。
パウチ袋の三層構造に使われる主な素材は、下記の通りです。

ベース基材
(袋の
1番外側)
● ペットフィルム
● 二軸延伸ナイロンフィルムなど
バリヤー材
(防湿性、酸素遮断性)
● アルミ箔
● レトルト用エチレン・ビニルアルコールフィルム
● ポリ塩化ビニリデンフィルムなど
シーラント材
(食品の接触面)
● レトルト用無延伸ポリプロピレンフィルム
● 耐熱性のある直鎖状低密度ポリエチレンフィルムなど

・非金属性

パウチ食品に使われるパウチ袋は非金属性です。
そのため、金属探知機の活用や電子レンジにも対応します。
電子レンジでは、原則として電磁波を反射してしまう金属や耐熱性のないプラスチックは使えません。
しかし、パウチ袋には耐熱性・遮光性のあるポリプロピレン素材を使用しているため、アルミを使わずに遮光でき、電子レンジでも使用できます。 手軽に電子レンジで温められるパウチ袋は、レトルト食品の容器に適していると言えるでしょう。

・パッケージプリントが可能

近年は印刷技術が進み、パウチ袋にデジタル印刷が施せるまでになりました。
さらに、強密着接着剤の開発されたことにより、これまでのレトルト用途に加え、電子レンジ加熱などにも対応しています。

 

■レトルトパウチ食品の種類にはどんなものがある?

レトルトパウチ食品は種類や生産量も多く、レトルト食品の主流です。ここでは、レトルトパウチ食品の種類と主な製品を紹介します。

・調理済食品

調理済食品とは食材を加工調理し、開封すればほとんどそのままの状態で食べられる食品のことです。
ただし、調味の必要はありませんが、食べる前に炒める・焼く・煮るなどの加熱処理や食材のカットが必要で、完全な調理済み食品はそれほど多くありません。

【代表的な製品】

カレー類・シチュー・パスタソース・スープ類・麻婆豆腐・かに玉・おでん・料理用ソース・炊き込みご飯の素

・食肉加工品

食肉加工品とは食肉を主原料とする加工品のことで、私たちの食生活に欠かせない食品です。
豚肉や牛肉を使用した加工品が多く、栄養素はたんぱく質やビタミンB群が豊富に含まれています。

【代表的な製品】

ハンバーグ・焼き鳥・ミートボール・ソーセージ・ハム・ベーコン・ローストビーフ・コンビーフ

・水産加工品

水産加工品は魚介類や海藻などの水産生物を加工したものです。
大きく直接食用となる製品と、その他の製品に分けられます。
直接食用となる製品は、練り製品や缶詰品、塩蔵品など、その他の製品は魚油や寒天などです。
魚介類は良質なタンパク質として高い価値がありますが、他の生鮮食品に比べて保存性が低い特性もあるため、加工によって貯蔵性を増加させることが重要とされています。

【代表的な製品】

ツナ・サバのみそ煮・かまぼこ・ちくわ・はんぺん・うなぎのかば焼き

・米飯でん粉食品

米飯でん粉食品とは食卓に欠かせない米類やパスタなどの加工品です。
炊いたお米や茹でたパスタは細菌が繁殖し傷みやすい傾向にありますが、パウチにすることで長期間の保存ができます。

【代表的な製品】

白米・チキンライス・赤飯・五目飯・牛めし・釜めし・おかゆ・餅・スパゲッティ

・その他食品

その他食品は調理済食品・食肉加工品・水産加工・米飯でん粉食品以外のレトルトパウチ食品です。

【代表的な製品】

ゆで小豆・稲荷ずしの素・ぜんざい・プリン・ナタデココなどのデザート類

 

■まとめ

レトルトのパウチ食品には調理済食品や食肉加工品、水産加工品などがあり、どれも食卓に欠かせない食品です。
耐熱性があり、酸素や水、光を遮断できるパウチ袋を使うからこそ、手軽に食べられて長期保存ができます。

 

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