パウチ容器への充填のやり方は?種類別の特徴や導入課題を解説

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軽量で保存性に優れ、環境負荷も少ないパウチ容器は、食品から化粧品、日用品まで幅広い分野で急速に普及しています。しかし、「どのようにして中身を充填するのか?」「設備投資にはどの程度のコストがかかるのか?」といった疑問を持たれる企業も多いのではないでしょうか。パウチ容器への充填は、従来の瓶詰めやボトル充填とは大きく異なる技術と設備が必要で、導入には慎重な検討が欠かせません。

パウチには自立型、三方シール、スパウト付きなどさまざまな種類があり、それぞれ充填方法や必要な設備が異なります。また、液体、粉体、固形物など内容物の性状によっても最適な充填方式は変わるため、製品特性に応じた適切な選択が成功の鍵となります。さらに、既存の生産ラインからの切り替えでは、設備投資コスト、作業員の技術習得、品質管理体制の構築など、多面的な課題への対応が求められます。

本記事では、パウチ容器への充填方法を種類別に詳しく解説し、導入時の課題と解決策について実践的な観点からご紹介します。

パウチ容器とは?種類と特徴

パウチ容器とは、主にプラスチックやアルミ箔など、複数の素材を組み合わせて作られる、柔軟性のある袋状の容器のことです。その名前は、英語で「小袋」を意味する “pouch” に由来しています。

スタンディングパウチは底部にマチ(ガゼット)を設けることで自立可能な構造を持つパウチ容器です。平らな底面により陳列時の安定性に優れ、棚での収納効率が高く、消費者にとっても保管しやすい形状となっています。開封前は平面的に保管でき、内容物を充填すると自立するため、物流効率と店頭での視認性を両立できます。

食品分野では米や調味料、ペットフード、スナック菓子などの固形物から、液体調味料やドレッシングまで幅広く使用されています。化粧品業界でも詰め替え用シャンプーや洗剤で多用され、環境配慮とコスト削減を実現する容器として注目されています。

充填方法は上部開口からの垂直充填が一般的で、充填後にヒートシールにより密封します。マチ部分の設計により容量調整が可能で、50mlから5L以上まで幅広いサイズ展開ができる利点があります。

スパウトパウチは注ぎ口(スパウト)を装着したパウチ容器で、液体や粘性のある内容物の小分け使用に最適な形状です。キャップ付きのスパウトにより開封後の再密封が可能で、使い勝手の向上と保存性の確保を両立できます。スパウトの材質や形状により、細かな液量調整から一気注ぎまでさまざまな使用シーンに対応可能です。

飲料業界では果汁ジュースやゼリー飲料、調味料では液体だしやオイル、化粧品では洗剤の詰め替え用として広く採用されています。

充填方法は事前にスパウトを装着してから内容物を充填する方式と、充填後にスパウトを取り付ける方式があります。前者は充填効率がよく、後者は内容物の汚染リスクを低減できるメリットがあります。スパウトの種類も豊富で、ワンタッチ開閉、計量機能付き、子ども安全キャップなど、用途に応じた選択が可能です。

三方袋は三辺をヒートシールで密封し一辺を開口部とするシンプルな構造で、もっとも基本的なパウチ形状です。製造コストが安く、高速生産に適しているため、大量生産品に多用されています。四方袋は

食品分野では冷凍食品、乾燥食品、粉末調味料などに使用され、医薬品では錠剤やカプセルの包装に採用されています。三方袋は縦型充填機での連続生産が可能で、フィルムロールから成型・充填・シールまでを一貫して行えるため、生産効率が非常に高い特徴があります。

レトルトパウチは120℃程度の高温高圧殺菌処理に耐える多層フィルムを使用した容器で、常温での長期保存が可能な食品包装の主流となっています。アルミニウム箔を含む多層構造により、酸素や光線を完全に遮断し、内容物の品質劣化を防ぎます。ボイルパウチは100℃程度の湯煎殺菌に対応した仕様で、レトルトパウチより簡易な構造ながら一定の保存性を確保できます。

カレーやシチューなどのレトルト食品、魚の煮付けや肉料理などの調理済み食品で広く使用されています。充填方法は高温充填後に密封し、その後レトルト殺菌を行う方式が一般的です。パウチの形状設計により加熱時の内容物の循環を促進し、均一な殺菌効果を得ることができます。

近年では電子レンジ対応タイプも開発され、そのまま加熱調理可能な利便性により市場拡大が続いています。厚みのあるフィルム構成のためほかのパウチより材料費は高くなりますが、缶詰に比べて軽量で廃棄時の環境負荷が少ない利点があります。

パウチ容器への充填のやり方

パウチ容器への充填は、主に自動充填機を使用して行われます。手作業で行うことも可能ですが、大量生産や衛生管理が求められる場合は自動化が一般的です。

手動充填は、作業者が手作業でパウチに内容物を充填するもっとも基本的な方法です。漏斗やディスペンサーを使用してパウチ開口部から内容物を注入し、ハンドシーラーや卓上シール機でパウチの口を密封します。小ロット生産や試作段階、高付加価値商品の製造に適しており、初期投資を最小限に抑えて生産を開始できる利点があります。

ただし、作業効率が低く充填精度のばらつきが生じやすいため、品質管理には十分な注意が必要です。液体から粉体までさまざまな内容物に対応可能で、設備投資なしに多品種少量生産を実現できます。

半自動充填は、充填工程の一部を機械化し、作業者がパウチのセットや取り外しを行う方式です。定量充填機によって正確な充填量を確保し、自動シール機で一定品質の密封を実現します。作業者はパウチを機械にセットし、スタートボタンを押すだけで充填からシールまでが自動実行されます。

手動充填に比べて生産効率と品質安定性が大幅に向上し、中規模生産に最適です。設備投資は全自動に比べて抑制でき、製品の切り替えも比較的容易なため、多品種中量生産に適した充填方式となります。

全自動充填は、パウチの成型から充填、シール、カットまでを連続して行う高度に自動化された生産システムです。ロール状フィルムから製袋し、内容物を自動充填した後、ヒートシールで密封して製品を完成させます。縦型充填機や水平型充填機など、内容物の性状や生産量に応じた専用設備を使用します。

大量生産に威力を発揮し、人件費削減と品質の均一化を実現できますが、高額な設備投資と専門的なメンテナンスが必要です。生産能力は毎分数十個から数百個と非常に高く、食品や日用品の大規模製造ラインで広く採用されています。

パウチ容器導入でよくある5つの課題と解決策

パウチ容器の導入は、コスト削減や環境負荷低減といった多くのメリットがある一方で、特有の課題も存在します。ここでは、導入時によく直面する5つの課題と、その解決策を解説します。

パウチ材質と内容物の化学的相性により、品質劣化や異味異臭が発生する場合があります。油分の多い食品では酸化促進、酸性内容物では材質劣化、揮発性成分では香りの散逸などが起こりやすくなります。解決策として、内容物の特性に応じたバリア性フィルムの選択が重要です。

アルミ蒸着フィルムやナイロン系多層フィルムにより酸素・水蒸気の透過を防ぎ、エチレン酢酸ビニル層で密着性を向上させます。事前の相溶性テストや長期保存試験により、最適な材質の組み合わせを決定することで問題を回避できます。

充填時の液だれやシール部への内容物付着により、密封不良や外観不良が生じる問題です。特に粘性の高い内容物や粉体では、シール面の汚染により密封性が低下しやすくなります。

解決策として、充填ノズルの形状改良と充填速度の最適化を行います。シール前の清拭工程追加や、シール温度・圧力・時間の精密制御により品質安定化を図ります。また、内容物に適したパウチ設計により、シール余白を十分確保し、充填時の飛散を防止する構造的対策も効果的です。

小ロット生産では材料費や製版費の負担が大きく、経済性を確保できない問題があります。特にカスタムデザインのパウチでは最小発注数量の制約により、在庫リスクが増加します。

解決策として、汎用サイズの標準パウチを活用し、後付けラベルでブランド表現を行う方法があります。複数製品での材質共通化によりスケールメリットを創出し、段階的な生産量拡大に合わせて専用パウチへ移行する戦略も有効です。共同調達やOEM生産の活用により、初期投資を抑制しながら市場テストを実施できます。

パウチの曲面や変形により、印刷デザインが意図どおりに表現できない場合があります。特に写真や細かい文字はゆがみが生じやすく、ブランドイメージに影響を与える可能性があります。

解決策として、パウチの変形を考慮したデザイン設計を行います。重要な要素は変形の少ない中央部に配置し、周辺部では伸縮に強いパターンやグラデーションを使用します。デジタル印刷技術の活用により小ロットでも高品質な印刷が可能になり、試作段階での検証を経てデザインを最適化できます。

多層フィルム構造のパウチは分別が困難で、リサイクル性に課題があります。また、従来容器からの切り替えで環境負荷削減効果が不明確な場合もあります。

解決策として、単一材質パウチやバイオプラスチック製パウチの採用により、リサイクル性を向上させます。LCA(ライフサイクルアセスメント)による環境負荷の定量評価を実施し、CO2削減効果を数値で示すことで、消費者や取引先への訴求力を高めます。回収・リサイクルシステムへの参画により、循環型社会への貢献も可能になります。

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パウチ容器の導入は、軽量性や環境配慮といった多くのメリットをもたらす一方で、材質選択、充填方法、品質管理など専門的な検討が必要です。手動から全自動まで生産規模に応じた充填方式を選択し、内容物特性に最適化されたパウチ設計により、これらの課題を解決できます。導入時の課題を事前に把握し、段階的なアプローチで取り組むことが成功の鍵となります。

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