OEMとODMの違いとは?OEMでの容器選びについても解説

コラム

OEMとODMは、どちらも製造を委託できるサービスです。大きな違いとしては、開発の段階まで委託できるかどうかが挙げられます。

今回は、OEMとODMのそれぞれメリットとデメリットを紹介します。

■OEMとは

製造を委託するサービスを選ぶ際には、それぞれの特徴について知ることが大切です。

まずは、OEMとは何か詳しく解説します。

OEMの特徴

OEMとは、Original Equipment Manufacturingの略称で、他社ブランドの製品を製造するサービスです。受託者は、委託者から受け取った設計書や組立図通りに製品を製造します。製品の開発・設計は委託者が担当しており、場合によっては受託者への技術指導も行います。

OEMの委託者側のメリット

●    生産能力不足を補える

●    製品開発に注力できる

●    製造にかかわる設備投資・人材確保が不要になるため、コストを削減できる

●    製造部門がない業種でも自社ブランドを作れる

OEMの委託者側は、製造設備やノウハウがなくても自社ブランド品を製造でき、自社製造よりもコストを大幅にカットできます。

さらには、製造に関する業務以外に注力できる点も委託者側の大きなメリットです。

OEMの受託者側のメリット

●    一定の売上を確保できる

●    他社ブランドの力を借りて売上を伸ばせる

●    生産余力を活用できる

●    生産技術の向上につながる

OEMの受託者側は、自社ブランドの製造販売をしなくても、一定の売上を確保できることが一番のメリットです。

有名ブランドなどの他社製品の生産実績は、営業先の新規開拓にも役立つでしょう。

OEMの委託者側のデメリット

●    受託者が競合となり得る可能性もある

●    生産能力のある受託者が類似商品をリリースする可能性もある

●    自社の生産技術が低下する

OEMの委託者側のデメリットは、受託者に生産ノウハウが渡ることによって、受託者が競合になる恐れのある点です。

委託する際は、信頼できるOEMサービス業者を選び、秘密保持契約で取り決めをしておきましょう。

OEMの受託者側のデメリット

●    自社ブランドがある場合、他社ブランドに認知を奪われる

●    利益率が悪い

OEMの受託者側は、他社ブランドの生産量が大きくなるため、相対的に自社サービスの認知度が下がるかもしれません。

また、他社製品の製造のみを請け負うことから、売上・利益ともに低くなるのもデメリットです。

■ODMとは

ODMは製造の委託について考える際に、OEMとともに検討されるサービスです。

以下では、ODMとは何かについて詳しく解説します。

ODMの特徴

 

ODMとは、Original Design Manufacturingの略称で、他社ブランド製品の開発から設計、製造までを行うサービスです。

事業者は、委託者の要求に応じて製品の開発から製造までを行うため、委託者は製品開発のノウハウや技術がなくても自社ブランド品を作れます。なかには、マーケティングや販売まで受託者が行うケースも少なくありません。

ODMの委託者側のメリット

●    製品生産にかかわるトータルコストを抑えられる

●    生産ノウハウや技術をもたずに自社ブランドを作れる

●    製品開発・製造部門が不要で、マーケティングや販売に注力できる

ODMの委託者側は、開発ノウハウや生産技術、設備がまったく必要ないことが一番のメリットです。

自社での製造やOEMよりも低コストで自社ブランド品を生産でき、その分の人材や資金を広告宣伝や販売・営業に割けるため、市場シェアを拡大したい企業におすすめなサービスと言えるでしょう。

ODMの受託者側のメリット

●    自社で開発を行なった製品や部材を委託者側に供給することで大量生産でき、製品製造にかかるコストを削減できる

●    人材や生産技術を有効活用できる

●    業務を平準化できる

ODMの受託者側は、委託者に対して製品を供給することで、自社で培った生産技術やノウハウを有効活用できるだけでなく、大量生産することで製品1つあたりの製造コストを抑えられます。

十分な企画・開発能力がある企業は、製品の企画・設計から製造までを担うODMサービスを行うのがおすすめです。

ODMの委託者側のデメリット

●    自社の生産技術が低下する可能性もある

●    製品の品質や価格をコントロールするのが難しい

●    企画・開発や製造に関するノウハウを蓄積できない

●    自社で企画・開発を行う競合に比べ、競争力が低下する

ODMの委託者側は、製品の設計から製造に至るまでを任せるため、自社で行う場合に比べて競争力が低くなります。

たとえば、類似商品や競合の製品品質が向上した場合、ODM委託者は間に受託者を挟んでいるため、迅速な対応ができません。結果、競争力が弱まり、競合に負けてしまう可能性があるのです。

ODMの受託者側のデメリット

●    他社ブランド頼りになり、自社ブランドの認知が遅れる

●    利益率が低くなる

●    場合によっては製品クレームの責任を負うことになる

ODMの受託者側は、OEM同様、他社の有名ブランドの力に頼りがちであることから、自社ブランドを認知してもらうまでに時間がかかることがあります。

またデメリットとして、製品クレームが入った際に、委託者と受託者のどちらが責任を負うのかの線引きも難しいでしょう。

さらに不良品などの発覚があった場合、受託者側の責任が重くなりやすく、製品の回収・廃棄費用、再製造の負担を負わなければならない可能性があります。

■OEMで製造を委託する場合の容器選びについて

OEMで製造を委託する際の容器選びについて、OEMメーカーに依頼する場合と自社で調達する場合の違いについて詳しく解説します。

OEMメーカーに容器選びをお願いするとどうなる?

OEMメーカーに容器選びを依頼すると、どのようなメリットデメリットがあるのか紹介します。

<OEMメーカーにお願いするメリット>

●    在庫を抱えるリスクがない

●    OEMメーカーがもともと仕入れている容器であれば、コストを抑えられる

OEMメーカーに依頼する一番のメリットは、容器の在庫を抱えるリスクがない点です。

また、OEMメーカーが自社製品を販売している場合、同じ容器を発注することで、他の容器よりも安く抑えられます。

<OEMメーカーにお願いするデメリット>

●    容器への色付けや印刷など、小ロットでは対応できない場合がある

●    他社製品と差別化しにくい

メーカーにもよりますが、1,000個以下で容器を発注する場合、色付けや印刷ができないことがあります。また、OEMメーカーに依頼すると容器が似通ってしまうため、他社との差別化が難しくなるかもしれません。

容器を自社で調達するメリット

●    オリジナル容器を作成できる

●    製品コンセプトに適した容器を選べる

コンセプトに合わせて容器までこだわりたい場合は、自社で容器を調達するのがおすすめです。自社で調達する場合、容器メーカーの商品群から選ぶほか、オーダーメイドで自社製品の購買層や販売戦略に合わせた容器を作成できます。

一方、OEMメーカーに依頼した場合は、イメージ通りの容器が選ばれるとは限りません。

■まとめ

OEMが製造を委託できるのに対し、ODMは製品設計から製造までを依頼できるサービスです。

委託する範囲に違いはありますが、メリットやデメリットでは共通する部分もあります。

容器を自社で調達する場合も含めてそれぞれのメリットとデメリットを考慮して、自社に合ったサービスを選びましょう。

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