プラスチック容器に使われる素材の種類と特徴について紹介

コラム

プラスチックにはさまざまな素材があり、容器の用途によってどの素材が適しているかは異なります。内容物との相性が悪かった場合、変形や変色が起こる可能性もあるため、それぞれの特徴についてしっかりと把握しておきましょう。
今回は、プラスチック容器の素材の種類と特徴について紹介します。

■プラスチック容器の素材の種類と特徴

プラスチック容器に使われる主な素材の種類と特徴、メリットやデメリットを紹介します。

AS樹脂(SAN)

AS樹脂は、ポリスチレンの耐薬品性や耐熱性を改良した素材です。
成形しやすく、表面の傷に強い特徴を活かして美観を要求した製品に重宝されています。その他、ガラス繊維と組み合わせて「エンジニアリングプラスチック」として利用されることもあります。
AS樹脂はメリットが多く、内容物や使い方を間違えなければ使い勝手のよいプラスチックと言えるでしょう。

メリット●透明性が高い
●耐薬品性が高い
●耐熱温度が高い
●表面が傷つきにくい
●衝撃に強い
●加工や成形がしやすい
●リサイクルしやすい
デメリット●アルコールに長時間触れると不透明になる
●直射日光を長時間浴びると劣化する
●柑橘類の皮の精油分に弱い
●可燃性がある
主な用途●冷蔵庫内部成形品
●ピアノの鍵盤
●しょうゆ入れ・漬物容器
●ジューサー・ミキサー
●文具

塩化ビニール(PVC)

塩化ビニールは塩ビ、ビニールなどと呼ばれる素材です。
衣類やかばんなどのやわらかい製品の素材として使用される一方、強度や耐候性に優れるという特性から、ダクトやパイプなど硬質な製品にも使用されます。
このように、硬軟両方の形状をとれる優れた加工性から、ポリエチレン・ポリプロピレン・ポリスチレンと同じく、五大汎用樹脂に分類されるプラスチックです。

メリット● 価格が安価
● 軽い
● 耐薬品性が高い
● 耐水性・耐食性が高い
● 耐候性が高い
● 酸やアルカリに強い
● 通常の使用環境下での耐久性が高い
● 難燃性が高い
● 電気絶縁性が高い
デメリット● 塩素を多く含むため、ダイオキシン類の主要発生源とされている
● 耐熱性が低い
● 衝撃に弱い
● ポリエチレンテレフタレートと比べると透明性が低い
主な用途● かばん
● 靴
● 消しゴム
● ホース
● 食品・シャンプーなどの容器

高密度ポリエチレン(HDPE)

高密度ポリエチレンは低密度ポリエチレンと比べると剛性が高く硬いことから、硬質ポリエチレンとも呼ばれています。
不透明のため、フィルムにしても白濁色をしているのが特徴です。
引っ張り強度や耐衝撃性も優れ、強度があることからスーパーのレジ袋としてよく使われます。

メリット● 低密度ポリエチレンより価格が安価
● 耐寒性が高い
● 耐水性が高い
● 衝撃に強い
● 電気絶縁性が高い
● フィルムはガスバリア性・防湿性が高い
デメリット● 透明にはならない
● 耐候性が低い
● 成形収縮率が大きいため、外観不良が出やすい
● ガスバリア性が低い
主な用途● レジ袋
● レジャーシート
● 食品保存容器
● 文房具
● 灯油やガソリンのタンク

低密度ポリエチレン(LDPE)

最近は容器にかけるコストで悩む企業も増えています。過剰包装が社会問題となり、適正包装規則を設けている地域も珍しくありません。そのため、規制を厳守した容器を使用しなければならないのです。
また、消費者受けを意識してデザインにこだわりすぎた結果、費用対効果が見合わないという事例もあります。プラスチック容器を制作する場合は、実際の売上を予測したうえで素材やデザインなどの妥協点を探ることが重要です。

メリット● 加工性に優れている
● 耐寒性が高い
● 複雑なデザインでも印刷しやすい
● 無味無臭
● 耐薬品性が高い
● 耐水性・防湿性が高い
● 電気絶縁性が高い
● 衝撃に強い
デメリット● HDPEに比べて耐熱性が低い
● コストは高くなる傾向にある
● 紫外線や熱にさらされていると劣化する
主な用途● 食品ラップフィルム
● ラミネート材
● 透明のポリ袋・包装材
● 気泡緩衝材
● 電線やケーブルの被覆材
● 衛生手袋

ポリプロピレン(PP)

ポリプロピレンは非常に軽いことから、お菓子などパッケージデザインの素材としてなじみ深い素材です。
加えて汎用性の高さが特徴でもあり、ポリプロピレンの生産量は、合成樹脂の中ではポリエチレンに次ぐ第2位とされています。
また、燃やしても有毒ガスが発生せず、環境に優しいのも特徴の一つです。

メリット● 安価で大量生産しやすい
● 耐熱温度が比較的高い(100°Cでも変形しない)
● 軽い
● 表面は硬く、傷がつきにくい
● 加工性に優れている
● 耐薬品性が高い
● リサイクルしやすい
● 燃やしても有毒ガスが発生しない
デメリット● アルコールに長時間触れると不透明になる
● 直射日光を長時間浴びると劣化する
● 柑橘類の皮の精油分に弱い
● 可燃性がある
主な用途● お菓子などのパッケージ・包装容器
● CD・DVDケース
● 雑貨類
● コップ・ストロー・哺乳器具
● 注射器のシリンジ

ポリスチレン(PS)

ポリスチレンは熱で溶けるタイプの「熱可塑性樹脂」に分類されます。
熱可塑性樹脂の中では最も安価でありながら加工性にも優れているため、大量に物量を要する生活用品に最適です。
一般的なポリスチレンと、発泡成形によって作り出される発泡ポリスチレン、ポリスチレンにゴムを配合した耐衝撃性ポリスチレンがあります。

メリット● 価格が安価
● 透明度が高い
● 電気絶縁性が高い
● 軽量
● 接着・塗装・着色がしやすい
● 成形時の寸法安定性に優れている
● 耐候性に優れている
● 無臭
デメリット● 耐熱性が低い(耐熱温度は60~80°C)
● 衝撃に弱い
● 耐油性が低い
● 耐薬性が低い
主な用途● ヨーグルトやカップラーメンなど食品用の容器
● メーターカバー・ランプレンズ

ポリエステル(PET)

ポリエチレンテレフタレートは生産量が最も多く、コンビニや自動販売機など多岐にわたる場所で売られているペットボトルに使用される素材です。
他にも、ペットボトルのイメージとは離れますが、衣類や毛布としてなじみ深いフリースにも使用されています。
また、製法によって強度が変わるのが特徴で、延伸ブロー成形であれば強度が強く、ダイレクトブロー成型なら弱くなります。

メリット● 耐寒性が高い
● 透明性が高い
● 電気絶縁性が高い
● 燃やしても有毒ガスが発生しない
● リサイクルが普及している
デメリット● ポリエチレンテレフタレート単体ではもろい
● 耐酸性が低い
● 耐熱性が低い
● 耐薬品性が低い
主な用途● ペットボトル
● 卵の容器
● フィルム
● 繊維素材

■斎藤容器のおすすめのプラスチック容器

斎藤容器のおすすめのプラスチック容器を2つ紹介します。

ピュアケース(S)

ラベルは容器と同様に商品の第一印象を決める重要な要素です。高いデザイン性はもちろん、消費者にどんな商品なのかをダイレクトに伝えることが求められます。

容量(ml)/OF40
重量(g)9.5
幅・直径(mm)22×49
高さ(mm)65
キャップ専用
入数500
材質/色AS/トーメイ

MT-500

「MT-500」は、 ポリスチレンを使用した蓋付きのプラスチック容器です。
小物の仕分けにちょうどよいサイズなので、文房具やメイク用品、ちょっとしたお菓子などを入れるのに適しています。使い終わった容器はデスクやキッチンで小物入れとして再利用できます。

容量(ml)/OF500
重量(g)63
幅・直径(mm)94
高さ(mm)98
キャップメタルフタネジ
入数175(キャップ300)
材質/色PS/トーメイ

※商品のスペックの寸法・入数は本体の値でキャップは含みません。
※商品スペックはコラム掲載時の値です。商品の規格・仕様は予告なく変更されることがあります。
※OF(オーバーフロー):容器の口元まで水を入れた満容量のことです。

■まとめ

プラスチックにはさまざまな種類や素材があります。特徴を理解し、用途や内容物に合ったプラスチック容器を使用しましょう。
株式会社斎藤容器では、さまざまな種類のプラスチック容器を取り扱っています。プラスチック容器をお探しの方は、ぜひ株式会社斎藤容器へお問い合わせください。

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