シュリンクフィルムとはどんなもの?形状や素材について紹介

コラム

シュリンクフィルムとは、主に包装用に使われるフィルムのことです。シュリンクフィルムは、形状や素材によって種類が異なります。今回は、シュリンクフィルムについて紹介します。

■シュリンクフィルムについて

まずは、シュリンクフィルムとはどのようなものか解説します。

シュリンクフィルムとは?

シュリンクフィルムとは、容器の形状に合わせた包装が可能な熱収縮する素材のことです。製品全体を包むものや一部を包むものなど、包装方法の種類も多岐にわたります。また、シュリンクフィルムで製品を包装すると、以下のメリットもあります。

●    表面に印刷加工できる

●    傷や汚れから製品を保護する

●    未開封・新品を証明できる

●    製品の劣化や色あせを防ぐ

●    複数の製品をまとめられる

シュリンクフィルムが包装に使われるようになった背景

シュリンクフィルムは、もともと工業用の絶縁皮膜に使われていましたが、食品に異物や毒物が混入する事件が発生したのをきっかけに、包装用としても活用されるようになりました。現在使われているシュリンクフィルム包装の使用例は、以下の通りです。

●    ペットボトル

●    ガラス瓶

●    書籍

●    CD・DVD

●    スポーツ用品

●    PET樹脂

シュリンクフィルムの種類

ここからは、シュリンクフィルムの種類を包装方法別に解説します。

【製品全体を包む包装方法】

シュリンクフィルムで製品全体を包む包装方法の種類は、以下の通りです。

<L型シュリンク>

l   製品の角に合わせて包装する

l   さまざまな製品の包装に対応できる

使用用途:箱・トリガーボトル・ポンプボトル・チューブボトル

<ピローシュリンク>

l   枕の縫い目のようにシール加工を施して包装する

l   印刷加工しやすい

l   ラベルの表示面積を広くとれるため、製品の魅力をPRしやすい

使用用途:カップ麺・紙パックの酒

【容器の一部を包む包装方法】

シュリンクフィルムで製品の一部を包む包装方法の種類は、以下の通りです。

ラベルシュリンク

l   キャップ以外の部分を包装する

l   ラベルの表示面積を広くとれるため、製品の魅力をPRしやすい

l   傷や汚れから製品を保護する

使用用途:食品・生活用品・ガラス瓶・缶・ペットボトル

<キャップシュリンク>

l   キャップ部分を包装する

l   未開封・新品を証明できる

l   内容物の改ざんを防ぐ

使用用途:食品・生活用品・ガラス瓶・ペットボトル

<Rシールシュリンク>

l   製品の底以外の部分を包装する

l   ラベルの表示面積を広くとれるため、製品の魅力をPRしやすい

l   傷や汚れから製品を保護する

使用用途:食品・生活用品・チューブボトル・ポンプボトル・複雑な形状の容器

■シュリンクフィルムの形状について

ここからは、シュリンクフィルムの形状を解説します。

紙管巻

紙管巻のシュリンクフィルムは、筒状のフィルムをロール状にまとめた形状です。2か所にシール加工を施し、製品を完全に密封した状態で包装する場合に使用します。紙管巻のシュリンクフィルムに印刷加工を施すと、店頭に展示する際に製品の魅力をPRするラベルとしても活用可能です。

また、紙管巻のシュリンクフィルムは、主に以下の用途で使用されています。

●    紙筒品

●    缶製品

●    カード

半折紙管巻

半折紙管巻のシュリンクフィルムは、半分に折られたフィルムをロール状にまとめた形状で、3か所にシール加工を施して製品を密封する場合に使用します。

以下は、半折紙管巻のシュリンクフィルムを包装に使用するメリットです。

●    量産品の包装に適している

●    さまざまな形状の製品を包装できる

また、半折紙上巻のシュリンクフィルムは、主に以下の用途で使用されています。

●    土産品

●    木工品

●    電気製品

Rシール

Rシールのシュリンクフィルムは楕円のような袋状のフィルムで、製品の底以外の部分を包装する場合に使用します。

以下は、Rシールのシュリンクフィルムを包装に使用するメリットです。

●    曲線状にシール加工されているため、複雑な形状でもきれいに包装できる

●    キャップシールとラベルを同時に加工できる

また、Rシールのシュリンクフィルムは、主に以下の用途で使用されています。

●    プラスチック容器

●    箱

カット袋

カット袋のシュリンクフィルムは、チューブカットされた筒状のフィルムで、包装する際にフィルムの両端に隙間を空ける場合に使用します。他のシュリンクフィルムとは異なり、シール加工を施さずに包装できるため、コストを抑えられる点がメリットです。

また、カット袋のシュリンクフィルムは、主に以下の用途で使用されています。

●    カード

●    乾電池

■シュリンクフィルムの素材について

ここからは、シュリンクフィルムに使用されている素材のメリット・デメリットを解説します。

PVC

PVC(ポリ塩化ビニル)は、塩化ビニルを重合させて生成します。以下は、PVCのシュリンクフィルムを使用した際のメリットです。

●    透明性に優れている

●    光沢感のある仕上がりで包装できる

●    低温で収縮加工できる

●    燃えにくい

●    電気を通しにくい

ただし、以下のデメリットもあるため、使用する際は注意しなければなりません。

●    自然収縮が発生しやすい

●    強度が弱い

●    シール加工された空洞部分が破れやすい

●    静電気が発生しやすい

PS

PS(ポリスチレン)は、原油由来のスチレンを重合させて生成します。以下は、PSのシュリンクフィルムを使用した際のメリットです。

●    透明性に優れている

●    収縮率が高いため、包装をきれいに仕上げられる

●    寸法安定性に優れているため、印刷加工に適している

●    電気を通しにくい

ただし、以下のデメリットもあるため、使用する際は注意も必要です。

●    衝撃に弱い

●    自然収縮を起こしやすい

●    有機溶剤に溶けやすい

PET

PET(ポリチレンテレフタレート)は、原油由来のテレフタル酸とエチレングリコールを化学反応させて生成します。以下は、PETのシュリンクフィルムを使用した際のメリットです。

●    透明性や耐薬品性に優れている

●    寸法安定性がよいため、印刷加工に適している

●    衝撃に強い

ただし、以下のデメリットもあるため、使用する際は注意も必要です。

●    開封しにくい

●    収縮温度が高いため、包装する際に加工しづらい

PE

PE(ポリエチレン)は、原油由来のエチレンを重合させて生成します。以下は、PEのシュリンクフィルムを使用した際のメリットです。

●    収縮率が高いため、包装をきれいに仕上げられる

●    シール面の強度が強い

●    重量のある製品も包装できる

●    ブロッキング包装も可能

●     

ただし、透明性が低く、収縮に時間がかかる点もデメリットと言えます。

PP

PP(ポリプロピレン)は、原油由来のプロピレンを重合させて生成します。

以下は、PPのシュリンクフィルムを使用した際のメリットです。

●    透明性や耐熱性が高い

●    耐寒性や防湿性に優れており、冷凍食品の包装にも適している

●    PVC(塩化ビニル)よりも安価

●    印刷加工がしやすい

ただし、シール部分に空間がある場合、破れやすい点がデメリットと言えるでしょう。

PO

PO(ポリオレフィン)は、炭化水素の二重結合をもつプラスチックの総称を指します。以下は、POのシュリンクフィルムを使用した際のメリットです。

●    透明性や突刺・引裂強度に優れている

●    収縮率が高いため、包装をきれいに仕上げられる

●    低温で収縮加工できる

ただし、他の素材よりも価格が高いほか、開封しにくい点もデメリットに挙げられます。

■まとめ

シュリンクフィルムとは、製品の形状に合わせて包装できる資材の一つです。形状や素材ごとに特徴が異なるため、どのフィルムを使用するか迷った場合は、使用用途に応じて使い分けるとよいでしょう。

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