キャップシールとはどんなもの?収縮加工方法についても併せて解説

コラム

キャップシールは、ガラス瓶・プラスチック容器の蓋に加工するフィルムです。キャップシール加工の方法には、いくつかの方法があります。

今回は、キャップシールについて紹介します。

■キャップシールとはどんなもの?

まずは、キャップシールの概要を説明します。キャップシールの素材や使用目的、保管方法も併せて解説するので、キャップシールを選ぶ際の参考にしてください。

キャップシールとは

キャップシールとは、容器の口の形状に合わせてシュリンクフィルムを収縮加工する包装方法のことです。製品が新品または未開封であることを証明できるうえに、異物の混入や内容物の改ざんを防ぐメリットもあるため、以下の容器を包装する際に使用されています。

●    食品

●    ガラス瓶

●    ペットボトル

ただし、キャップシールに密閉性を高める効果はないため、使用する際はきちんと密閉できる容器を使用することが前提です。

また、酒瓶などに使用されている金属製のキャップシールは、ラミネート加工技術を利用してアルミニウムなどの薄い膜を蒸着させた素材を使用しています。光沢感のあるフィルムを使用していることから、製品の高級感を演出できます。

キャップシールの素材

キャップシールには、主に以下の素材が使用されています。

●    塩ビ(PVC)

●    PET樹脂

ここからは、各素材の特徴を解説します。

<塩ビ(PVC)の特徴>

塩ビとは、ポリ塩化ビニルの略称で、ポリエチレンやポリプロピレンなどとともに5大汎用樹脂に分類される素材です。塩ビのメリット・デメリットは、以下の通りです。

<メリット>

l   低温で収縮するため、包装しやすい

l   安価で手に入りやすい

<デメリット>

l   自然収縮が発生しやすい

l   PET樹脂よりも強度が低く、衝撃に弱い

l   空間シール面が破れやすい

塩ビは酸やアルカリに強く、印刷加工も可能なため、キャップシールの素材として広く使用されてきました。しかし、燃やすと有毒ガスを発生させる恐れがあることから、現在では環境への負担軽減を理由に使用されることが少なくなっています。

<PET樹脂の特徴>

PET樹脂とは、容器や衣類などに広く使用されているポリエチレンテレフタレート樹脂を指します。有害物質を含まず、食品にも安心して使用できるため、キャップシールに広く使用されている素材です。

また、キャップシールにPET樹脂を使用すると、以下のメリット・デメリットがあります。

<メリット>

l   塩ビよりも強度が高い

l   寸法安定性に優れているため、印刷加工がしやすい

<デメリット>

l   収縮温度が高く、包装しにくい

l   強度があるため、開封しにくい

・キャップシールの目的

キャップシールの使用目的は、以下の通りです。

●    製品が新品・未開封であることを示す

●    異物の混入や内容物の改ざんを防ぐ

●    傷や汚れから製品を保護する

●    劣化や色あせを防ぐ

さまざまな容器の形状に合わせたキャップシールが販売されているため、包装する容器の蓋の大きさに適したものを選ぶとよいでしょう。

キャップシールの保管方法

キャップシールは高温になると徐々に収縮するため、高温を避けて保管することが大切です。特に、高温になりやすい夏場の倉庫内などは避け、人が快適に過ごせる室内に保管場所を移しておくとよいでしょう。

■キャップシールの収縮加工方法について

ここからは、キャップシールの収縮加工方法を解説します。

キャップシールを加熱する機械の特徴や使い方も併せて紹介するので、購入を検討している方は、ぜひ以下の内容を確認してください。

加熱させて加工

キャップシールは、以下の機械で加熱させて加工します。

●    シュリンクトンネル

●    ハンドヒーター

●    ヒートガン

包装する容器の個数が多い場合は、効率的に収縮加工できるシュリンクトンネルを使用するとよいでしょう。シュリンクトンネルは、トンネル内の蒸気熱や熱風を利用して収縮加工する機械です。包装する容器やキャップシールの材質に応じて目盛りを設定すれば、ボタンを押すだけで均一に加熱できるため、誰が操作しても同等の品質に加工できます。

また、容器の設置方向は縦置きでも横置きでも使用できることから、ジャム瓶や酒瓶など、さまざまな容器に合わせてキャップシールを付けられる点もメリットの一つです。

ハンドヒーターのメリットとデメリット

ハンドヒーターは、円形のヒーターの熱を利用してキャップシールを収縮加工する機械です。キャップシールの収縮加工にハンドヒーターを使用する場合、以下のメリット・デメリットがあります。

<メリット>

●    他の機器よりも安価

●    操作が単純で、誰でも簡単に加工できる

●    軽量で持ちやすい

●    キャップシールに合わせて機械の大きさを選べる

<デメリット>

●    収縮加工できる温度になるまでに時間がかかる

●    包装する容器の個数が少ない場合には向いていない

・ハンドヒーターの使い方

ハンドヒーターの使用手順は、以下の通りです。

  1. スイッチを入れる
  2. 収縮加工できる温度になったら、キャップシールを容器に乗せる
  3. 2の上からハンドヒーターをかぶせる

ただし、ハンドヒーターをかぶせるスピードが遅かったり浅くかぶせたりすると、うまく収縮加工できない可能性があります。ハンドヒーターできれいに収縮加工するためには、ハンドヒーターの透明な天板に容器が接するまで深くかぶせましょう。

・ヒートガンのメリットとデメリット

ヒートガンは、熱風を利用してキャップシールを収縮加工する機械です。キャップシールの収縮加工にヒートガンを使用する場合、以下のメリット・デメリットがあります。

<メリット>

●    シュリンクトンネルよりも安価

●    火を使用しないため、安全に加工できる

●    こげにくい

●    操作が単純で簡単に加工できる

●    形状が複雑な容器にも対応できる

<デメリット>

●    収縮加工できる温度になるまでに時間がかかる

●    収縮にムラができやすい

●    風量を調節できない種類が多い

ヒートガンの温度や風量の調節範囲は製品ごとに異なりますが、キャップシールを収縮加工する際は、両手で作業できる自立型やスタンド付のものを選ぶとよいでしょう。

ヒートガンの使い方

ヒートガンの使用手順は、以下の通りです。

  1. 容器にキャップシールを乗せる
  2. 本体のスイッチを入れる
  3. ヒートガンの熱風を当てる

操作方法は単純ですが、熱風で収縮加工するため、やけどしないように注意しましょう。

また、ヒートガンを使用する際は、以下の点にも注意しなければなりません。

●    使用中は素手で触らず、軍手を使用する

●    使用後は本体が冷めるまで触らない

●    熱で収納容器が破損する恐れもあるため、電源を切ってすぐに片付けない

加えて、ヒートガンの使用後に本体をすぐに冷ましたい場合は、冷却機能を使用するとよいでしょう。

■まとめ

キャップシールは、熱を利用して容器の蓋に収縮加工を施す包装方法です。キャップシールを使用すると、新品・未開封であることを示せるため、製品に付加価値を与えられるメリットがあります。また、キャップシールで高級感を演出したい場合は、アルミ蒸着を利用した光沢のあるキャップシールがおすすめです。

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