【コラム】食品パッケージにはどんな種類がある?表記の文字や配色についても紹介
日常の生活でよく見かける食品には、さまざまな趣向を凝らしたパッケージがデザインされています。パッケージ一つで印象は大きく変わるため、情報が的確に伝わるように工夫しましょう。
今回は、食品パッケージについて、種類やポイントなどを解説します。最後には、斎藤容器で実際に提案した事例も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
まずは、食品パッケージに使われる種類について紹介します。食品によって適したものを使用できるように、どんなものがあるか把握しておきましょう。
・フィルム
フィルムの素材は、基本的にプラスチックでできています。開封しやすくて捨てやすいことから、使用頻度の高いパッケージと言えるでしょう。
近年は、環境に配慮して紙が使用されているものもありますが、なかには品質を維持するためにアルミを使うパッケージも珍しくありません。
・トレー
スーパーで並んでいる生鮮食品には、一般的にトレーが使われています。やわらかいお肉を盛り付けたり魚の切り身を並べたりする場合、丈夫なトレーを使用することで、見栄えよく陳列できるのが強みです。また、包装するのも簡単で、大がかりな機械を使用しません。バックヤードで作業できる点も、トレーを使用するメリットと言えるでしょう。
・化粧箱
商品をきれいに並べることで、見た目の高級感もプラスできるため、他の商品との差別化を図れます。やわらかく傷つきやすい食品に使われることもありますが、贈答用としての需要がほとんどです。透明な袋や容器と組み合わせることで、リーズナブルながらもデザイン性を演出できます。最近では、過剰な包装を避けるために資材を少なくする工夫もされています。
・瓶、缶
瓶はにおい移りがしないことや保存性の高さから、ジャムやドレッシングなどでよく使用されます。また、瓶はリターナブル容器として再び注目を集めている素材です。
自動販売機などでよく見かける缶は、長期保存が可能なため、缶詰としても広く利用されています。
・ペットボトル
主に飲料や調味料の容器として利用されていますが、一口にペットボトルといってもさまざまな種類があります。
● 耐圧ボトル
● 耐熱ボトル
● 非耐熱ボトル
製品の特性によって使い分けが可能です。ペットボトルはリサイクルも行われていることから、直接ボトルに印字することは少なく、シュリンクフィルムを巻き付けて販売されています。軽量で割れにくく、製品によって形も加工しやすいのが特徴です。
食品パッケージの使用には、守るべき義務があります。主な法律は、「食品表示法」「景品表示法」「容器包装リサイクル法」です。それらを踏まえたうえで、考えるべきポイントを見ていきましょう。
・食品に適したパッケージを選ぶ
食品パッケージは、デザインや情報を伝えるだけではありません。それぞれの食品に適したパッケージでおいしさを保ち、付加価値を与える役割もあります。
たとえば、お菓子のパッケージには個食サイズのパッケージなどが増えてきました。パッケージで食品を守りながら、消費者のニーズに合わせた包装がされています。ただし、あくまで価格や適性を考慮したうえで、中身に適しているか見極めて選ぶことが大切です。
・コンセプトに沿ったデザインを考える
消費者に伝えたい情報が、明確に打ち出されていることも重要と言えるでしょう。また、ターゲット層に合わせてデザインすることもポイントです。中身を入れて店頭に配列された際のイメージを膨らませ、それぞれの食品を活かせるデザインを考えましょう。アピールする方向性を定めるためにも、コンセプトを決めることをおすすめします。
・環境にも配慮する
近年、エコへの取り組みが活性化していることもあり、食品パッケージにも環境に配慮した素材が使われはじめています。従来のプラスチックから紙に変えたり、印刷に使うインクを環境に優しいボタニカルなものに変更したりしています。
環境改善の基準をクリアすることで、日本環境協会が実施する「エコマーク」などを商品に付けて販売できるため、企業のアピールにもつながります。
食品パッケージに使用するフォントには、指定があります。ここでは、文字について見ていきましょう。
・パッケージの表面におけるフォントの選び方
商品の「顔」でもある表面には、イメージを重視したデザインを選びましょう。フォント(書体)一つで、温かみや高級感などを演出できます。また、文字の色や画像との組み合わせ、全体のレイアウトなどによって、消費者に伝わるイメージは変化するでしょう。
・裏面食品表示で使用されるフォントの種類
裏面に記載する食品表示に、フォントの指定はありません。あくまで「統一のとれた大きさの活字」であれば問題ないとされています。ただし、以下の法律にはそれぞれルールが定められているため、規定に沿ったフォントの使用が必須です。
● JAS法
● 食品衛生法
● 健康増進法
・裏面の食品表示でのフォントの大きさ
フォントに指定はありませんが、大きさは「8ポイント以上」と定められています。消費者にとって見やすいことが前提で、行間や行長などは自由です。例外として、「容器又は包装の表示可能面積がおおむね150cm²以下」に該当するものは、「5.5ポイント以上」から認められています。
食品パッケージの配色によって、商品の味やイメージを表現するため、文字と合わせて整えていくことが大切です。
・季節感のある配色
日本は四季のある国です。その四季に合わせたイメージカラーで配色を変えると季節感を表現できます。季節のイメージカラーは、以下の通りです。
● 春:パステルカラー
● 夏:ビビッドカラー
● 秋:アースカラー
● 冬:クールカラー
・食べものや飲みものの味をイメージした配色
食品のイメージや季節と合わせて、味覚も色で表現してみましょう。味のイメージカラーは、以下の通りです。
● 甘味:お菓子やスイーツをイメージした優しいカラー
● 塩味:塩をイメージしやすいモノトーンカラー
● うま味:温かみのある暖色系のカラー
● 苦味・渋味:トーンが暗めのダークカラー
● 酸味:酸っぱさをイメージしたビタミンカラー
● 辛味:刺激や熱さをイメージした彩度の高いカラー
・雰囲気を表現した配色
全体のバランスを整えるためにも、色合いや組み合わせは大切にしましょう。雰囲気のイメージカラーは、以下の通りです。
● 和風:渋めのカラー
● 洋風:落ち着いたトーンのカラー
● 中華:はっきりとした色合いのカラー
● 高級感:重厚感のあるカラー
● セール:目を引くカラー
斎藤容器では、商品の特性やターゲット層、近年のユーザーの方向性を考慮したうえで最適なパッケージをご提案いたします。
たとえば、過去には地域の名産品をアピールする目的で作られた製品に対して、親しみがわくようにゆるキャラを使用したデザインを提案しました。全体的にポップなイメージにすることによって、ターゲット層が手に取りやすいデザインに仕上がっています。その他、あえて海外製品をイメージしたパターンや産地を全面に打ち出したパターンなどを作成しました。
今回は、生活の中で目にすることが多い食品パッケージについて紹介しました。食品によって使用する素材が異なる点や環境への配慮に至るまで、幅広い要素があります。
食品パッケージについてのご相談は、斎藤容器にお問い合わせください。