【コラム】ガラス瓶は地球環境にやさしい? リサイクルの流れを解説
近年、地球環境を守るために企業はサスティナブルやエコを重視するようになりました。環境問題は日本だけでなく世界で問題視されており、消費者のエコへの関心も高まっています。
そこで今回は、環境にやさしいガラス瓶のリサイクルについて解説します。
天然素材から作られるガラスは、環境にやさしいイメージがありますが、実際リサイクルはどのように行われているのでしょうか。
以下では、ガラス瓶のリサイクル方法やリサイクルできるガラス瓶の種類、環境に与える影響などについて詳しく解説します。
ガラス瓶には2種類があり、「リターナブル瓶」と「ワンウェイ瓶」のそれぞれでリサイクル方法が異なります。
リターナブル瓶とは、回収後に瓶を洗浄・殺菌して、再度そのままガラス瓶として利用するタイプです。ゴミにならずに何度も繰り返し使用できるため、最も環境にやさしいガラス瓶と言われています。
一方でワンウェイ瓶とは、一度しか使われないガラス瓶です。
使用されたワンウェイ瓶は、一般ゴミと同じように不要品として出され、市町村によって回収されます。その後、再生処理事業者によって再商品化製品の原材料(カレット)にされ、さまざまな製品へと生まれ変わります。
すべてのガラス瓶がリサイクルできるわけではありません。
同じガラスでも耐熱ガラスや乳白色のガラス、電球、薬品が入っていたガラスなどはリサイクル不可です。
上記のようなガラス瓶が不要になった場合は、燃えないゴミや産業廃棄物として処分します。
リターナブル瓶は環境にやさしい一方で、ワンウェイ瓶は製造から廃棄にかかるまでのCO2発生量が多く、環境負荷が大きいガラス瓶です。
東京壜容器協同組合の「CO2の削減効果」によると、1日に1本の飲料容器をリターナブル瓶に変更すると、1本あたり約100gのCO2排出を削減できるということがわかります。
原料としてカレットが90%以上使われている「エコロジーボトル」は、高いリサイクル性を誇る環境にやさしいガラス瓶です。
エコロジーボトルを使用すると、ガラス瓶の主原料となる珪砂(けいしゃ)や石炭石、ソーダ灰のような天然資源を節約することができるだけでなく、燃料エネルギーを削減できます。
カレットの使用量が10%増加するごとに熱効率が約2.5%向上することもわかっており、温暖化対策に効果的です。
ガラス瓶は再度ガラス瓶として利用されるだけではありません。
不要なガラス瓶が回収されてカレット化された後、アスファルトや歩道にあるタイル、砂利、建築用断熱材など、さまざまなものに生まれ変わることもあります。
ガラス瓶を再利用するためには、消費者にしっかりと分別してからゴミを出してもらう必要があります。
理由としては、正しく回収されないと選別や異物の除去が難しくなり、最終的に埋め立てられる残渣(ざんさ)となってしまう可能性があるためです。
分別を促すために事業者は、消費者がわかりやすいようパッケージやラベルに分別方法を記載するなどの工夫を行いましょう。
ガラス瓶のリサイクルの流れは、ワンウェイ瓶かリターナブル瓶かによって異なります。
以下では、それぞれのリサイクルの流れについて詳しく解説します。
ワンウェイ瓶の場合は、まず各市町村で回収された後、「無色」「茶色」「その他の色」の3色に分別され、カレット工場へと引き渡されます。
カレット工場に運ばれたガラス瓶は細かく粉砕され、異物が除去された後に運ばれます。
カレットが溶解炉で溶かされた後に金型に入れられ、新しいガラス瓶が完成する流れです。
リターナル瓶の場合は、店舗や市町村などから回収された後、洗浄されてそのまま再度利用されます。ガラス瓶が割れない限り、返却と詰め替えが繰り返されます。
ガラス瓶と同様に、食品や飲料、化粧品などの容器として幅広く使用されている素材にプラスチックがあります。
以下では、ガラス瓶とプラスチック容器のメリットとデメリットを比較します。
ガラス瓶とプラスチック容器のどちらを使用するか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
以下では、ガラス瓶とプラスチック容器のメリットを紹介します。
ガラス瓶の主なメリットは、「半永久的にリサイクルが可能であること」と「有害物質の心配がないこと」です。
ガラス瓶は洗浄すると繰り返し使用できるため、ゴミとして出したり新しい容器を買い換えたりする手間を省けます。本来の使用用途で不要となった場合でも、ハーバリウムや花瓶、インテリアとして再利用することが可能です。
また、ガラス瓶は天然素材でできているため、健康に害がありません。小さい子どもや高齢の方でも、安心して使用できます。
プラスチック容器の主なメリットは、「製造コストが安いこと」と「軽量であること」です。
プラスチックはやわらかい素材であるため、成形がしやすく、複雑な形の容器でも大量生産ができます。加えて容器1個あたりの単価を抑えることが可能です。
また、プラスチックの重さはガラスの2分の1程度と軽く、持ち運びしやすい特徴があります。そのため、プラスチック容器は飲料や化粧品などの容器として、幅広く使用されています。
ガラス瓶とプラスチック容器のデメリットを紹介します。
ガラス瓶の主なデメリットは、「重さがあること」と「割れやすいこと」です。
ガラス瓶はプラスチックよりも重く、搬送の段階でCO2の排出量が多くなりやすい傾向にあります。
また、瓶は落としたりぶつけたりするとすぐに割れてしまうほど衝撃に弱いため、取り扱いには十分な注意が必要です。
プラスチック容器の主なデメリットは、「リサイクル性が低いこと」と「環境汚染の大きな一因であること」です。
ペットボトルを含むプラスチック製品の多くは、生分解性がありません。そのため、自然環境に永遠に残り続けてしまい、海洋プラスチック汚染などの原因となってしまっているのです。
・炭素の排出量
地球温暖化の原因にもなる炭素排出量は、プラスチック容器に比べてガラス瓶のほうが少なく、特に色付きのガラス瓶やリターナブル瓶は環境負荷が低い傾向にあります。
ガラス瓶はリターナブル瓶とワンウェイ瓶の2種類に分類でき、リターナブル瓶は最も環境にやさしいガラス瓶と言われています。 ワンウェイ瓶は使用後に細かく砕かれtて再びガラス瓶になったりアスファルトや砂利などに再利用されますが、耐熱ガラスや乳白色のガラス、電球、薬品が入っていたガラスなどはリサイクルできません。 さらに、ガラス瓶を再利用するためには、消費者にしっかりと分別してからゴミを出してもらう必要があるため、パッケージやラベルには分別方法を記載するようにしましょう。 斎藤容器では、さまざまな用途に合ったガラス瓶を豊富に取りそろえています。パッケージやボトルデザインにも対応しているので、ぜひ気軽にお問い合わせください。