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2023年06月26日

【コラム】シュリンクフィルムのメリットはどんなものがある?包装パターン別の特徴も紹介

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シュリンクフィルムで商品を包装することには、いくつかのメリットがあります。商品をシュリンクフィルムで包装する際には、包装パターンについてもよく理解しておきましょう。

今回は、シュリンクフィルムのメリットや包装パターン、製造方法について紹介します。

 

 

■シュリンクフィルムのメリット

 

シュリンクフィルムは、熱収縮する特性をもったフィルムで、さまざまな商品を包装する際に使用されています。まずは、シュリンクフィルムのメリットを見ていきましょう。

 

・商品を保護できる

シュリンクフィルムは、商品を包むことで傷や汚れから保護できるメリットがあります。

また、商品の劣化や色あせ、異物混入や内容物の改ざんも防止できるため、安全性を高めたい場合にも効果的です。さらに、一度開封すると元の状態に戻せないことから、新品や未開封を証明する際にも役立ちます。

 

・意匠性を付与できる

シュリンクフィルムは、印刷加工ができるため、商品をPRする意匠性を付与できるメリットもあります。商品をシュリンクフィルムで包装する際は、消費者の目にとまりやすいデザインになるよう工夫するとよいでしょう。

また、透明感や光沢性にも優れており、さまざまな色を使った印刷加工が可能で、商品をより魅力的に見せることができます。表示面積を広くとれることから、医薬品などの注意書きに活用できる点もメリットの一つです。

 

・集積効率に優れている

シュリンクフィルムは、複数の製品をまとめて包装する際にも活躍します。大きさの異なるものも1つにまとめられるため、製品の集積効率が高まり、店頭に並べやすくなる点もメリットと言えるでしょう。

また、製品をまとめる際に箱やテープを用意する必要がないことから、資材コストも削減できます。

 

・生産効率に優れている

シュリンクフィルムは、容器に直接印刷する方法と比べて、ラベルのバリエーションを増やす対応が容易で、商品の生産数が少なくても生産効率に優れているメリットがあります。

また、パッケージのデザインを変更する際も容器を廃棄せず印刷加工できるため、期間限定商品やイベント用の商品など、商品の販売状況の変化にも柔軟な対応が可能です。

 

・環境への負荷が少ない

シュリンクフィルムは、開封しやすいものが多いうえに資源との分別も簡単なため、環境への負荷低減に貢献できます。

また、リサイクル原料で製造されたシュリンクフィルムを使用すれば、さらに環境負担を減らせるでしょう。シュリンクフィルムに使用されている主なリサイクル原料は、以下の通りです。

 

    オレフィン

    バイオマスプラスチック

 

オレフィンは、ポリエチレンやポリプロピレンなどの高分子化合物の総称で、汎用樹脂の中でも使用率の高いリサイクル原料です。

一方、バイオマスプラスチックはサトウキビやトウモロコシなどが原料で、石油性フィルムより二酸化炭素の排出量を抑えられるため循環型プラスチックとして広く活用されています。

 

 

■シュリンクフィルム包装のパターン

 

ここからは、シュリンクフィルム包装のパターンを解説します。各包装パターンに適した使用例も紹介するので、包装方法を検討する際の参考にしてください。

 

・L型シュリンク包装

L型シュリンク包装は、半分に折ったフィルムを使用して、3か所にシール加工を施した包装方法です。製品全体を包むため、異物混入や内容物の改ざんを防ぎ、傷や汚れから保護する効果もあります。

また、さまざまな製品に活用可能なL型シュリンク包装ですが、商品の角に合わせてフィルムを収縮させることから、主に以下の製品で使用されます。

 

   

    トリガーボトル

    ポンプボトル

    チューブボトル

 

・ピローシュリンク包装

ピローシュリンク包装は、枕の縫い目のようにH字型のシール加工を施して、製品全体を包む包装方法です。ラベルの表示面積を広くとれることから印刷加工がしやすく、商品の魅力をPRする場合にも重宝します。

また、異物混入や内容物の改ざんの防止、傷や汚れから保護する効果もあるため、以下の製品に使用されています。

 

    カップ麺

    紙パックの酒

    エアゾール製品

 

・ラベルシュリンク包装

ラベルシュリンク包装は蓋以外を包む包装方法で、傷や汚れから商品を保護するほか、印刷加工により商品の魅力をアピールできるメリットがあります。食品やガラス瓶、缶など、さまざまな製品の包装に活用されており、商品の顔となるラベル部分のデザイン性が追求されています。

また、デジタル印刷を利用すれば、少ない生産数の商品でもシュリンクフィルムの印刷加工が可能です。以下に該当する場合は、デジタル印刷の導入を検討してみるとよいでしょう。

 

    ラベルのバリエーションを増やしたい

    期間限定商品やイベント用の商品のラベルを印刷加工したい

 

また、ラベルシュリンク包装にミシン目を加工しておけば、分別する際に剥がしやすくなるでしょう。

 

・キャップシュリンク包装

キャップシュリンク包装は、蓋の部分だけを包む包装方法です。製品が新品または未開封であることを証明できたり、異物混入や内容物の改ざんを防いだりするメリットがあります。食品や生活用品など、品質の安全性を確保したい製品に活用されています。

 

・Rシールシュリンク包装

Rシールシュリンク包装は、容器の底以外を包む包装方法で、キャップシールとラベリングを同時に加工できる特徴があります。傷や汚れから商品を保護できるほか、包装面積が広く印刷加工も可能なため、商品の魅力をPRしやすい点もメリットと言えるでしょう。

また、複雑な形状の容器の包装にも対応可能で、さまざまな商品に使用されています。Rシールシュリンク包装の主な使用用途は、以下の通りです。

 

    食品

    生活用品

    チューブボトル

    ポンプボトル

    形状が複雑な容器

 

 

■シュリンクフィルムの製造方法

 

ここからは、シュリンクフィルムの製造方法を解説します。

 

・製造工程は2つある

シュリンクフィルムの製造工程は、以下の2つに分けられます。

 

    押出工程

    延伸工程

 

ここで、各製造工程を詳しく確認しましょう。

 

<押出工程>

押出工程の手順は、以下の通りです。

 

  1. 粒状の原料を加熱して溶かす
  2. 1をチューブの形状になるように押し出して成形する(インフレーション成形)
  3. 2を冷却する

 

押出機の中で溶かされた原料は、中心にエアーを吹き込むことでチューブ状に成形され押し出されます。押出工程で製造されたフィルムは、加熱してもほぼ収縮しない無延伸フィルムです。

 

<延伸工程>

延伸工程の手順は、以下の通りです。

 

  1. 無延伸フィルムを再加熱する
  2. 1を縦横に伸ばす
  3. 2を冷却する

 

フィルムは縦横に延伸させることで、強度や透明性が向上します。押出工程で成形されたフィルムを、縦あるいは横の1方向に伸ばしたものが1軸延伸フィルム、縦および横の2方向に伸ばしたものが2軸延伸フィルムです。

延伸工程で製造されたフィルムは、形状記憶の原理により加熱すると押出工程で成形された形状へ収縮するため、シュリンクフィルムとして使用されています。

 

 

■まとめ

シュリンクフィルムは、製品の異物混入や内容物の改ざんを防ぎ、傷や汚れから保護するメリットがあります。なかでも、Rシールシュリンク包装は形状が複雑な製品にも対応可能で、ラベルの表示面積を広くとれるため、効果的な商品PRが可能です。また、フィルムにミシン目を入れておくと、分別の際にフィルムを開封しやすいでしょう。

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