業務用加工食品の表示事項とは?特例なども詳しく解説Vol.1

コラム

加工食品はさまざまなシーンで活用されていますが、表示事項には規則が設けられているため、事前によく確認しておくことが大切です。万が一、不備があると大きなトラブルにつながりかねません。

今回は、業務用加工食品にスポットを当てて紹介します。これから業務用加工食品を手がけたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

■業務用加工食品の表示事項

まずは、業務用加工食品がどのようなものかという解説を含め、表示事項について紹介していきます。

加工食品は主に2つに分けられる

加工食品は、主に「一般用加工食品」と「業務用加工食品」の2つに分類されます。以下でそれぞれ見ていきましょう。

<一般用加工食品>

一般用加工食品とは、加工された食品のうち業務用加工食品以外のものです。一般消費者に販売するための容器包装がされています。

<業務用加工食品>

業務用加工食品とは、加工された食品のうち一般消費者向けに販売される形態となっていないものを指します。

義務表示事項

加工食品の種類について説明しましたが、それぞれ記載が求められる義務表示事項の内容も異なるため、注意が必要です。

一般用加工食品の義務表示事項は、主に「食品表示基準」第3条第1項および第2項、第4条、別表第19で規定されています。

一方、業務用加工食品の義務表示事項は第10条に定められており、原則として第3条と第4条に従って表示する必要があります。この場合、別表第4に掲載されている個別の食品に関する表示方法は適用されません。

表示項目と内容

実際に、一般用加工食品と業務用加工食品で義務付けられている表示項目と内容については、下記の表を参考にしてください。

項目表示内容一般用業務用
名称加工食品の内容を表す一般的な名称。商品名ではない。
保存方法「要冷蔵(10°C以下)」など、食品の特性に従って表示する。ただし、「常温で保存」は省略可。
期限表示品質の劣化が早いものは「消費期限」で記載し、その他の食品は「賞味期限」を年月日で記載する。
原材料名使用した原材料を、重量の割合が高いものから順に表示する。複合原材料は、原材料名の後にカッコを付けて記載する。
添加物使用した添加物を、重量の割合が高いものから順に表示する。事項欄を設けず原材料名の欄に記載する場合は、記号などで明確に区分する必要がある。
内容量重量や体積、数量について、g、ml、個数などの単位を明示して記載する。
栄養成分の量・熱量栄養成分の量および熱量を、一食分の量などの一定単位で記載する。
食品関連事業者表示内容に責任をもつ食品関連事業者の氏名、または名称と住所を記載する。
製造所製造所、または加工所の所在地、製造者または加工者の氏名や名称を表示する。「食品関連事業者」と「製造所」が同一の場合には、「製造者」・「加工者」・「輸入者」のいずれかで、氏名または名称と、所在地を記載する。
アレルゲン特定原材料を含んだ加工食品・添加物の場合、アレルゲンを含む旨を個別表示する。
L-フェニルアラニン化合物を含む旨アスパルテームを含む食品の場合、L-フェニルアラニン化合物を含む旨の表示をする。
乳児用規格適用食品である旨食品衛生法で規定された乳児用規格適用食品の場合、「乳児用規格適用食品」の文字またはその旨を表示する。
原料原産地名原産国名国内で製造したすべての加工食品に対して、使用した原材料の重量の割合が最も高い原産地名を記載する。
原産国名輸入品には、原産国名を表示する。

【例】

名称   焼菓子
原材料名 小麦粉(国内製造)、砂糖、バター、卵、食塩
添加物  乳化剤(大豆由来)、香料、カラメル色素、膨張剤
内容量  2個
賞味期限 2024年3月6日
保存方法 直射日光、高温多湿を避けてください
製造者  株式会社〇〇製菓 大阪府〇〇市〇〇12-3

<添加物の場合>

項目表示内容一般用業務用
名称添加物の内容を表す一般的な名称。一括名や簡略名は使用できない。
添加物である旨「食品添加物」の文字表記をする。
保存方法添加物の特性に従って表示する。
期限表示「要冷蔵(10°C以下)」など、食品の特性に従って表示する。ただし、「常温で保存」は省略可。
内容量品質の劣化が早いものは「消費期限」で記載し、その他の食品は「賞味期限」を年月日で記載する。
栄養成分の量・熱量使用した原材料を、重量の割合が高いものから順に表示する。複合原材料は、原材料名の後にカッコを付けて記載する。
食品関連事業者使用した添加物を、重量の割合が高いものから順に表示する。事項欄を設けず原材料名の欄に記載する場合は、記号などで明確に区分する必要がある。
製造所重量や体積、数量について、g、ml、個数などの単位を明示して記載する。
アレルゲン栄養成分の量および熱量を、一食分の量などの一定単位で記載する。
使用方法表示内容に責任をもつ食品関連事業者の氏名、または名称と住所を記載する。
添加物の値製造所、または加工所の所在地、製造者または加工者の氏名や名称を表示する。「食品関連事業者」と「製造所」が同一の場合には、「製造者」・「加工者」・「輸入者」のいずれかで、氏名または名称と、所在地を記載する。
成分・重量パーセント特定原材料を含んだ加工食品・添加物の場合、アレルゲンを含む旨を個別表示する。
実効の色名アスパルテームを含む食品の場合、L-フェニルアラニン化合物を含む旨の表示をする。
L-フェニルアラニン化合物を含む旨食品衛生法で規定された乳児用規格適用食品の場合、「乳児用規格適用食品」の文字またはその旨を表示する。
ビタミンAとしての重量パーセント国内で製造したすべての加工食品に対して、使用した原材料の重量の割合が最も高い原産地名を記載する。

即席めん類や食肉、乳製品など一部の食品については食品ごとに表示事項が設けられている項目もあります。

そのため、必ず詳細は食品表示基準第10条を確認してください。

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