アルコールスプレーに適している容器はどれ?選び方とおすすめ容器を解説

コラム

最近はアルコール消毒の頻度が増え、事業や店舗以外に家庭でも一般的に使われるようになりました。しかし、アルコールの成分を考えるとアルコールスプレーの容器は、安全性が高い容器でなくてはなりません。そこで今回は、アルコールスプレーに適している容器についてご紹介します。

■アルコール類を保管するためのスプレー容器の素材について

アルコールを保存できるスプレー容器の素材

一般的なスプレー容器の素材には、以下のものがあります。
●PE(ポリエチレン)
●PP(ポリプロピレン)
●PVC(ポリ塩化ビニール)
●PET(ポリエチレンテレフタレート)
●PS(ポリスチレン)

上記の中でアルコールの保存に適しているのは、PE(ポリエチレン)とPP(ポリプロピレン)、PVC(ポリ塩化ビニール)のスプレー容器です。 PEには高密度ポリエチレン(HDPE)と低密度ポリエチレン(LDPE)があり、アルコールの保存が可能なのはHDPEから作られたスプレー容器のほうです。HDPEで作られたスプレー容器の中には、アルコールの濃度が99.9%まで対応できる製品もあります。 PVC(ポリ塩化ビニール)については、軟質PVCではなく硬質PVCのスプレー容器であればアルコールの保存が可能です。 ペットボトルの素材であるPET(ポリエチレンテレフタレート)のスプレー容器は、「アルコール消毒液OK」などと記載されているものもありますが、PEやPPほどアルコール耐性は高くありません。消毒液のような高濃度アルコールを入れるとひび割れたり溶けたりして、中のアルコールが漏れ出てしまう可能性があります。 また、PS(ポリスチレン)もアルコールを長期間入れたままにすると中身が変性してしまうため、使用は避けましょう。

▼スプレー容器の素材とアルコール対応の可否一覧

素材略称アルコール対応
ポリエチレンPE
ポリエチレン(高密度)HDPE
ポリエチレン(低密度)LDPE×
ポリプロピレンPP
ポリ塩化ビニール(硬質)PVC
ポリ塩化ビニール(軟質)PVC×
ポリエチレンテレフタレートPET×
ポリスチレンPS×

材質表示がないものは使用を控える

アルコールを安全に保存するためには、容器の材質表示を確認することが大切です。材質表示がなく、素材が確認できない容器の場合、アルコールの保存用に使うのは控えたほうがよいでしょう。 素材が確認できないスプレー容器でアルコールを保存すると、素材によってはアルコールが化学反応を起こして純粋なアルコールではなくなる可能性があります。また、「溶ける」「ひび割れ」「変色」などの問題が起きる可能性もあるためです。 アルコールを保存するスプレー容器を選ぶ際は必ず材質表示を確認し、対応可能な素材で作られているものを選びましょう。 また、アルコールに対応可能なPPやPEのスプレー容器であっても、アルコールの保存に使用できない場合があります。これは、100均ショップで購入できるスプレー容器などに多いです。材質表示とともに、「アルコール使用OK」などの記載も確認することが大切です。

高濃度アルコールの対応には注意が必要

遮光性

アルコールを保存するなら、非透明・遮光性タイプの容器がおすすめです。アルコールの中には、紫外線に当たることで有効成分が分解されてしまうものがあります。非透明・遮光性タイプの容器であれば紫外線を通しにくいため、アルコールの変性を防ぐことが可能です。
ただし、非透明・遮光性タイプの容器であっても、できる限り暗所で保管するようにしましょう。

密封性

アルコールは揮発性が高い(=蒸発しやすい)ため、保存用には密封性が高い容器を選びましょう。購入前に、「キャップ部分がしっかり閉まるか」「スプレータイプの場合は出口に開閉の切り替えがついているか」など、密封性を確認することが大切です。

ヘッドノズルの性能

ヘッドノズルの性能も、アルコールの保存容器を選ぶ際の重要なポイントです。なかには「霧状に噴射しない」「すぐに詰まってしまう」など、粗悪品もあります。うまく噴射できずにストレスが溜まるということがないよう、事前に確認しておきましょう。
細かい霧が均一に噴射されるかどうかや、横向き・逆さ向きでも噴射可能かどうかなどは押さえておきたいポイントです。

ストローノズルの長さ

スプレー容器の場合、ストローノズルの長さにも注意が必要です。ストローの先がきちんと底に付いていれば問題ありません。しかし、ストローの長さが足りない場合は、アルコールが少なくなるにつれて噴射しにくくなる可能性があります。

■消毒用アルコールスプレーを使用する際の注意点

火気の近くでは使用しない

消毒用アルコールは、蒸発すると「可燃性蒸気」に変化します。火気の近くで使用すると引火する可能性があるため、注意が必要です。特にアルコールスプレーは噴射範囲が広いため、周りにたばこやコンロの火などの火気がないか確認してから使用しましょう。

詰め替えの際には換気をする

消毒用アルコールを詰め替える際にも可燃性蒸気が発生する恐れがあるため、注意が必要です。可燃性蒸気は空気より重いため、低い所に滞留しやすいという特性があります。詰め替えを行う際は通気性のよい場所で行い、常に換気しながら可燃性蒸気を滞留させないように注意しましょう。

直射日光が当たらない場所で保存する

消毒用アルコールに直射日光が当たり続けると、熱せられて可燃性蒸気が発生する可能性があります。消毒用アルコールが入った容器を保管する際は、直射日光を避けて冷暗所で保管するようにしましょう。

■斎藤容器おすすめのスプレー容器

SS-500S

ポリエチレンが素材の、一般的なスプレーボトルです。

容量(ml)/OF550
重量(g)45.5
幅・直径(mm)73
高さ(mm)178
キャップT-95
材質/色※112(受注生産品)
用途PE/白

PH-60

プッシュタイプ・透明のスプレー容器です。小型で携帯用に向いています。

容量(ml)/OF71
重量(g)10
幅・直径(mm)36
高さ(mm)93
キャップフィンガースプレー
材質/色900
用途PE/ナチュラル

750GY角N

シャワーポンプ式の容器で、ノズルが長いのが特徴です。容量が比較的大きいため、据え置き型の消毒用容器に向いています。

容量(ml)/OF 
重量(g)30.5
幅・直径(mm)67.5×85
高さ(mm)172
キャップシャワーポンプ
入数92
材質/色PE/ナチュラル

※商品のスペックの寸法・入数は本体の値でキャップは含みません。
※商品スペックはコラム掲載時の値です。商品の規格・仕様は予告なく変更されることがあります。
※OF(オーバーフロー):容器の口元まで水を入れた満容量のことです。
※NET(ネット):正味容量のことです。

■まとめ

コロナウイルス対策で、アルコールをスプレー容器に入れて保存する機会は増えています。アルコール用のスプレー容器は、必ずPE(ポリエチレン)、HDPE(高密度ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、硬質PVC(ポリ塩化ビニール)などから作られたものを選びましょう。
また、これらのアルコール対応可能な素材の容器であっても、高濃度アルコールの保存には適さないこともあります。特に店舗などの事業所で使用する場合は、市販の容器ではなく専門業者の容器を使用するほうが安全だと言えます。

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